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アシードホールディングス株式会社のM&A実績

広島県福山市の自販機オペレーター兼飲料メーカーです。国内では地方の小さな会社を個人オーナーや同業者から買っています。とくに自販機の運営会社は、2026年に入って中国地方で3社を続けて取得しており、「営業エリアが重なる会社を買って拠点を効率化する」という狙いを毎回はっきり書いています。お茶の加工会社や物流会社のように、本業の周辺で技術や拠点を持つ会社も対象です。

アシードホールディングス株式会社が公表した適時開示6件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月9日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
広島県福山市
設立
1972年11月
事業内容
自動販売機の運営(自販機オペレーター)と、低アルコール飲料・清涼飲料の受託製造や茶葉の加工販売を行う飲料製造を二本柱とする持株会社
売上高
254億900万円(2026年3月期(連結))
営業利益
10億7,100万円
純資産
79億3,600万円

どんな会社を買っているか

買う業種
自動販売機の運営(自販機オペレーター)/乳製品の宅配/茶葉の受託加工・お茶の通信販売/物流代行・倉庫
対象の規模
対象の売上 0.67億円〜23.95億円(自販機運営の3件は売上非開示)
手法
株式譲渡(子会社化)が中心。子会社のアシード株式会社が買い手になる「孫会社化」、売り手が事業を吸収分割で新会社に移してからその株式を買う形、現金と自社株(簡易株式交換)を組み合わせる形も使う
赤字でも買うか
黒字の会社のみ
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残すのが基本です。ロジックイノベーション、静岡ローストシステム、マルサン萩間茶は公式サイトのグループ会社一覧に載っています。ただし同じ業種の子会社どうしは後でまとめることがあり、静岡ローストシステムとマルサン萩間茶は2027年1月1日に合併する予定です。
  • 取得価額が出ているのは静岡ローストシステムの1件だけです。現金で77.4%を9億5,200万円、残りを自社株との株式交換で取得しました。マルサン萩間茶は開示上「0百万円」と書かれています
  • その静岡ローストシステムでは、第三者算定機関が「修正簿価純資産法」と「FCF法」の2通りで1株あたりの価値を出したことと、その幅まで開示しています。さらに、雇用環境の厳しさを考慮して交換比率をFCF法の中央値よりやや下に置いた、と交渉の中身まで書いています
  • 自販機運営の3件(2026年)は、金額も業績も出ていません。日東ベンディング中国は「守秘義務により非開示、軽微基準内」、フジタ商事・大熊乳業は取得価額そのものの記載がありません
  • このほかベトナムの飲料会社への出資(持分法適用)もありますが、国内の中小企業の売却とは性格が違うため、この一覧には入れていません

買収の履歴6件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年6月19日株式譲渡(子会社アシードが取得=孫会社化)。売り手が乳製品宅配事業を吸収分割で新会社に移し、その全株式を取得

株式会社大熊乳業(大熊乳業株式会社の乳製品宅配事業を承継した新会社)

牛乳・乳製品の宅配、食料品の販売/岡山県倉敷市

取得価額
―
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:非開示/譲渡前の株主:開示に株主の記載なし(事業の元の持ち主は大熊乳業株式会社)/開示に取得価額の記載なし

買収理由:中四国で営業エリアが重なる事業を取り込み、拠点の効率化と収益の底上げを図る

自販機ではなく、乳製品の宅配事業です。それでも「営業エリアが重なる」という理由で、自販機の会社と同じ日に同じ形(事業だけを新会社に移してから株を渡す)で買われています。買い手の本業と業種がずれていても、同じ地域でルート配送をしている事業なら一緒に評価されることが読み取れます。業績と金額は開示されていません。

買収後社名変更2026年10月9日時点

開示では、取得後の名称を「大熊乳業株式会社」とし、代表者はアシード株式会社の社長が兼ねると書かれています。公式サイトのグループ会社一覧には載っていません(孫会社のためと推定)。

確認元:当社連結子会社による株式会社フジタ商事および大熊乳業株式会社の吸収分割承継会社2社の株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

出典:当社連結子会社による株式会社フジタ商事および大熊乳業株式会社の吸収分割承継会社2社の株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

2026年6月19日株式譲渡(子会社アシードが取得=孫会社化)。売り手が自販機運営事業を吸収分割で新会社に移し、その全株式を取得

フジタ商事株式会社(株式会社フジタ商事の自販機運営事業を承継した新会社)

自動販売機による飲料・食品の販売(自販機運営台数 約4,000台)/広島県福山市

取得価額
―
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:非開示/譲渡前の株主:開示に株主の記載なし(事業の元の持ち主は株式会社フジタ商事)/開示に取得価額の記載なし

買収理由:中四国で営業エリアが重なる自販機運営事業を取り込み、拠点の効率化と収益の底上げを図る

自販機約4,000台を運営する事業です。会社をそのまま売るのではなく、売り手が自販機の事業だけを吸収分割で新会社に移し、その新会社の株を渡しています。同じ日に、別の会社(大熊乳業)の乳製品宅配事業も同じ形で取得されました。売りたい事業と手元に残す事業を分けられる、という進め方の実例です。業績と金額は開示されていません。

買収後社名変更2026年10月9日時点

開示では、取得後の名称を「株式会社フジタ商事」とし、代表者はアシード株式会社の社長が兼ねると書かれています。公式サイトのグループ会社一覧には載っていません(孫会社のためと推定)。

確認元:当社連結子会社による株式会社フジタ商事および大熊乳業株式会社の吸収分割承継会社2社の株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

出典:当社連結子会社による株式会社フジタ商事および大熊乳業株式会社の吸収分割承継会社2社の株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

2026年3月5日株式譲渡(子会社アシードが全株式を取得=孫会社化)

有限会社日東ベンディング中国

自動販売機による飲料・軽食品の販売(中国5県)/広島県広島市/1972年6月設立

取得価額
―
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:非開示/譲渡前の株主:開示に株主の記載なし/守秘義務により非開示。「取得価額は適時開示基準に該当しない軽微基準内」

買収理由:中国5県で営業エリアが重なる自販機運営会社を取り込み、拠点の効率化と収益の底上げを図る

創業50年を超える有限会社、資本金1,000万円の自販機オペレーターです。広島・岡山・山口・島根・鳥取で自販機を運営していました。買い手は開示の中で「営業エリアの大部分が重複している」ことを理由に挙げています。同じ地域で同じ仕事をしている大手にとっては、ルートと設置先がそのまま価値になるということです。金額と業績は出ていません。

買収後存続2026年10月9日時点

2026年4月1日に株式譲渡を実行する予定と開示され、その後の合併や商号変更の開示は見当たりません。公式サイトのグループ会社一覧には載っていないため、存続は推定です(孫会社のため載っていないと推定)。

確認元:当社連結子会社による株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

出典:当社連結子会社による株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

2023年3月22日株式譲渡(全株式を取得して完全子会社化)

マルサン萩間茶株式会社

健康茶・烏龍茶・紅茶などの店舗販売と通信販売(EC)/静岡県牧之原市/1981年4月設立

取得価額
―
対象の売上
6,700万円
対象の営業利益
200万円
対象の純資産
5,200万円

決算期:2022年2月期/譲渡前の株主:個人1名(浅井 哲也)が100%保有/開示上の取得価額は「0百万円」(百万円未満で、実額は不明)。静岡ローストシステムと同じ売り手からの同時取得

買収理由:通信販売のノウハウをグループで活かす

売上6,700万円・営業利益200万円・純資産5,200万円、従業員2名の小さな販売会社です。営業利益は△100万円→△300万円→200万円と、前の2期は赤字でした。取得価額は開示上「0百万円」で、純資産5,200万円を大きく下回る金額です。同じオーナーが持つ加工会社(静岡ローストシステム)とまとめて売る中で、値段の大半は加工会社の側についた形です。グループで複数の会社を持っている場合、会社ごとの値段の付き方には大きな差が出ることが読み取れます。

買収後存続2026年10月9日時点

公式サイトのグループ会社一覧に連結子会社として載っています。ただし2026年9月25日開示の『連結子会社間の合併(簡易吸収合併)に関するお知らせ』で、2027年1月1日に静岡ローストシステムへ吸収合併され消滅する予定とされています。2026年3月期は売上6,500万円・営業損失300万円でした。

確認元:会社概要(アシードホールディングス公式サイト)

出典:静岡ローストシステム株式会社及びマルサン萩間茶株式会社の株式取得及び簡易株式交換による完全子会社化に関するお知らせ

2023年3月22日株式譲渡で77.4%(147株)を現金取得し、残り22.6%(43株)を簡易株式交換で取得して完全子会社化

静岡ローストシステム株式会社

お茶の受託加工(ほうじ茶の焙煎、一般茶葉・健康茶の殺菌加工など。有機JAS認定工場)/静岡県牧之原市/1994年9月設立

取得価額
9億5,200万円
対象の売上
23億9,500万円
対象の営業利益
6,500万円
対象の純資産
9億5,000万円

決算期:2022年2月期/譲渡前の株主:個人1名(浅井 哲也)が100%保有/現金で取得した77.4%分の取得価額。残り43株は株式交換で当社株式495,145株(自己株式)を交付(算定に使われた当社株価562円〜578円で計算すると約2.8億円。計算値)。アドバイザリー費用等の概算79百万円はマルサン萩間茶と2社合計で、全体の合計概算は1,031百万円。第三者算定機関の1株あたり価値は修正簿価純資産法で5,407,898円〜6,609,635円、FCF法で5,990,185円〜7,321,337円

買収理由:茶葉の原料加工技術と飲料の生産・品質管理のノウハウを共有し、共同研究・開発でブランド商品の幅を広げる

売上23億9,500万円・営業利益6,500万円・純資産9億5,000万円。この会社の案件で唯一、金額が開示されています。現金分は1株あたり約648万円で、算定機関が出したFCF法の幅(599万〜732万円)の中に入っています。オーナーは株式の77.4%分を現金で、残り22.6%分を買い手の株式で受け取っています。2022年2月期は新型コロナで茶葉加工の売上が落ち、最終赤字7,100万円でしたが、算定では回復と新ラインの完成を見込んだ事業計画が使われました。開示には、雇用環境の厳しさを考慮して交換比率をFCF法の中央値よりやや下に置いたとあり、人手の確保が評価の論点になったことが読み取れます。

買収後存続2026年10月9日時点

公式サイトのグループ会社一覧に連結子会社として載っています。2026年9月25日開示の『連結子会社間の合併(簡易吸収合併)に関するお知らせ』では、2027年1月1日にマルサン萩間茶を吸収する存続会社になる予定とされ、2026年3月期の売上は45億3,100万円、営業利益は2億9,000万円です。

確認元:会社概要(アシードホールディングス公式サイト)

出典:静岡ローストシステム株式会社及びマルサン萩間茶株式会社の株式取得及び簡易株式交換による完全子会社化に関するお知らせ

2021年7月1日株式譲渡(全株式を取得して子会社化)

ロジックイノベーション株式会社

倉庫を使った物流代行(納品代行・納品前作業・輸送・輸出入業務)、食品廃棄物等のリサイクル/岡山県岡山市/2013年7月設立

取得価額
―
対象の売上
1億7,400万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
1億200万円

決算期:2020年6月期/譲渡前の株主:個人1名(水元 英二)が100%保有/非開示。相手先から開示された情報の分析と外部専門家によるデューディリジェンスの結果などを総合的に勘案して決定

買収理由:前年に始めた倉庫業に、物流アウトソーシングのノウハウを取り込む

売上1億7,400万円・純資産1億200万円、資本金300万円の会社です。設立から8年、社長が株式を100%持っていました。買い手は前年に自前の物流センターを開いたばかりで、そのノウハウを持つ会社を外から買っています。買い手が新しい事業を始めた直後は、その分野の小さな専門会社に声がかかりやすい時期だと読めます。

買収後存続2026年10月9日時点

公式サイトのグループ会社一覧に、社名のまま連結子会社として載っています。

確認元:会社概要(アシードホールディングス公式サイト)

出典:ロジックイノベーション株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 静岡ローストシステム株式会社9億5,200万円(売上の0.40倍・営業利益の14.6倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページはアシードホールディングス株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月9日