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株式会社ピアズのM&A実績

本業の周辺にある人材派遣・イベント制作・IT人材の会社や事業を、数千万円から十数億円の幅で買っている会社です。売り手は個人オーナーのほか、上場企業や、事業の一部を切り出したい会社が目立ちます。2024年以降は会社ごとではなく「SES事業だけ」「サービス1つだけ」を買う事業譲受・会社分割が中心になっています。

株式会社ピアズが公表した適時開示8件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月13日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都港区
設立
2002年6月
事業内容
携帯電話の販売店向けセールスプロモーションを祖業に、店舗DX、オンライン接客、AIを使ったスタッフ研修、SES(エンジニアの常駐派遣)などを手がける会社
売上高
61億300万円(2025年9月期(連結))
営業利益
5億5,900万円
純資産
27億5,900万円

どんな会社を買っているか

買う業種
通信業界向け人材派遣・セールスプロモーション/イベント制作・映像制作/SES(エンジニアの常駐派遣)・IT人材育成スクール/オンライン商談システム/エンジニア向けキャリア支援サービス
対象の規模
対象の売上 6,300万円〜16.8億円(事業だけを買った案件を含む)
手法
株式譲渡(子会社化)、事業譲受、売り手が新設した会社の株式を買う形(会社分割の受け皿会社の取得)
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
残す会社と畳む会社がはっきり分かれます。ウィルやマックスプロデュースは子会社として取得しましたが、イーフロンティアは取得当日に社名を変え、約5か月後にピアズ本体へ吸収合併されました。One go One wayは約1年半後に創業者本人へ売り戻されています。
  • 8件中6件で取得価額が開示されています。2,000万円(One go One way)から11億6,600万円(ウィル)まで幅があります
  • 価格の決め方も毎回書かれています。利益が出ている会社はDCF法・NPV法、利益の薄い会社は「時価純資産法」と使い分けており、イーフロンティアは純資産2億3,400万円に対して1億7,400万円と、純資産を下回る値段でした
  • 事業譲受では「承継対象従業員の状況等に応じて減額調整される可能性」と毎回書かれています。SESや人材の事業は、人が移ってこそ値段がつくという前提で契約されています
  • 債務超過(純資産マイナス1,400万円)のマックスプロデュースも、社長個人から100%取得しています

買収の履歴8件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年2月24日株式譲渡。売り手のGroovesがForkwell事業の一部を吸収分割で新設会社に移し、その株式の81%を取得

株式会社フォークウェル(81%)

ITエンジニア向けキャリア支援プラットフォーム「Forkwell」の運営/東京都港区/2025年12月設立

取得価額
3億2,680万円
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
5,000万円

決算期:新設会社のため決算なし(承継資産の数値)/譲渡前の株主:株式会社Grooves(非上場の人材サービス会社)が100%保有/81%分の取得価額。関係当局の許認可等の取得が前提条件/相手先の意向により非開示。「ピアズの連結売上高の10%未満」とだけ記載

買収理由:IT人材領域の事業基盤強化。Forkwellの専門性と蓄積データを営業基盤と掛け合わせ、将来は人材派遣・人材紹介まで広げる

売り手のGroovesは会社を売ったのではなく、複数ある事業の1つを切り出して売っています。「クラウドエージェント」など他の事業は譲渡の対象外です。承継する純資産は5,000万円ですが、81%で3億2,680万円の値がついています。会員データやサービスの知名度のように帳簿に載らないものに値段がついた例です。業績は相手先の意向で非開示でした。

買収後存続2026年10月13日時点

2026年3月2日に株式譲渡を実行予定として開示されています。商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:株式会社GroovesのForkwell事業の一部を吸収分割により承継する新設会社の株式取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結のお知らせ

出典:株式会社GroovesのForkwell事業の一部を吸収分割により承継する新設会社の株式取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結のお知らせ

2026年1月16日事業譲受(資産・負債の引受なし)

株式会社ウィズオノウェアのSES事業

SES(製品・機器向けソフトウェアの組み込み型エンジニアが中心)/大阪府大阪市/譲渡会社は2004年12月設立設立

取得価額
5,000万円
対象の売上
1億9,000万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2025年3月期(対象事業・ピアズ算定)/譲渡前の株主:株式会社UPドリームスホールディングスが100%保有する会社からの事業譲受/承継対象従業員の状況等に応じて減額調整される可能性あり。全額手元現金で決済/2025年3月期の対象事業の売上高190.3百万円(売上総利益50.3百万円)。譲受元では事業単独の数字を出せないため、ピアズが仮定を置いて算定した数値

買収理由:2024年に買ったSES事業はWeb開発のエンジニアが中心だったため、製品・機器向けソフトの人材と取引関係を補う

売上1億9,000万円・粗利5,000万円の事業を5,000万円で譲り受けています。粗利のちょうど1年分です。会社ではなく事業だけ、しかも資産も負債も引き継がない形なので、ほぼ「エンジニアと取引先」の値段と読めます。売り手の側では事業単独の数字すら出せなかったため、買い手が自分で数字を組み立てています。部門別の数字を整えていなくても売れた例です。

買収後存続2026年10月13日時点

2026年1月16日にピアズ本体が事業を譲り受けました。法人としての受け皿はなく、ピアズの事業として運営されています。その後の再譲渡などの開示は確認できていません。

確認元:株式会社ウィズオノウェアからの「SES事業」の譲受に関するお知らせ

出典:株式会社ウィズオノウェアからの「SES事業」の譲受に関するお知らせ

2025年6月19日売り手のベルフェイスが新設した会社の株式を全部取得(会社分割の受け皿会社)

ベルフェイスシステム株式会社

オンライン商談システム「bellFace」(金融・証券業界向けに導入実績)/東京都港区/ベルフェイスが新設(設立日は非開示)設立

取得価額
―
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:非開示/譲渡前の株主:ベルフェイス株式会社(資本金85億4,900万円・資本準備金含む。大株主は非開示)/非開示。基本合意の段階では諸条件は今後の交渉で決めるとされ、その後の決算短信でも金額は出ていない

買収理由:通信業界中心のオンライン接客に、銀行・証券向けのオンライン営業を加えて金融分野へ広げる

資本金85億円規模まで資金を集めたスタートアップが、看板サービスだけを切り出して売った案件です。会社そのものではなく、新設した会社に事業を移して株を渡しています。金額も業績も開示されていませんが、大きく資金を集めた会社でも、出口が上場ではなく「事業の売却」になることはあるという実例です。

買収後存続2026年10月13日時点

2025年9月期の決算短信で、ベルフェイスが新設したベルフェイスシステム株式会社の全株式を取得し、完全子会社として連結に含めたと開示されています(事業の取得は2025年8月)。商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:2025年9月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:ベルフェイス株式会社の新設分割会社の株式取得(子会社化)に関する基本合意書締結のお知らせ

2024年6月28日事業譲受(資産・負債の引受なし)

株式会社ワイヤードパッケージのSES事業・BOOT CAMP DX事業

IT人材の派遣・SES(システムエンジニア200名近く)、エンジニア育成スクール「BOOT CAMP DX」/東京都中央区/譲渡会社は2024年2月設立設立

取得価額
5億5,000万円
対象の売上
10億6,800万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2024年1月期(対象事業)/譲渡前の株主:非開示(先方の要請により大株主の記載を省略)/承継対象従業員の状況等に応じて減額調整される可能性あり。全額手元現金で決済/2024年1月期の対象2事業の売上高。売上総利益は282百万円

買収理由:生成AIを使った店舗運営・研修のニーズに応えるため、開発体制を内製化する。スクールの運営ノウハウを研修事業にも使う

売上10億6,800万円・粗利2億8,200万円の事業を5億5,000万円で譲り受けています。粗利の約2年分、売上の約0.5倍です。エンジニア200名近くという「人の数」が評価の中心でした。その後ピアズは決算短信で、この人材を使って開発を内製化し外注費を減らしたと説明しています。SES会社にとっては、エンジニアの人数と定着がそのまま値段になることが読み取れます。

買収後存続2026年10月13日時点

2024年6月30日にピアズ本体が事業を譲り受けました。2026年1月のSES事業譲受の開示でも「2024年6月に譲り受けたSES事業」として運営が続いていると説明されています。

確認元:株式会社ウィズオノウェアからの「SES事業」の譲受に関するお知らせ

出典:SES及びBOOT CAMP DX事業の譲受けに関するお知らせ

2022年5月30日株式譲渡(子会社化)

株式会社マックスプロデュース

社内イベント(インナーイベント)を中心としたイベント制作・プロデュース、映像制作/東京都渋谷区/2012年1月設立

取得価額
―
対象の売上
4億600万円
対象の営業利益
△3,000万円
対象の純資産
△1,400万円

決算期:2021年9月期/譲渡前の株主:個人1名(桑原 裕文)が100%保有/契約上の守秘義務により非開示。第三者のデューデリジェンス結果に基づき時価純資産法等で評価した金額をもとに協議して決定し、「金額は軽微」と記載

買収理由:イベント制作の力を取り込み、営業力を強化して新規顧客を獲得する

純資産マイナス1,400万円の債務超過で、2期続けて営業赤字でした。売上も6億6,300万円→4億4,400万円→4億600万円と、コロナ下でイベントが減った時期に大きく落ちています。値段は「時価純資産法等」で決めた「軽微な金額」とだけ書かれており、高値ではなかったと読めます。それでも債務超過の会社が、社長個人の持株100%のまま上場企業に引き取られています。業績が戻るのを待たずに、引き受け手を見つけた例です。

買収後存続2026年10月13日時点

2022年6月1日に株式譲渡を実行予定として開示されています。商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:株式会社マックスプロデュースの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社マックスプロデュースの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2022年5月30日株式譲渡(子会社化)

株式会社ウィル

通信業界向け人材派遣、セールスプロモーション/神奈川県横浜市/2000年1月設立

取得価額
11億6,600万円
対象の売上
16億8,000万円
対象の営業利益
△600万円
対象の純資産
10億3,900万円

決算期:2021年8月期/譲渡前の株主:個人1名(大坪 誠)が100%保有/アドバイザリー費用等26百万円を加えた合計額は1,192百万円(概算)。第三者のデューデリジェンス結果に基づきNPV(正味現在価値)法等で評価

買収理由:通信業界向けの人材を取り込み、オンライン接客のオペレーターや研修講師を確保する。外注していた業務を内製化してコストを下げる

この会社の買収で最大の11億6,600万円です。売上は23億5,400万円→20億100万円→16億8,000万円と2年で3割減り、営業利益も5,700万円→400万円→△600万円と赤字に落ちていました。それでも純資産10億3,900万円をやや上回る値段がついています。同業の買い手から見ると、通信業界向けの派遣スタッフという「人の層」が欲しかったことが読み取れます。業績が下り坂でも、純資産を厚く積んでいた会社は値段を守れた例です。

買収後存続2026年10月13日時点

2022年6月1日に株式譲渡を実行予定として開示されています。商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:株式会社ウィルの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社ウィルの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2022年4月12日株式譲渡(子会社化)。親会社から99.9952%を取得し、残りを個人株主12名から追加取得して完全子会社化

株式会社イーフロンティア

パソコン向けソフトウェア・音楽制作ソフト・周辺機器の企画、開発、販売/東京都港区/1999年7月設立

取得価額
1億7,400万円
対象の売上
1億8,300万円
対象の営業利益
700万円
対象の純資産
2億3,400万円

決算期:2021年10月期/譲渡前の株主:株式会社クシム(上場企業)が99.93%保有。残りは個人株主12名/アドバイザリー費用等1百万円を加えた合計額は175百万円(概算)。第三者のデューデリジェンス結果に基づき時価純資産法等で評価。残りの株式は個人12名から11千円で追加取得

買収理由:メタバース事業の足掛かりとして、ソフトウェア分野のチャネルなどを利用する

売上1億8,300万円・営業利益700万円・純資産2億3,400万円。値段は1億7,400万円で、純資産の約0.74倍でした。利益がほとんど出ていない会社は、時価純資産を基準に、帳簿の純資産より安く値付けされることがあります。売り手は上場企業のクシムで、子会社を手放した案件です。買った当日に社名を変え、約5か月で親会社に吸収合併されています。「社名や会社を残したい」売り手は、相手が何のために買うのか(事業か、器か)を確かめる必要があります。

買収後吸収合併2026年10月13日時点

2022年5月1日に「株式会社メタライブ」へ商号変更し、2022年9月26日付でピアズ本体に吸収合併されて法人は消滅しました。事業はピアズのメタバース事業部が引き継いでいます。

確認元:(開示事項の経過)完全子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)完了に関するお知らせ

出典:株式会社イーフロンティアの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2020年8月18日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社One go One way

コンサルティング、講師・アドバイザー、運営支援・業務代行/埼玉県さいたま市/2018年6月設立

取得価額
2,000万円
対象の売上
6,300万円
対象の営業利益
100万円
対象の純資産
100万円

決算期:2020年5月期/譲渡前の株主:個人1名(清田 直哉)が100%保有/アドバイザリー費用等1百万円を加えた合計額は21百万円(概算)。第三者のデューデリジェンス結果に基づきDCF法で評価

買収理由:取引先だった会社を完全子会社化し、第三者取引をグループ内取引にしてコストを下げる

資本金100万円、設立2年、売上6,300万円・純資産100万円の会社に2,000万円がついています。利益はほぼゼロでも、DCF法で将来の稼ぎを見込んで値付けされました。もともと取引先だった会社で、取引の実績がそのまま買収のきっかけになっています。ただし約1年半後、同じ創業者に1,800万円で売り戻されました。

買収後再売却2026年10月13日時点

2022年1月31日に、株式の100%を代表取締役の清田直哉氏へ18百万円で譲渡し、連結から外れました。譲渡後もピアズの協力会社として取引を続ける予定と開示されています。

確認元:連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ

出典:株式会社One go One wayの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された6件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社フォークウェル(81%)3億2,680万円
  • 株式会社ウィズオノウェアのSES事業5,000万円(売上の0.26倍)
  • 株式会社ワイヤードパッケージのSES事業・BOOT CAMP DX事業5億5,000万円(売上の0.51倍)
  • 株式会社ウィル11億6,600万円(売上の0.69倍)※営業赤字での譲渡
  • 株式会社イーフロンティア1億7,400万円(売上の0.95倍・営業利益の24.9倍)
  • 株式会社One go One way2,000万円(売上の0.32倍・営業利益の20.0倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社ピアズが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月13日