1736東証スタンダード

株式会社オーテックのM&A実績

空調・電気の設備工事まわりで、自社の工事体制を補う会社を数年に1件のペースで買っています。件数は多くありませんが、3件のうち2件で取得価額を開示しています。売り手は留萌の電気工事会社の創業家、資本金300万円の有限会社の社長個人、上場グループの子会社と幅があります。

株式会社オーテックが公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都
設立
―
事業内容
空調自動制御システム(計装)の設計・施工・保守を行う「環境システム事業」と、管工機材・住宅設備機器を販売する「管工機材事業」の2本立ての会社
売上高
337億2,200万円(2026年3月期(連結))
営業利益
50億8,400万円
純資産
270億8,500万円

どんな会社を買っているか

買う業種
空調自動制御システムの試運転調整・保守/放射冷暖房システムの設計施工・電気暖房機器の製造販売/官公庁向けの電気工事
対象の規模
対象の売上 1.9億円〜23.3億円
手法
株式譲渡で全株式を取得(完全子会社化)。直近の案件は自己資金で支払っている
赤字でも買うか
黒字の会社のみ
買収後の扱い
社名を変えずに子会社として残す形です。2026年のケー・ティー・エスでは、決算短信の企業結合の注記に「結合後企業の名称:変更はありません」と書かれています。
  • 取得価額を開示する会社です。3件中2件で金額が出ており、アドバイザリー費用の概算まで別に書かれています
  • 倍率は純資産の約1.5倍に揃っています。ケー・ティー・エスが純資産の約1.52倍、インターセントラルが約1.47倍でした
  • 買収のペースは2016年、2021年、2026年と約5年に1件です。数を追う買い手ではなく、工事の工程や地域の穴を1つずつ埋める買い方です
  • 金額を出さなかった2016年のフルノ電気工業でも、「独立した第三者機関の株式価値評価報告書をもとに決定」と算定の根拠は開示しています

買収の履歴3件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年3月30日株式譲渡(完全子会社化)

有限会社ケー・ティー・エス

空調自動制御システムの試運転調整、制御機器の点検・修理、制御プログラムの設計/東京都文京区/2001年7月設立

取得価額
2億円
対象の売上
1億9,000万円
対象の営業利益
1,440万円
対象の純資産
1億3,190万円

決算期:2025年5月期/譲渡前の株主:個人1名(北村 隆志)が100%保有/アドバイザリー費用等(概算)17百万円を加えた合計は217百万円。自己資金で充当

買収理由:首都圏での空調自動制御の試運転調整・メンテナンス体制の強化。設計から試運転調整、保守までを一貫して提供する体制の拡充

売上1億8,996万円・営業利益1,445万円・純資産1億3,192万円。2億円は純資産の約1.5倍、営業利益の約14倍です。資本金300万円の有限会社で、売上は1億8,232万円→1億9,293万円→1億8,996万円とほぼ横ばいでしたが、純資産は3期で1億109万円→1億3,192万円と積み上がっていました。買い手とは資本・人・取引のいずれの関係もありません。工事の一工程(試運転調整)だけを担う専門会社でも、元請け側の体制の穴を埋める存在なら、純資産を上回る値段で買われます。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年4月6日に全株式の取得を完了。2026年3月期決算短信の企業結合の注記に「結合後企業の名称:変更はありません」とあり、社名のまま子会社になっています。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:有限会社ケー・ティー・エスの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2021年1月29日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社インターセントラル

放射冷暖房システムの設計施工、各種電気暖房機器の製造販売/東京都中央区/1974年10月設立

取得価額
34億9,100万円
対象の売上
23億2,590万円
対象の営業利益
3億7,210万円
対象の純資産
23億7,240万円

決算期:2020年3月期/譲渡前の株主:ジャパンウェイスト株式会社が100%保有(同社はアサヒホールディングス株式会社の100%子会社)/アドバイザリー費用等(概算)85百万円を加えた合計は3,576百万円

買収理由:放射冷暖房システムの一貫施工体制の整備と、管工機材事業の既存顧客への電気暖房機器の販売強化

売上23億2,586万円・営業利益3億7,212万円・純資産23億7,244万円。34億9,100万円は営業利益の約9.4倍、純資産の約1.47倍です。営業利益は3億369万円→3億4,163万円→3億7,212万円と伸びていました。売り手は産業廃棄物の無害化処理を本業とする会社で、本業と離れた子会社を手放した形です。買い手はもともとこの会社から工事を受注していた取引先でした。取引のある会社が、そのまま有力な買い手になりうる例です。

買収後存続2026年10月12日時点

2021年3月31日に全株式の取得を完了。その後の商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:株式会社インターセントラルの株式取得(子会社化)完了に関するお知らせ

出典:株式会社インターセントラルの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2016年8月29日株式譲渡(完全子会社化)

フルノ電気工業株式会社

官公庁向け工事を中心とした電気工事業/北海道留萌市/1972年9月設立

取得価額
―
対象の売上
2億470万円
対象の営業利益
890万円
対象の純資産
7,160万円

決算期:2016年4月期/譲渡前の株主:古野 洋介82.4%、古野 修子11.0%、古野 晃洋6.6%(個人3名)/相手先との合意により非公表。独立した第三者機関の株式価値評価報告書をもとに決定

買収理由:北海道道北地域での工事受注の確保と、工事資格者を多く持つ同社の人材の活用

売上2億475万円・営業利益889万円・純資産7,156万円。営業利益は562万円→214万円→889万円と、利益率は1〜4%の薄い水準でした。売上も2億2,043万円→2億475万円と少しずつ減っています。それでも買い手が挙げた理由は「工事資格者を多く持つ人材」と「道北での官公庁工事の受注」です。利益が薄くても、資格者と地域の受注基盤は買い手にとって価値になります。

買収後不明2026年10月12日時点

2016年8月31日に株式譲渡実行予定として開示されています。取得完了や、その後の商号変更・合併の開示は手元にはなく、追えていません。

確認元:フルノ電気工業株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:フルノ電気工業株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 有限会社ケー・ティー・エス2億円(売上の1.05倍・営業利益の13.9倍)
  • 株式会社インターセントラル34億9,100万円(売上の1.50倍・営業利益の9.4倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社オーテックが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日