4396東証プライム

株式会社システムサポートホールディングスのM&A実績

中期経営計画で「M&A」を成長手段に掲げ、ほぼ毎年1社ずつ、国内のシステム開発会社を個人オーナーから買っている会社です。売り手は4件とも社長本人か、社長を含む個人株主でした。対象は売上2億円台のWeb制作会社から14億円のシステム会社まで。東京、広島、金沢と、地方の会社も買っています。

株式会社システムサポートホールディングスが公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
石川県金沢市
設立
―
事業内容
金沢発のIT企業グループの持株会社。クラウド導入支援(ServiceNow、Google Cloud等)、システム開発、データセンター・アウトソーシング、勤怠・シフト管理などの自社製品、海外事業を手がける
売上高
310億9,100万円(2026年6月期(連結))
営業利益
29億6,600万円
純資産
71億9,000万円

どんな会社を買っているか

買う業種
システム受託開発・パッケージソフト/ITソリューション・人事システムコンサルティング/Webサイト・Webコンテンツ制作/IBM系システム導入・IT人材派遣
対象の規模
対象の売上 2.3億円〜14.2億円
手法
株式譲渡(子会社化)。グループの子会社が買い手になる「孫会社化」も使う(アクロスソリューションズがブロックを、イーネットソリューションズがエム・アイ・エスを取得)
赤字でも買うか
黒字の会社のみ
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残す形が基本です。エム・アイ・エスでは決算短信に「結合後企業の名称 変更はありません」と明記されています。ブロックの取得時には「合併を含む経営統合に向けて検討」と書かれ、その後グループ内でデジタルマーケティング事業を受け持つ新会社が作られ、ブロックの元社長がその社長に就いています。
  • 4件のうち3件で取得価額が分かります。コミュニケーション・プランニング6億円、エコー・システム5億2,000万円は取得時の開示に、エム・アイ・エスは後日の決算短信に金額が載りました
  • 取得価額の算定は毎回「第三者機関による株価算定を実施し、金額の妥当性を検証したうえで、相手先との協議により決定」と書かれています
  • アドバイザリー費用も別に開示しています。コミュニケーション・プランニングで3,000万円、エコー・システムで5,700万円、エム・アイ・エスで約370万円でした
  • このほか2024年に米国の子会社がMultiNet International Inc.の事業を譲り受けていますが(価額非公開)、海外案件のため一覧には入れていません

買収の履歴4件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年6月18日株式譲渡(子会社イーネットソリューションズが取得=孫会社化)。議決権の99.3%を取得

株式会社エム・アイ・エス

システム開発・保守、ハード・ソフトの販売保守、クラウドサービス、IT人材派遣(IBMパートナー、教科書流通システム)/石川県金沢市/1986年4月設立

取得価額
1,344万円
対象の売上
7億4,800万円
対象の営業利益
3,200万円
対象の純資産
5,900万円

決算期:2026年3月期/譲渡前の株主:福村陽夫(代表取締役)44.8%、村田誠四郎33.0%、黒田忠年21.5%(個人3名)/取得時の開示では「相手先との協議により非開示」。その後の2026年6月期決算短信(重要な後発事象)で取得原価13,443千円(現金)と開示。アドバイザリー費用等3,695千円は別。取得した議決権比率は取得時の開示で99.3%、決算短信では99.2%

買収理由:データセンターを持つ子会社イーネットソリューションズの基盤と、エム・アイ・エスの開発力を組み合わせ、相互の顧客への提供価値を高める

創業40年、売上7億4,800万円・営業利益3,200万円・純資産5,900万円。取得原価は1,344万円で、純資産5,900万円を大きく下回る金額でした。売上は4億6,500万円→5億2,100万円→7億4,800万円と伸びていた一方、営業利益は200万円→700万円→3,200万円、当期純利益は400万円→0円→500万円と薄い状態が続いていました。総資産2億4,700万円に対して純資産は5,900万円と薄い状態でした。教科書流通システムで業界トップシェアという強みがあっても、利益の蓄積が少ないと、株の値段は純資産を下回ることがあるという実例です。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年7月1日に株式取得を完了。2026年6月期決算短信で「結合後企業の名称 変更はありません」と記載されています。

確認元:2026年6月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:連結子会社による株式会社エム・アイ・エスの株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

2025年6月19日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社エコー・システム

ソフトウェアの受託開発、業種特化パッケージの開発・販売、スマホ・タブレットアプリ開発/広島県広島市/1989年9月設立

取得価額
5億2,000万円
対象の売上
14億1,500万円
対象の営業利益
1億2,300万円
対象の純資産
2億8,600万円

決算期:2024年7月期/譲渡前の株主:個人1名(宇郷 亮、代表取締役)が100%保有/アドバイザリー費用等(概算)57百万円を加えた合計は577百万円。第三者機関の株価算定を踏まえて協議で決定。直前期の営業利益の約4.2倍、純資産の約1.8倍

買収理由:西日本への展開強化。互いの顧客基盤に得意なサービスを組み合わせる

創業35年、売上14億1,500万円・営業利益1億2,300万円・純資産2億8,600万円。取得価額は5億2,000万円で、営業利益の約4.2倍、純資産の約1.8倍でした。営業利益は3期前の500万円の赤字から9,600万円→1億2,300万円と立て直した直後の譲渡です。赤字の年があっても、2期続けて黒字に戻していれば純資産を上回る値段がつくことが分かります。広島の会社を北陸の上場企業が買った例でもあり、地方のシステム会社でも地元以外に買い手はいます。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年7月1日に全株式の取得を完了。2026年6月期決算短信で、期中に新たに連結子会社となった会社として社名が記載されています。

確認元:2026年6月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社エコー・システムの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2024年6月20日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社コミュニケーション・プランニング

XRソリューション、地図・位置情報ソリューション、人事システム(ERP導入支援)コンサルティング/東京都渋谷区/1978年11月設立

取得価額
6億円
対象の売上
6億500万円
対象の営業利益
5,500万円
対象の純資産
4億9,600万円

決算期:2024年3月期/譲渡前の株主:田嶋範夫(代表者)94.66%、細田直樹5.34%(個人2名)/アドバイザリー費用等(概算)30百万円を加えた合計は630百万円。第三者機関の株価算定を踏まえて協議で決定。直前期の営業利益の約10.9倍、純資産の約1.2倍

買収理由:サービスの品ぞろえの拡充と、ERP導入支援の陣容強化による事業の伸長

創業45年、売上6億500万円・営業利益5,500万円・純資産4億9,600万円。取得価額は6億円で、純資産の約1.2倍、営業利益の約11倍でした。売上は7億2,900万円→6億4,800万円→6億500万円と減っていましたが、営業利益は5,000万円前後を保ち、毎期配当も出していました。利益が大きくなくても、純資産を厚く積み上げてきた会社は、その純資産を下回らない値段で売れています。

買収後不明2026年10月12日時点

2024年7月26日に全株式の取得を完了した開示はありますが、その後の存続・合併・商号変更を示す開示は手元で確認できていません。

確認元:株式会社コミュニケーション・プランニングの株式取得(子会社化)完了のお知らせ

出典:株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2022年3月18日株式譲渡(子会社アクロスソリューションズが取得=孫会社化)

株式会社ブロック

Webサイト・Webコンテンツの企画・制作(新規顧客獲得のためのWebマーケティング)/東京都千代田区/2009年11月設立

取得価額
―
対象の売上
2億3,000万円
対象の営業利益
5,000万円
対象の純資産
3,600万円

決算期:2021年9月期/譲渡前の株主:個人1名(谷宮 武将、代表取締役)が100%保有/株式譲渡先との合意により非公開。第三者機関による財務・法務デューデリジェンスと株式価値算定を考慮して合意

買収理由:子会社の受発注システム「MOS」による業務効率化と、Webマーケティングによる新規顧客獲得をワンストップで提案する

資本金500万円、売上2億3,000万円・営業利益5,000万円・純資産3,600万円。営業利益は100万円の赤字→500万円の赤字→5,000万円の黒字と、直前期に急に伸びたところでの譲渡でした。純資産は300万円から3,600万円に増えたばかりで、蓄積はほとんどありません。それでも買い手がついたのは、グループの既存製品と組み合わせる使い道があったためです。売り手の社長はその後、グループ内でデジタルマーケティング事業を担う新会社の社長になっています。

買収後不明2026年10月12日時点

2022年4月28日に取得完了。取得時に「合併を含む経営統合に向けて検討」とされ、2023年10月にはアクロスソリューションズのデジタルマーケティング事業を承継する新会社STSデジタルが設立され、ブロックの元社長の谷宮武将氏が代表取締役社長に就いています。ブロック自体の合併・存続を示す開示は手元で確認できていません。

確認元:子会社設立および連結子会社間における会社分割に関するお知らせ

出典:当社連結子会社における株式会社ブロックの株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された3件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社エム・アイ・エス1,344万円(売上の0.02倍・営業利益の0.4倍)
  • 株式会社エコー・システム5億2,000万円(売上の0.37倍・営業利益の4.2倍)
  • 株式会社コミュニケーション・プランニング6億円(売上の0.99倍・営業利益の10.9倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

関連する記事

本ページは株式会社システムサポートホールディングスが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日