ダイナミックマッププラットフォーム株式会社のM&A実績
地方の測量会社を買い集める「ロールアップ型M&A」を2025年に始めた会社です。開示文では、測量業者の95%が資本金1億円未満の中小企業であること、後継者不足で事業が承継されないまま廃業に至る傾向があることを買う理由に挙げています。受け皿として統括会社「ダイナミックマッププラットフォームコンサルタンツ」を新設し、その下に富山・山形の測量会社を1社ずつ迎えました。将来は比較的規模の大きい会社を中核に据える方針も示しています。
ダイナミックマッププラットフォーム株式会社が公表した適時開示2件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月9日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都渋谷区
- 設立
- 2016年6月
- 事業内容
- 自動運転・ADASをはじめ、多様な産業向けに高精度3次元地図データを整備・提供する会社。2025年から測量会社のグループ化を始めた
- 売上高
- 56億8,600万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- △18億7,600万円
- 純資産
- 72億2,900万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 測量全般(地上測量・ドローン測量)/土木建築の調査設計・施工監理/BIM・CIM関連業務、3次元計測
- 対象の規模
- 対象の売上 1.65億円(リカノス)。日本海測量設計は売上非開示。取得価額は2.4億〜3.5億円
- 手法
- 現金を対価とする株式譲渡で100%取得。2件目からは統括会社(子会社)が買い手になる形
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 2件とも社名を変えずに子会社として残し、公式サイトのグループ企業一覧に載っています。統括会社の下に地域の測量会社をぶら下げ、各社の特長は残しつつ人材・技術・機材を共有する、という方針が開示されています。
- 2件とも、あとで取得価額が分かります。適時開示の時点では「軽微」として非開示でしたが、決算短信の企業結合の注記で日本海測量設計は3億5,000万円、リカノスは2億4,200万円と出ています
- リカノスでは対象の3期分の業績が開示されています。売上1億6,500万円・営業利益1,200万円・純資産8,100万円の会社に2億4,200万円の値がついた、という数字が揃っている案件です
- 中小の測量会社が抱える課題(後継者不足、測量士の高齢化、設備投資の難しさ)を、買う理由として開示文に明記しています。同じ悩みを持つ測量会社の社長にとっては、話の入口が分かりやすい買い手です
- 買収は始まったばかりで、成約は2件です。親会社は2026年3月期に営業損失18億7,600万円で、リカノスの買収資金は山形銀行からの借入で調達しています
買収の履歴2件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社リカノス
ドローン(UAV)による写真測量・解析、地上型レーザー計測、BIM・CIM関連業務、技術者派遣/山形県山形市/2006年12月設立
- 取得価額
- 2億4,200万円
- 対象の売上
- 1億6,500万円
- 対象の営業利益
- 1,200万円
- 対象の純資産
- 8,100万円
決算期:2025年10月期/譲渡前の株主:個人1名(平 慶幸、創業者・代表取締役)が100%保有/適時開示では「連結純資産額の10%未満」として非開示。その後、2026年5月14日開示の「2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)」の後発事象注記で取得原価242百万円(現金)と開示。アドバイザリー費用等は別に25百万円。買収資金は山形銀行からの借入(310百万円)で調達
買収理由:ドローン測量の技術と現場対応の知見を取り込み、測量ネットワークを広げる(測量会社M&Aの第2弾)
売上1億6,500万円・営業利益1,200万円・純資産8,100万円の会社に、2億4,200万円の値がついています。純資産のおよそ3倍、営業利益のおよそ20倍です。営業利益は600万円→200万円→1,200万円と小さく揺れていて、利益の額だけでは説明しにくい価格です。ドローン測量の黎明期から取り組み、特許も持っていた技術と実績の積み上げが評価されたと読める案件です。創業者は代表を退き、買い手側の技術アドバイザーとしてグループに残っています。なお、外部専門家の財務デューデリジェンスで調整した数値は開示に反映していないと断り書きがあります。
2026年4月1日に取得済み。社名を変えずに子会社として残り、公式サイトの会社概要のグループ企業一覧に「株式会社リカノス」が載っています。
日本海測量設計株式会社
測量全般、土木建築工事の調査設計・企画・立案・施工監理/富山県高岡市/1983年11月設立
- 取得価額
- 3億5,000万円
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:非開示/取得時はプレスリリースのみで金額の記載なし。2026年5月14日開示の「2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)」の企業結合注記で取得原価350百万円(現金)と開示。アドバイザリー費用等は別に35百万円。のれんは128百万円(17年償却)
買収理由:富山で40年以上続く地域密着の測量基盤を取り込み、測量ネットワーク構築の第1号とする
1983年創業、富山県で地域密着の測量を続けてきた会社で、2024年の能登半島地震の復旧対応にも携わっていました。業績はプレスリリースに出ていませんが、決算短信の注記から輪郭が読めます。取得原価3億5,000万円のうち、のれんは1億2,800万円。受け入れた資産と負債の差額(時価ベース)は約2億2,000万円で、会社の正味の資産におよそ1億3,000万円上乗せした値段です。また期首に取得していた場合の影響額として、売上1億2,600万円・営業利益4,800万円(取得前の半年分の概算)が示されています。売り手の社長はコメントで、測量業界の課題解決につながる可能性を感じて話を受けたと述べています。
2025年10月1日に取得済み。社名を変えずに子会社として残り、公式サイトの会社概要のグループ企業一覧に「日本海測量設計株式会社」が載っています。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社リカノス2億4,200万円(売上の1.47倍・営業利益の20.2倍)
- 日本海測量設計株式会社3億5,000万円
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページはダイナミックマッププラットフォーム株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月9日