株式会社ネオマーケティングのM&A実績
リサーチ会社を軸に、マーケティング支援の機能を1つずつ買い足している会社です。AI分析、記事制作、セルフ型インタビュー、TikTok運用、PRと、毎回「自社にない機能」を持つ小さな会社や事業を選んでいます。売り手は創業者個人か、事業の一部を手放したい事業会社で、設立3年・売上3,400万円の会社まで買っています。
株式会社ネオマーケティングが公表した適時開示5件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月9日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都渋谷区
- 設立
- ―
- 事業内容
- 生活者起点のマーケティング支援。市場調査(リサーチ)を起点に、デジタルマーケティング、PR、SNS運用、コンテンツ制作までを一貫して請け負う
- 売上高
- 23億600万円(2025年9月期(連結))
- 営業利益
- 1,000万円
- 純資産
- 7億9,000万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- SNS運用代行(TikTok)/PR・ブランドプロモーション/コンテンツ制作・記事制作/定性調査(オンラインインタビュー)/AIアルゴリズム・データ解析
- 対象の規模
- 対象の売上 3,400万円〜4.1億円(事業譲受の2件は非開示)
- 手法
- 株式譲渡(子会社化)と事業譲受。株式は100%に限らず、60%・90%といった一部取得で、元の社長に株を残してもらう形も使う
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残しています。2026年10月時点のグループ会社一覧には、エッセンスマーケティングとPA Communicationが載っています。一方で、2022年に買ったZeroは約3年後に外部へ売却しており、合わなければ手放すこともある会社です。
- 株式取得の3件はすべて取得価額が開示されています。6億400万円、1億1,000万円、6,600万円と、数千万円台の案件でも金額が出ています
- 最近の2件は100%を買っていません。エッセンスマーケティングは60%、PA Communicationは90.16%で、残りの株は社長が持ち続けています。売ったあとも株主として会社に残る形です
- エッセンスマーケティングでは、代金の一部をネオマーケティング自身の株式(5,000株)で払っています。社長が親会社の株主にもなる組み合わせです
- 事業譲受の2件(コンテンツ制作、リサーチDEMO!)は、適時開示の基準に当たらない規模で、金額も業績も出ていません。それでも任意で開示しています
買収の履歴5件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社PA Communication
ライフスタイル分野(美容・ファッション等)のPR、ブランディング、イベント、SNS運用/東京都渋谷区/1997年2月設立
- 取得価額
- 1億1,000万円
- 対象の売上
- 4億1,000万円
- 対象の営業利益
- 1,200万円
- 対象の純資産
- 5,200万円
決算期:2025年12月期(確定前)/譲渡前の株主:株式会社テクノデジタル(徳島県のWeb・アプリ開発会社)90.16%、代表取締役 曾原健 9.84%/90.16%分の取得価額。アドバイザリー費用等(概算)16百万円を加えた合計は概算126百万円。第三者機関のデューデリジェンスを経て売主と協議のうえ決定。残り9.84%は代表取締役の曾原健氏が保有/2025年12月期は決算確定前の数値
買収理由:PR機能の取り込み。美容・ファッション領域の顧客基盤と、リサーチを組み合わせた「データに基づくPR」
創業1997年、売上4億1,000万円・営業利益1,200万円・純資産5,200万円。営業利益は1,800万円→700万円→1,200万円と薄く、2025年12月期は最終赤字(38万円)でした。利益が小さくても、30年近い取引実績とメディアとのつながりに値段がついた例です。売り手は親会社の事業会社で、現場の社長は約1割の株を持ったまま残っています。親会社が本業と離れた子会社を手放すとき、現経営陣ごと引き受ける買い手がいることが分かります。
2026年4月28日に予定どおり取得を実行。2026年10月時点のグループ会社一覧に「PA Communication」として掲載されています。
株式会社エッセンスマーケティング
企業公式アカウントのTikTok運用代行(SNS運用代行)/東京都渋谷区/2023年4月設立
- 取得価額
- 6,600万円
- 対象の売上
- 3,400万円
- 対象の営業利益
- 1,800万円
- 対象の純資産
- 1,400万円
決算期:2025年3月期/譲渡前の株主:個人1名(伊藤 舞)が100%保有/60%分の取得価額。アドバイザリー費用等(概算)3百万円を加えた合計は概算69百万円。第三者機関のデューデリジェンスを経て売主と協議のうえ決定。対価の一部として、ネオマーケティング株式5,000株(1株1,296円、総額648万円)を売主に割り当て。数値は2026年2月20日開示の『株式会社エッセンスマーケティングの株式取得(子会社化)及び第三者割当による自己株式処分に関するお知らせ』による
買収理由:TikTokを中心とした若年層向けSNSマーケティングの運用ノウハウと人材の取り込み
設立3年弱、売上3,375万円の会社です。それでも営業利益1,767万円(利益率52%)・純資産1,361万円と高収益で、上場企業が6,600万円で60%を買っています。社長は株を4割持ったまま代表を続け、さらに代金の一部を親会社の株で受け取っています。取得前から業務委託の取引関係があり、取引先として実績を見せていたことが買収につながった例です。
2026年4月1日に予定どおり取得を実行。2026年10月時点のグループ会社一覧に「株式会社エッセンスマーケティング」として掲載されています。
株式会社MDのリサーチDEMO!事業
セルフ型オンラインインタビュー(定性調査)サービス/東京都港区/譲渡会社は2020年7月設立設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:株式会社MD(マーケティング支援、自社ブランド、化粧品OEMなどを営む会社)/非開示。適時開示の基準に該当しない規模のため任意開示で、項目を一部省略
買収理由:定性調査サービスのラインナップ拡充と、既存の販売網を使ったシナジー
1回3万円から使えるセルフ型インタビューサービスを、事業ごと譲り受けた案件です。売り手の株式会社MDは化粧品OEMなど複数の事業を持つ会社で、本業と離れた1サービスだけを切り出して売っています。会社を丸ごと売らなくても、育てたサービスを同業の上場企業に引き取ってもらう道があることを示しています。
法人ではなく事業を譲り受けた案件です。2026年10月時点の公式サイトのグループ会社・運営サービス欄には「リサーチDEMO!」の名称は見当たらず、その後の譲渡や終了の開示も確認できていません。
株式会社Zero
AIアルゴリズムの設計・実装、データ解析/東京都新宿区/2019年11月設立
- 取得価額
- 6億400万円
- 対象の売上
- 1億5,300万円
- 対象の営業利益
- 1億400万円
- 対象の純資産
- 1億円
決算期:2021年10月期/譲渡前の株主:個人1名(加藤 工汰)が100%保有/アドバイザリー費用等(概算)31百万円を加えた合計は概算635百万円
買収理由:顧客企業のマーケティングやDXにおけるAI活用の推進
設立2年、資本金100万円の会社に6億400万円がつきました。売上1億5,300万円・営業利益1億400万円(利益率68%)・純資産1億円で、純資産の約6倍、営業利益の約5.8倍です。売上6,800万円→1億5,300万円と伸びている局面での譲渡でした。ただし約3年後の2025年1月に、ネオマーケティングはZeroを外部へ売却しています(売却時の純資産は300万円)。売った後の会社が買い手の中でうまくいくとは限らないことも、この案件から読み取れます。
2025年1月1日に全株式を外部の法人へ譲渡(譲渡先の名称と譲渡価額は守秘義務により非開示)。グループとのシナジーや経営資源の選択と集中を検討した結果と説明されています。
株式会社ダリコーポレーションのコンテンツマーケティング事業
記事・コンテンツ制作(専門家監修記事、オウンドメディア記事、薬機法対応の表現チェック等)/東京都豊島区
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:株式会社ダリコーポレーション(事業会社)/非開示。業績への影響は軽微と説明
買収理由:コンテンツ制作の内製化
社内審査を通った約100名のプロライターを抱える記事制作事業を、事業ごと譲り受けた案件です。金額も業績も出ていませんが、設備ではなくライターのネットワークと制作ノウハウが買われた例です。外部の人材を束ねて回している小さな制作事業でも、仕組みとして整っていれば譲渡の対象になります。
法人ではなく事業を譲り受けた案件で、ネオマーケティング本体の事業として引き継がれています。公式サイトに「記事作成代行」のサービスが載っていることから、継続していると推定しています(推定)。その後の譲渡の開示はありません。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された3件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社PA Communication1億1,000万円(売上の0.27倍・営業利益の9.2倍)
- 株式会社エッセンスマーケティング6,600万円(売上の1.94倍・営業利益の3.7倍)
- 株式会社Zero6億400万円(売上の3.95倍・営業利益の5.8倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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