株式会社インフォマートのM&A実績
外食業界向けのクラウドサービスを、本業の受発注プラットフォームにつなげる目的で買っている会社です。件数はまだ2件ですが、2026年には「フード事業分野における事業買収による売上高の拡大」を成長戦略のひとつとして掲げています。飲食店や食品卸の業務を支えるソフトウェア・システムの会社なら、相手として名前が挙がる買い手です。
株式会社インフォマートが公表した適時開示2件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都港区
- 設立
- ―
- 事業内容
- 飲食店と食品卸をつなぐ受発注などの「BtoBプラットフォーム」を運営。外食向けのFOOD事業と、請求書など全業種向けのES事業の2本立て
- 売上高
- 188億1,700万円(2025年12月期(連結))
- 営業利益
- 28億6,300万円
- 純資産
- 121億8,000万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 飲食店・食品卸向けの受発注クラウド/飲食店向けの経営管理システム
- 対象の規模
- 対象の売上 1.16億円〜4.85億円
- 手法
- 株式譲渡(子会社化)。先に少額出資して販売代理店として組み、その後に買い増す形と、一部の株式を売り手に残す形の両方を使う
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残しています。タノムは2段階で97%まで取得した後も、決算短信で「結合後企業の名称:変更ありません」とされています。
- 2件とも取得価額が開示されています。K&Cファクトリーは5億7,582万円(80%分)、タノムは2回に分けて合計23億5,000万円(84%分)でした
- 赤字のスタートアップを、売上の20倍を超える評価で買った実績があります。タノムは売上1億1,600万円・営業損失1,500万円の段階で、100%換算で約28億円の値がついています
- いきなり買うのではなく、まず出資・提携から入る流れが見られます。タノムには2021年に資本業務提携で13%出資し、販売代理店として3年間売ってから子会社化しました
買収の履歴2件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社K&Cファクトリー
飲食店向け経営管理システム「ぴかいちナビ」の販売・運営、ヘルプデスク、システム開発/東京都新宿区/2009年4月設立
- 取得価額
- 5億7,582万円
- 対象の売上
- 4億8,500万円
- 対象の営業利益
- 4,600万円
- 対象の純資産
- 1億7,300万円
決算期:2025年8月期/譲渡前の株主:個人3名(明田 典久79.45%、萩原 敏貴13.70%、三嶋 嘉睦6.85%)で100%保有/発行済株式の80%(584株)の取得価額。100%に換算すると約7億2,000万円で、純資産1億7,300万円の約4.2倍、営業利益4,600万円の約15.6倍にあたる
買収理由:受発注・仕入/原価管理に加え、飲食店のFLコスト(食材費+人件費)管理まで支援範囲を広げる
売上4億8,500万円・営業利益4,600万円・純資産1億7,300万円。売上は4億2,000万円→4億4,800万円→4億8,500万円と毎年伸びていました。前期は最終赤字(△1,400万円)でしたが、営業利益は出ており、直近期で戻しています。社長を含む個人3名の会社で、買われたのは80%。残りの20%は売り手側に残る形です。全部を手放さず、上場企業の傘下で事業を続けながら持分を持ち続けるという選択肢の実例です。ニッチな業務ソフトでも、買い手の本業と顧客が重なれば値がつきます。
株式会社タノム
食品卸と個人飲食店の受発注クラウド「TANOMU」の運営・開発/東京都渋谷区/2010年4月設立
- 取得価額
- 23億5,000万円
- 対象の売上
- 1億1,600万円
- 対象の営業利益
- △1,500万円
- 対象の純資産
- 2億3,100万円
決算期:2023年3月期(連結)/譲渡前の株主:創業者(川野 秀哉)48.69%、インフォマート13.02%、ベンチャーキャピタル等7社、個人4名/第1回1,047百万円(2024年3月29日、37.4%分)+第2回1,303百万円(2025年3月31日、46.6%分)の合計。別にアドバイザリー費用等34百万円(概算)。1株あたりの価格は両回とも同じで、100%換算では約28億円。決算短信では、既保有株の時価364百万円を含めた取得原価を2,714百万円、のれんを1,289百万円としている
買収理由:「TANOMU」と自社の受発注サービスを連携し、外食業界での受発注を固める
売上1億1,600万円・営業損失1,500万円・純資産2億3,100万円の赤字企業に、100%換算で約28億円の値がついています。売上は2,800万円→5,700万円→1億1,600万円と毎年倍増し、赤字も4,300万円→1,500万円と縮んでいました。決め手は利益ではなく、300社を超える卸が使う受発注の仕組みと伸び率です。2021年の資本業務提携から3年間、買い手自身が販売代理店として売ってみて、効果を確かめてから買っています。提携先がそのまま買い手になる流れの典型で、代金も1年をあけて2回に分けて支払われています。
2025年3月31日の第2回取得で議決権97.0%の子会社となり、2025年12月期決算短信で「結合後企業の名称:変更ありません」と記載されています。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社K&Cファクトリー5億7,582万円(売上の1.19倍・営業利益の12.5倍)
- 株式会社タノム23億5,000万円(売上の20.26倍)※営業赤字での譲渡
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社インフォマートが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日