324A東証グロース

株式会社ブッキングリゾートのM&A実績

旅館・ホテルを1軒ずつ買っている会社です。本業は宿泊施設の集客支援で、自社で運営する「直営宿泊施設」を集客ノウハウの実験場と位置づけて取得しています。これまでの2件はどちらも売上2億円前後、1施設だけの宿で、1件は事業譲受、もう1件は家族3名が持つ会社の株式取得でした。2026年10月には、宿そのものではなく売上107万円のWEBメディアを1,000万円で買っています。開示では「シナジー効果が期待できる事業との提携やM&Aなどを検討」と続ける方針を示しています。

株式会社ブッキングリゾートが公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月22日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
大阪府大阪市
設立
2013年5月
事業内容
宿泊施設向けの集客支援(予約獲得・コンサルティング)を軸に、施設の開発・運営受託・再生と、直営宿泊施設の運営を手がける会社
売上高
17億1,900万円(2026年4月期(非連結))
営業利益
5億900万円
純資産
17億8,100万円

どんな会社を買っているか

買う業種
旅館・ホテル(温泉宿、ペット同伴可の宿など)/グランピング・宿泊の情報メディア(WEB)
対象の規模
対象の売上 107万円〜2.04億円
手法
事業譲受(施設と運営事業だけを引き取る)と株式譲渡(100%子会社化)の両方を使う
赤字でも買うか
黒字の会社のみ
買収後の扱い
事業譲受で取った「湖風の宿 あさふじ」は施設名のまま直営施設として運営されています。株式で取得するおがさわらは100%子会社になる予定です。
  • 2件とも取得価額が開示されています。事業譲受は3億円(税抜)、株式取得は1億4,700万円(アドバイザリー費用等2,600万円は別)でした
  • 相手先の名前を伏せたまま契約を進めることにも応じています。あさふじの案件は、契約時の開示では売り手の社名も価格も非公開とし、「相手先の合意が得られた時点で開示」として段階的に情報を出しました
  • 規模の小さい買い手です。2026年4月期の純資産は17億8,100万円で、1件あたり1億〜3億円程度が実績の範囲です
  • 宿だけでなく、集客に使えるWEBメディアも買います。「みんぐら」は売上107万円・経常利益40万円で、取得価額1,000万円(経常利益の25倍)。従業員も施設もない、サイトとドメインと施設データベースだけの譲受でした

買収の履歴3件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年10月19日事業譲受。引き継ぐのはWebサイト・ドメイン・施設データベースなどで、負債は引き継がない。資産ごとの金額は個別に算定していないと開示

グランピング情報メディア「みんなのグランピング(みんぐら)」

グランピング施設の検索・比較・送客に特化したWEBメディアの運営/―(事業譲受のため所在地なし)

取得価額
1,000万円
対象の売上
100万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:直前事業年度(売上高107万円、経常利益40万円)/譲渡前の株主:合同会社RASA JAPAN(神奈川県横浜市、2019年2月設立、資本金150万円)。出資は喜多克99.3%・喜多美樹0.7%の個人2名/事業譲渡価額10百万円。別にアドバイザリー費用等1百万円、合計11百万円。手許現預金を充当

買収理由:グランピング領域でのWEB占有率の拡大。年間約30万セッションの流入を自社の宿泊施設・クライアント施設へ直接送客する

売上107万円・経常利益40万円のWEBメディアが、1,000万円で売れています。経常利益の25倍です。 買われたのは会社ではなく、サイトとドメインと施設データベースだけ。従業員も店舗も在庫もありません。それでも値が付いたのは、「日帰りグランピング」などの検索で上位を取っている集客力が、買い手の本業(宿泊施設への送客)に直結するからです。累計284万セッション、記事約270本と開示されています。 開示には、買い手が何をするつもりかも書かれています。現状は楽天トラベル等のアフィリエイト中心の収益を、複数ASPの導入と自社施設への直接送客に切り替える、と。同じメディアでも、持ち主が変われば稼ぎ方が変わるという前提で値段が付いています。 [会社を売らずに事業だけを売る](/guide/basic/kabushiki-jouto-jigyou-jouto)形なので、売り手の合同会社RASA JAPANは残ります。事業の一部だけを切り出して売る選択肢が、この規模でも成り立つことを示す例です([会社分割で一部だけ売る](/guide/basic/kaisha-bunkatsu-ichibu))。

買収後実行前2026年10月22日時点

事業譲渡の実行日は2026年11月2日(予定)と開示されています。

確認元:グランピング特化型SEOメディア「みんなのグランピング(みんぐら)」の事業譲受けに関するお知らせ

出典:グランピング特化型SEOメディア「みんなのグランピング(みんぐら)」の事業譲受けに関するお知らせ

2026年10月8日株式譲渡(100%子会社化)

株式会社おがさわら

ペットと泊まれる温泉宿「阿蘇温泉御宿小笠原」1施設の運営/熊本県阿蘇市/2008年4月設立

取得価額
1億4,700万円
対象の売上
2億400万円
対象の営業利益
1,100万円
対象の純資産
5,800万円

決算期:2026年3月期/譲渡前の株主:小笠原幸信80.0%、小笠原通子10.0%、小笠原明10.0%(個人3名)/アドバイザリー費用等26百万円を加えた合計額は173百万円。手許現預金で支払い

買収理由:九州エリアでの集客支援事業の拠点づくりと、温泉付きペット共生型宿の運営ノウハウの取り込み

資本金800万円、従業員23名の温泉宿1軒。売上は2億400万円→1億9,900万円→2億400万円とほぼ横ばい、営業利益は1,300万円→2,200万円→1,100万円でした。価格1億4,700万円は純資産5,800万円の約2.5倍、3期平均の営業利益(約1,500万円)の約10倍にあたります。売上が伸びていなくても、「ペットと泊まれる温泉宿」というはっきりした特色と集客力が評価された例です。開示文は2026年7月の熊本地震の影響にも触れ、「影響は限定的」と説明しています。

買収後実行前2026年10月13日時点

株式譲渡の実行日は2026年11月2日(予定)と開示されています。

確認元:株式会社おがさわらの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社おがさわらの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2025年6月30日事業譲受(有形・無形固定資産等。金銭債権・債務は対象外)

「湖風の宿 あさふじ」の施設及び運営事業

河口湖畔の温泉旅館(全室レイクビュー)の運営/山梨県南都留郡富士河口湖町

取得価額
3億円
対象の売上
1億6,000万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:直前事業年度/譲渡前の株主:非公開(相手先の意向)/税抜。第三者機関の評価算定報告を入手し、将来収益の見積もりも考慮して相手先と協議して決定。契約時は非公開で「2025年4月期末純資産額の約15%程度」と説明され、譲受完了時(2025年12月29日)の開示で金額が示された(出典はこの完了時の開示)/対象事業の直前事業年度の売上高(「約160百万円」と開示)

買収理由:直営宿泊事業として訪日旅行者の集客事例・運営ノウハウを獲得し、集客支援事業に生かす

対象事業の売上約1億6,000万円に対して、価格は3億円(売上の約1.9倍)。営業利益は「先方の意向により非公開」で「軽微」とだけ書かれています。利益が小さくても、富士山と河口湖を望む立地という作り直しのきかない資産に値段がついた形です。売り手の社名は最後まで開示されず、契約時点では価格も伏せられていました。名前を出さずに売りたいという希望は、上場企業相手でも通ることが分かります。

買収後存続2026年10月13日時点

2025年12月29日に譲受が完了。2026年4月期決算短信で、施設名のまま直営宿泊施設として運営を開始したと記載されています。

確認元:15:30 2026年4月期決算短信[日本基準](非連結)

出典:(開示事項の経過)事業譲受完了のお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された3件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • グランピング情報メディア「みんなのグランピング(みんぐら)」1,000万円(売上の10.00倍)
  • 株式会社おがさわら1億4,700万円(売上の0.72倍・営業利益の13.4倍)
  • 「湖風の宿 あさふじ」の施設及び運営事業3億円(売上の1.88倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社ブッキングリゾートが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月22日