小松マテーレ株式会社のM&A実績
染色・高次加工の技術を持つ繊維メーカーが、自社の加工技術と組み合わせられる中小の繊維会社を数年おきに買っています。対象はメディカル用の特殊生地、経編(たてあみ)の産業資材、スポーツウェアのマーク加工と、いずれも売上5億〜13億円規模の国内メーカー・加工会社です。売り手はオーナー個人とその周辺の株主で、開示文には毎回「当社の経営資本、ブランド力、販路を活用して営業力を強化する」という同じ趣旨の説明が入っています。
小松マテーレ株式会社が公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 石川県能美市
- 設立
- 1943年10月
- 事業内容
- 衣料用・資材用ファブリックの染色加工と製造販売を軸とする繊維メーカー(旧社名:小松精練)
- 売上高
- 415億6,300万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- 25億200万円
- 純資産
- 398億8,900万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- メディカル・健康関連の特殊生地/経編レース・産業資材/スポーツアパレルのマーク製作・二次加工
- 対象の規模
- 対象の売上 5.6億円〜12.9億円
- 手法
- 株式譲渡(子会社化)が中心。100%ではなく80%だけを取得した例や、現金での取得と簡易株式交換(自己株式の交付)を組み合わせて完全子会社化した例もある
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 3件とも社名を残したまま子会社にしています。セイホウの開示では「商号、所在地、代表者、事業内容等は株式交換後も変更の予定はない」と明記されていました。ただし手元の資料では、その後に各社が存続しているかは確認できていません。
- 取得価額は全件で非開示です。理由は「株主の強い意向」「相手方との秘密保持義務」など。いずれも「客観的な基準に基づき当社が算定した合理的な価格」「開示基準に該当しない」とだけ書かれ、上限を計算できる数字の記述はありません
- 対象会社の3期分の業績は毎回開示されています。売上・営業利益・純資産がそろっているので、規模感の比較材料になります
- 吉田産業は直前2期が営業赤字(△4,000万円、△1億3,100万円)で、黒字に戻した直後の期に譲渡しています。赤字の期をはさんでいても、戻した実績があれば買い手は付きます
買収の履歴3件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社エヌエスケーエコーマーク
スポーツ・アパレル衣料のマークのデザイン製作、シルクスクリーンプリント・刺繍・昇華転写などの二次加工/東京都新宿区/1985年11月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 8億5,800万円
- 対象の営業利益
- 3,400万円
- 対象の純資産
- 1億7,500万円
決算期:2023年12月期/譲渡前の株主:代表取締役の西牧寛次氏ほか個人計4名/相手方との秘密保持義務により非開示。「客観的な基準に基づき当社が算定した合理的な価格」で、対価の合計額は開示基準に該当しないと記載
買収理由:スポーツアパレル分野への製品事業の拡大。対象の加工技術と自社の独自素材・テキスタイル加工を組み合わせる
売上8億5,800万円・営業利益3,400万円・純資産1億7,500万円。売上は7億7,900万円→8億200万円→8億5,800万円と伸びていましたが、営業利益は4,100万円→1,700万円→3,400万円と波があり、2022年12月期は最終赤字(△600万円)でした。利益率4%前後の加工会社でも、素材メーカーにとって「自社の生地を製品に仕上げる技術」として価値があれば買い手になります。資本金1,000万円・株式200株の会社を、代表を含む4名の株主から100%取得しています。
2025年2月12日に株式譲渡実行予定として開示されています(同日に所在地の訂正開示あり)。その後の商号変更や合併の開示は手元になく、直近の決算短信にも社名の記載がないため、現状は確認できていません。
吉田産業株式会社
経編レース、経編資材、レッグニット製品の製造・販売/福井県鯖江市/1963年5月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 12億8,500万円
- 対象の営業利益
- 1億6,000万円
- 対象の純資産
- 7億6,200万円
決算期:2021年4月期/譲渡前の株主:非開示(取得の相手先の記載なし)/非開示。「客観的な基準に基づき当社が算定した合理的な価格」で、対価の合計額は開示基準に該当しないと記載
買収理由:産業資材分野での新商品開発と顧客基盤の拡大。経編の製造技術と自社の染色・高次加工技術を組み合わせる
売上12億8,500万円・営業利益1億6,000万円・純資産7億6,200万円。営業利益は△4,000万円→△1億3,100万円→1億6,000万円と、2期続いた赤字から黒字に戻した直後の譲渡です。売上も8億4,300万円から12億8,500万円へ急回復していました。業績が戻ったタイミングは、売り手にとって説明しやすい時期です。また100%ではなく80%だけの取得で、残り20%は譲渡されていません。全株を手放さない形でも上場企業の子会社になれる例です。
2022年2月4日に株式譲渡実行と開示されています。その後の商号変更や合併の開示は手元になく、直近の決算短信にも社名の記載がないため、現状は確認できていません。
株式会社セイホウ
メディカル分野を中心とした健康関連素材(特殊生地)の企画・製造販売/栃木県足利市/1970年2月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 5億5,900万円
- 対象の営業利益
- 3,400万円
- 対象の純資産
- 1億6,400万円
決算期:2016年9月期/譲渡前の株主:青木朋治氏95.5%、その他個人1名4.5%/現金で取得した部分は株主の強い意向により非開示。株式交換比率は、買い手側を市場株価平均法、セイホウ側を時価純資産価額法による評価額を参考に協議して決定(第三者算定は取得していない)
買収理由:メディカル分野での事業拡大と顧客基盤の強化。独自特許技術を持つ商品群と自社の高次加工技術を組み合わせる
売上5億5,900万円・営業利益3,400万円・純資産1億6,400万円、従業員15名。純資産は1億2,300万円→1億3,900万円→1億6,400万円と毎年積み上がっていました。代金の一部を現金ではなく買い手の上場株式で受け取る形を取っており、売り手は譲渡後も買い手の株主として関わることになります。また株式交換の比率はセイホウを「時価純資産」で評価した額が参考とされていて、利益の何倍ではなく純資産ベースで値付けされたことが読み取れます。代表取締役(東條栄子氏)と95.5%を持つ大株主が別人という、所有と経営が分かれた会社でした。
2017年2月1日に59%を取得し、3月1日に株式交換で完全子会社化する予定と開示されています。その後の商号変更や合併の開示は手元になく、直近の決算短信にも社名の記載がないため、現状は確認できていません。
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本ページは小松マテーレ株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日