株式会社GENDAのM&A実績
「ロールアップM&A」を公言し、年に10件以上のペースで買い続けている会社です。この一覧でいちばん案件数が多く、1店舗だけのゲームセンター、有限会社、資本金100万円の会社まで買っています。売り手は院長や創業者といった個人オーナーから、投資ファンド、平和堂やカカクコムのような事業会社まで幅があります。
株式会社GENDAが公表した適時開示11件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月7日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都港区
- 設立
- 2018年5月
- 事業内容
- アミューズメント施設「GiGO」の運営を軸に、カラオケ、映画配給、キャラクターグッズなどエンタメ領域を束ねる持株会社
- 売上高
- 1,707億8,700万円(2026年1月期(連結))
- 営業利益
- 76億9,500万円
- 純資産
- 653億5,700万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- アミューズメント施設・ゲームセンター/カラオケ機器の流通・カラオケ施設/キャラクターグッズ・プライズの企画製造/飲食(レモネード、ポップコーン等)/映画配給・映画メディア
- 対象の規模
- 対象の売上 2.7億円〜45.4億円(1店舗だけの会社は売上非開示)
- 手法
- 株式譲渡(子会社化)が中心。傘下のGENDA GiGO Entertainmentやフクヤが買い手になる「孫会社化」、会社分割で店舗だけを引き取る形、株式交換も使う
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残すのが基本です。グループ内で役割を整理し、カラオケ機器の流通は音通、キャラクターグッズはフクヤといった形で事業ごとにまとめています。買われた会社がその後、次の買収主体になることもあります(フクヤが2026年にトーシンパックを取得)。
- 取得価額はほとんどの案件で非開示です。11件のうち金額が出ているのは1件だけでした
- ただし金額の水準は毎回必ず説明されます。「直前期末の連結純資産額の15%を下回る」といった開示基準の記述が入るため、上限か下限が読めます
- 倍率を自分から公表することがあります。フィリコ・ジャパンでは「調整後EV/EBITDA倍率3.9倍」、トーシンパックでは「ROIC 20%超」と、何倍で買ったかの手がかりを開示しています
- 1店舗・1事業だけの小さな会社でも、任意で開示を出しています。軽微基準の範囲内で開示義務がないのに出しているので、売り手にとっては交渉の参考材料が増えます
買収の履歴11件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社トーシンパック
キャラクターグッズの企画・製造・販売、ノベルティ製作/東京都文京区/1976年12月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 8億1,000万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2025年10月期/譲渡前の株主:個人1名が100%保有(氏名は非公開)/非開示。「連結純資産額の15%を下回る金額」。ただし「対象会社単体の税引き後の調整後営業利益ベースでも20%超のROICを確保できる水準」と開示されており、企業価値が税引後利益の5倍程度であることが読める
買収理由:キャラクターMD領域のロールアップ。グループが扱っていなかったIPへのアクセス
創立50年、売上8億1,000万円(5億1,800万円→7億2,000万円→8億1,000万円と伸長中)。忍たま乱太郎、名探偵コナン、クレヨンしんちゃんなどのライセンスグッズを手がけていました。金額は非開示ですが「ROIC 20%超」と自ら開示しています。税引後利益の5倍前後ということで、老舗でもIPという資産があれば評価される例です。開示文には「トーシンパックにとっては人事、経理及び財務等の管理業務の構築に対する当社グループのサポートが期待できる」とあり、管理部門の弱さが売る理由のひとつだったことが読み取れます。
2026年5月に取引実行済み。その後の商号変更や合併の開示はありません。
株式会社エーセツ
カラオケ機器の流通、カラオケ施設運営/大阪府吹田市/1984年11月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:永野美紀30.25%、入江美保28.75%、永野修23.00%、奥村健史7.75%、永野新6.50%、永野重雄3.75%(個人6名)/非開示。「単体・連結いずれの純資産額でも15%を下回る金額」
買収理由:カラオケ機器流通事業の営業エリア拡大とメンテナンス網の相互補完
創業1984年、資本金5億9,000万円。株主が親族6名に分かれていて、社長の持分は7.75%しかありません。それでも6名全員から買い集める形で100%取得が成立しています。株が親族に散っていても売れないわけではないことを示す例です。業績は任意開示のため省略されています。
フィリコ・ジャパン株式会社
高級ミネラルウォーター「ジュエリーウォーター」の製造・販売・輸出入/東京都港区/2009年5月設立
- 取得価額
- 6億4,300万円
- 対象の売上
- 2億6,700万円
- 対象の営業利益
- 1億2,000万円
- 対象の純資産
- 1億400万円
決算期:2025年4月期/譲渡前の株主:個人1名(阪田 健一)が100%保有/アドバイザリー費用等9百万円を加えた合計額は652百万円。前期実績に基づく調整後EV/EBITDA倍率3.9倍と開示(調整後EBITDAは役員報酬等のコストシナジー織り込み後)
買収理由:ナイトマーケットの販路とIPコネクションの相互活用
この会社の案件で唯一、金額が開示されたものです。6億4,300万円。売上2億6,700万円・営業利益1億2,000万円(利益率45%)・純資産1億400万円。純資産の6倍以上の値段がついています。結婚式やナイトマーケット向けに「飾る水」「贈る水」という独自の地位を築いていた点が評価されました。利益率が高く、代わりのいない商品を持っている会社は、規模が小さくても高く売れます。
2025年12月1日に取引実行予定として開示され、その後の商号変更や合併の開示はありません。
株式会社カジ・コーポレーション
カラオケ機器の賃貸・販売・卸売(業界1位のディーラー)/愛知県名古屋市/1984年4月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 45億4,400万円
- 対象の営業利益
- 2億1,700万円
- 対象の純資産
- ―
決算期:2025年2月期/譲渡前の株主:投資事業有限責任組合アドバンテッジパートナーズⅤ号67.26%ほか投資ファンド4本で100%/非開示。「単体純資産額の15%を上回り、連結純資産額の15%を下回る金額」。2025年1月期の連結純資産356億3,800万円の15%=約53億円を下回ると読める/対象事業(カラオケ機器の流通事業)のみの数値。2025年8月に対象外の事業を売却済み
買収理由:カラオケ機器流通事業で業界1位と2位を揃え、リーディングポジションを固める
売上45億4,400万円・営業利益2億1,700万円。売り手は創業家ではなく投資ファンド(アドバンテッジパートナーズ)です。一度ファンドに売った会社が、次に事業会社へ渡るという流れがここに出ています。また買う側が欲しい事業だけを残すため、売り手が先に対象外の事業を切り離しています(2025年8月)。「全部ひとまとめ」でなくてよい、という実例です。
社名のまま子会社として残り、2025年11月のエーセツ取得の開示でもグループ会社として言及されています。
株式会社エイガ・ドット・コム
映画情報サイト「映画.com」の運営、情報配信、サイト運用代行/東京都渋谷区/2000年8月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 4億300万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- 9,800万円
決算期:2025年3月期/譲渡前の株主:株式会社カカクコム(上場企業)が100%保有/非開示。「連結純資産額の15%を下回る金額」
買収理由:グループのギャガが配給する作品のプロモーション強化と、オフライン広告枠との組み合わせ
売上4億300万円・純資産9,800万円。売り手は価格.comや食べログを運営するカカクコムです。上場企業が持っていた子会社を、別の上場企業が引き取る形の案件です。月間数千万人が訪れるサイトという無形の強みが評価されました。
エスアイアミューズメント株式会社
アミューズメント施設「アミューズメントパークさくら八日市店」1店舗の運営/滋賀県東近江市/2013年2月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:個人2名が100%保有(氏名は非公開)/非開示。「連結純資産額の15%を下回る金額」
買収理由:アミューズメント施設のロールアップ。人的資源とDX知見の共有
資本金100万円、店舗は1つだけ。それでも上場企業が買い、わざわざ開示まで出しています。1店舗の会社でも買い手はいます。
2025年5月1日に取引実行予定として開示され、その後の商号変更や合併の開示はありません。
株式会社ユーイング
アミューズメント施設13店舗、ガチャガチャコーナー86箇所、ボウリング場、キッズプレイゾーンの運営/滋賀県彦根市/2000年10月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:株式会社平和堂(上場企業)が100%保有/非開示。「連結純資産額の15%を下回る金額」
買収理由:中部・関西での店舗網拡大とプライズの購買力向上
施設13店舗・ミニロケ86箇所という規模。売り手はスーパーの平和堂です。本業と離れた子会社を、その道の専業に渡す形の案件でした。グループの中で浮いている事業は、専業の会社に渡すほうが伸びます。
2025年5月8日に取引実行予定として開示され、その後の商号変更や合併の開示はありません。
株式会社ゲームグース
アミューズメント施設「GameGoose武蔵小山店」1店舗の運営/東京都品川区/2006年10月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:個人1名(向井 良一郎)が100%保有/非開示。「連結純資産額の15%を下回る金額」
買収理由:アミューズメント施設のロールアップ
1998年に武蔵小山の商店街で開いた「プライズ専門店」1店舗。譲渡の前に、売り手が自分で新会社を作り、売らない事業をそちらへ移しています。残したい事業と渡す事業を分ける、という進め方の実例です。
2025年4月1日に取引実行予定として開示され、その後の商号変更や合併の開示はありません。
確認元:当社連結子会社による株式会社ゲームグース(アミューズメント施設1店舗)の株式の取得(連結子会社化)に関するお知らせ
出典:当社連結子会社による株式会社ゲームグース(アミューズメント施設1店舗)の株式の取得(連結子会社化)に関するお知らせ
有限会社サンダイ
アミューズメント施設「スマイルステーション」9店舗とミニロケ192箇所の運営/福岡県北九州市/2003年7月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:個人1名(中間 一世)が100%保有/非開示(守秘義務契約による)
買収理由:九州地方での店舗網拡大とミニロケ事業の取り込み
有限会社でも、資本金500万円でも、上場企業に売れています。施設9店舗とミニロケ192箇所という拠点網そのものが評価されました。会社の形や資本金の額は、買い手の判断にほとんど関係ありません。
2024年5月1日に取引実行予定として開示され、その後の商号変更や合併の開示はありません。
株式会社フクヤホールディングス
プライズ(ゲームセンターの景品)・カプセルトイ・くじの企画販売。国内外4社を傘下に持つ持株会社/東京都千代田区/2017年12月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 29億2,200万円
- 対象の営業利益
- 2億8,900万円
- 対象の純資産
- 11億1,700万円
決算期:2023年3月期(単純合算)/譲渡前の株主:田中敬一郎93.8%、持株会6.2%/非開示。「連結純資産額の15%を上回る金額」と明記されており、下限が読める/持株会社と傘下4社を単純合算した数値。持株会社単体の売上は35百万円
買収理由:プライズの企画力を取り込み、グループのアミューズメント施設のラインアップを拡充する
グループ合算で売上29億2,200万円・営業利益2億8,900万円・純資産11億1,700万円。この会社の案件では唯一「15%を上回る」と書かれた、つまりいちばん大きな買い物です。売り手は社長が93.8%、残り6.2%を従業員持株会が持っていました。買われたフクヤは、その後2026年にトーシンパックを買う側に回っています。
傘下の株式会社フクヤはグループのキャラクターMD事業の中核として残り、2026年にはトーシンパックを取得する買い手になっています。
株式会社レモネード・レモニカ
レモネードの製造・販売、フランチャイズ本部/石川県金沢市/2017年11月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 5億6,800万円
- 対象の営業利益
- 3,100万円
- 対象の純資産
- 2億4,100万円
決算期:2023年5月期/譲渡前の株主:個人1名(河村 征治)が100%保有/非開示。「連結純資産額の15%を下回る金額」
買収理由:ショッピングセンター出店のノウハウを持ち合い、共同で物件開発を進める
売上5億6,800万円・営業利益3,100万円・純資産2億4,100万円。買われたのは66%だけで、創業者は34%を持ったまま残りました。営業利益は2,098万円→営業損失2,297万円→3,140万円と、前々期は赤字を出しています。一度赤字に落ちた年があっても、戻していれば評価されます。全部売らずに一部を残し、経営に関わり続ける形を選んだ例でもあります。
残る34.0%も簡易株式交換で取得され、2025年7月3日付で完全子会社になりました。社名は残っていますが、代表取締役社長は創業者の河村征治氏からGENDA側の長江国輝氏に交代しています。66%取得から約1年9か月で、株式も経営も完全に移った形です。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- フィリコ・ジャパン株式会社6億4,300万円(売上の2.41倍・営業利益の5.4倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
関連する記事
本ページは株式会社GENDAが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月7日