ナイル株式会社のM&A実績
ネット上のサービスを本業にしながら、実店舗や個人向けスクールといった「オフラインの小さな会社」を買っている会社です。これまでの2件はどちらも、創業者個人が株式のほぼ全部を持つ会社でした。中古車販売のパティオについては、決算短信で「自動車販売店DXモデル」を全国の中古車販売店へ水平展開するロールアップ戦略を推進すると書いており、同業の買収を続ける方針を示しています。
ナイル株式会社が公表した適時開示2件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都品川区
- 設立
- ―
- 事業内容
- マイカーのサブスクリプション「カーリースカルモくん」を軸にした自動車産業DX事業と、企業向けのDX・マーケティングのコンサルティング(ホリゾンタルDX事業)
- 売上高
- 67億3,000万円(2025年12月期(連結))
- 営業利益
- △1億500万円
- 純資産
- 4億4,300万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 中古車販売・整備・自動車保険代理店/個人向けオンラインスクール(動画編集)
- 対象の規模
- 対象の売上 3,500万円〜13.5億円
- 手法
- 株式譲渡(子会社化)。100%取得のほか、80%を先に買い、残り20%を業績に応じた対価で後から買う形も使う
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残しています。パティオでは取得完了の日にナイル側の人物が代表取締役に就いており、経営は買い手側に移る形です。
- 取得価額を2件とも金額で開示しています。アドバイザリー費用等の概算額も別に書かれているので、実際に払った株式代金が分かります
- 価格調整の結果も開示しています。パティオでは契約後の価額調整手続で株式代金が2億400万円から1億9,400万円に下がり、その変更をあらためて開示しました
- 買い手自身は2025年12月期まで連結で営業赤字(2024年12月期△6億7,700万円、2025年12月期△1億500万円)で、純資産は4億4,300万円です。買収1件あたりの金額は数千万円〜2億円程度にとどまっています
買収の履歴2件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社NEW PHASE
動画編集スクール「STEP UP」の運営、AI教育スクール、動画制作/東京都新宿区/2024年4月設立
- 取得価額
- 3,600万円
- 対象の売上
- 3,463万円
- 対象の営業利益
- 1,217万円
- 対象の純資産
- 1,305万円
決算期:2026年3月期(第2期)/譲渡前の株主:個人1名(小渕 茉那虎)が100%保有/発行済株式の80%分の金額。アドバイザリー費用等(概算)7百万円を加えた合計は43百万円。残り20%の追加取得対価は業績連動で変動するため、この金額に含まれない。第2期の営業利益12百万円に対し、80%分の利益で割ると約3.7倍
買収理由:自社で開講したAIスクール「With AIアカデミー」と合わせ、個人向けスクール事業を広げる。SNS集客の仕組みと、卒業生の仕事先(フリーランス人材サービス)をつなげる
設立2年目、資本金2万円の会社です。売上は1,444万円→3,462万円、営業利益は84万円→1,217万円と伸びている最中での譲渡でした。全部を売り切らず、2割を手元に残して、その後の業績に応じた値段で後から買ってもらう形を取っています。創業直後で実績が短い会社でも、伸びている途中なら、今の価格と将来の上乗せを組み合わせる売り方ができる例です。
2026年8月1日に株式譲渡を実行する予定と開示されましたが、手元の開示には実行完了やその後の状況を示すものがありません。
株式会社パティオ
中古車販売・修理(自社整備工場あり)、自動車保険代理店。埼玉県と東京都に複数店舗/埼玉県所沢市/2001年6月設立
- 取得価額
- 1億9,400万円
- 対象の売上
- 13億5,300万円
- 対象の営業利益
- 2,100万円
- 対象の純資産
- 2億7,400万円
決算期:2024年3月期/譲渡前の株主:繁田 謙二(社長)94.0%、親族とあわせて100%/当初の開示は204百万円。株式譲渡契約の価額調整手続により194百万円に変更(2024年10月25日開示)。アドバイザリー費用等を含む合計(概算)は226百万円。2024年3月期の営業利益21百万円の約9.2倍、純資産274百万円の約0.7倍
買収理由:オートオークションでの現地仕入れの力と自社整備工場、数百台の在庫を取り込み、仕入体制とグループの在庫車両を増やす。一括払いが中心だった店舗の顧客にカーリースを提案する
創業2001年、売上13億5,300万円・営業利益2,100万円・純資産2億7,400万円。株式代金1億9,400万円は純資産を下回っています。中古車販売は売上が大きくても利益率が低い(1.5%前後)ため、売上ではなく利益と純資産で値段が決まったと読めます。また契約後の価額調整で1,000万円下がっています。契約時の金額がそのまま最終額になるとは限らない、という実例です。評価されたのは、オークション会場で目利きして仕入れる力と整備工場でした。
2024年8月1日に取得完了。2025年12月期決算短信に「連結子会社である株式会社パティオ」として社名が載っており、自動車販売店DXモデルの中核と位置づけられています。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社NEW PHASE3,600万円(売上の1.04倍・営業利益の3.0倍)
- 株式会社パティオ1億9,400万円(売上の0.14倍・営業利益の9.2倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページはナイル株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日