ソーバル株式会社のM&A実績
大手製造業などから開発を受託するソフトウエア会社です。買収の数は多くありませんが、2025年12月と2026年3月に、売上3億円前後の受託開発会社を続けて買いました。理創は社長と親族の2名が100%を持つ会社でした。2026年2月期の決算短信では「理創とプリサイスを迎えたことで中期経営計画の売上高100億円を達成する見込み」と書いています。同業の小さな受託開発会社の買収が、売上目標の達成と結びつけて語られています。
ソーバル株式会社が公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都品川区
- 設立
- 1983年1月
- 事業内容
- 組込み・WEB/アプリケーション・業務系システムのソフトウエア開発やハードウエア設計を、大手メーカーなどから受託するエンジニアリング事業
- 売上高
- 89億7,600万円(2026年2月期(連結))
- 営業利益
- 6億6,200万円
- 純資産
- 45億3,700万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- ソフトウエアの受託開発・SES(WEB、業務系、製造業向け管理システム)/組込みソフトウエア・ハードウエアの受託開発/IoT向けサービス
- 対象の規模
- 対象の売上 約0.9億円(事業のみ)〜6.9億円。会社ごと買った3件は2.95億円〜6.87億円
- 手法
- 株式譲渡(100%取得で子会社化)が中心。2017年には他社から事業だけを譲り受けた例もある
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 直近の理創とプリサイスは、決算短信で「結合後企業の名称は変更ありません」とされ、社名のまま子会社として残っています。2015年に買ったアンドールシステムサポートのその後は、手元の開示では追えていません。
- 取得価額を毎回開示しています。会社ごと買った3件はすべて金額が出ており、プリサイスは任意開示の時点では伏せていたものの、決算短信の後発事象で2億5,947万円と明らかにしました
- 買い手側のアドバイザリー費用も開示されています。理創とプリサイスはどちらも2,880万円。理創では株式の値段1億8,780万円の約15%にあたります
- 理創の取得価額は、買収時点の純資産1億7,096万円の約1.1倍、直近の営業利益1,374万円の約13.7倍でした。のれんは8,208万円が計上されています
- 買うだけでなく売る側にも回っています。2022年には自社の品質評価事業(売上9億2,658万円)をAGESTへ3億8,000万円で会社分割により譲り渡しました(買収ではないため一覧には含めていません)
買収の履歴4件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
プリサイス株式会社
ソフトウエア開発・受託事業(業務系アプリケーション、製造業向け管理システム)/大阪府大阪市/2005年11月設立
- 取得価額
- 2億5,947万円
- 対象の売上
- 2億9,500万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2025年8月期/譲渡前の株主:非開示(代表取締役は古川 政司)/当初の開示(任意開示)では金額を記載せず、その後の2026年2月期決算短信(重要な後発事象)で取得価額259,470千円と開示。別にアドバイザリー費用等28,800千円
買収理由:製造業向け管理システムなど、自社にない業務系アプリケーションの分野を取り込み、対応できる技術領域を広げる
売上2億9,523万円、経常利益1,207万円。営業利益と純資産は開示されていません。取得価額2億5,947万円は売上の約0.88倍、経常利益の約21倍です。利益は薄くても、大阪に技術者を抱え、親会社にない業務系の分野を持っていることに値段がついた案件です。開示では「人を大切にし、教育を重んじる」という企業文化を理由に挙げており、技術者の定着や育て方が評価の材料になることが読み取れます。
2026年3月2日に全株式を取得。2026年2月期決算短信の後発事象で「結合後企業の名称は変更ありません」とされています。
株式会社理創
WEBシステムを中心としたソフトウエア開発・受託事業(SES)/東京都渋谷区/1985年4月設立
- 取得価額
- 1億8,781万円
- 対象の売上
- 3億4,057万円
- 対象の営業利益
- 1,374万円
- 対象の純資産
- 1億7,096万円
決算期:2025年3月期/譲渡前の株主:横沢 治二郎82.9%、横沢 紀美子17.1%(個人2名)/アドバイザリー費用等28.8百万円を加えた合計は216.608百万円。「第三者機関によるデューデリジェンスを実施し、公正な方法で算出した金額にて、売主と協議のうえ決定」
買収理由:制御系からWEBアプリ、インフラ運用まで対応できる技術力を取り込み、グループの対応領域を広げる
設立40年、売上3億4,057万円・営業利益1,374万円・純資産1億7,096万円。売上は3期ほぼ横ばいで、前期(2024年3月期)は営業損失100万円と赤字でした。それでも直近期に黒字へ戻した段階で、純資産の約1.1倍、営業利益の約13.7倍の1億8,780万円で売れています。大きく伸びていなくても、大手企業と長く取引を続けてきた実績と技術者が評価された例です。株は社長と親族の2名で100%を持っていました。
2025年12月16日に全株式を取得し、2026年2月期に連結子会社として加わりました。決算短信で「結合後企業の名称は変更ありません」とされています。
株式会社ユビキタスのサービス&ソリューション関連事業
IoT向けハードウエア製品・クラウドサービスと、それらを組み合わせたソリューション/東京都新宿区/譲渡会社は2001年5月設立設立
- 取得価額
- 1円
- 対象の売上
- 9,000万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2016年3月期/譲渡前の株主:株式会社ユビキタス(事業会社)/譲受価額は金1円(現金決済)。譲り受ける資産の規模は「僅少」と開示/譲受対象の売上高(約90百万円、2016年3月期)。事業部門全体の売上は190百万円だが、一部の顧客取引は対象外
買収理由:IoT分野への事業展開。譲受後もユビキタス社とIoT事業で提携する
事業の値段は1円でした。売上は約9,000万円ありましたが、引き継いだのは技術者と商標権などで、資産はわずか、負債は引き継いでいません。会社ごとではなく事業と人だけを渡し、譲渡後も提携を続ける形です。会社を売らなくても、事業と人だけを引き取ってもらう道があることを示しています。
ソーバル本体が事業を譲り受けた案件で、法人は残りません。2017年4月1日に譲り受けた後、この事業がどうなったかを示す開示は手元になく、追えていません。
アンドールシステムサポート株式会社
ハードウエアの設計・開発・製造、ソフトウエア等の受託開発(車載システム、生産ライン・物流搬送設備の制御システム)/東京都品川区/1969年11月設立
- 取得価額
- 9,900万円
- 対象の売上
- 6億8,700万円
- 対象の営業利益
- 1,000万円
- 対象の純資産
- 2億4,900万円
決算期:2014年8月期/譲渡前の株主:田中 晃20.67%ほか個人株主等36名/デューデリジェンス費用等(概算)3百万円を加えた合計は約102百万円
買収理由:組込み用ソフトウエア・ハードウエアの受託開発分野の拡大と、大阪支社を拠点にした関西圏への進出
売上6億8,700万円・営業利益1,000万円・純資産2億4,900万円、従業員60名。売上は9億1,200万円→8億500万円→6億8,700万円と3期続けて減っていました。取得価額9,900万円は純資産の約0.4倍で、資本金と同じ額です。売上が落ち、利益も薄い局面では、純資産を大きく下回る値段になることがあります。株主が社長を含む37名に分かれていても、100%取得が成立しています。
2015年5月1日に株式譲渡を実行する予定と開示されています。その後の取得完了や、商号変更・合併の開示は手元になく、追えていません。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された4件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- プリサイス株式会社2億5,947万円(売上の0.88倍)
- 株式会社理創1億8,781万円(売上の0.55倍・営業利益の13.7倍)
- 株式会社ユビキタスのサービス&ソリューション関連事業1円(売上の0.00倍)
- アンドールシステムサポート株式会社9,900万円(売上の0.14倍・営業利益の9.9倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページはソーバル株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日