株式会社テリロジーホールディングスのM&A実績
システム開発やIT関連の小さな会社を、年1件前後のペースで買っている会社です。売り手は社長個人が100%持つ開発会社が中心で、上場企業の子会社や、通訳・翻訳の事業だけを引き取った例もあります。4件のうち3件で取得価額が開示されており、純資産の0.5倍から2.6倍まで幅があります。
株式会社テリロジーホールディングスが公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都千代田区
- 設立
- 2022年11月(持株会社として設立)
- 事業内容
- サイバーセキュリティ製品の輸入販売を中核に、ネットワーク機器、業務システム開発、コンタクトセンター向けソリューション、多言語通訳サービス、インバウンドPRなどを束ねるIT系の持株会社
- 売上高
- 106億4,600万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- 5億4,900万円
- 純資産
- 33億6,400万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- システム開発・ソフトウェア受託開発/コンタクトセンター向けソリューション/翻訳・通訳・講師派遣
- 対象の規模
- 対象の売上 0.69億円〜9.39億円(事業譲受の1件は非開示)
- 手法
- 株式譲渡(全株式取得による子会社化)が中心。子会社のテリロジーサービスウェアが事業だけを譲り受ける形も使う
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残す形が見られます。2024年に買ったログイットは、2026年3月期の決算短信でも社名で事業の状況が説明されています。事業譲受の案件は、受け皿の子会社の既存サービスと一体化させると開示しています。
- 取得価額を毎回開示しています。株式の代金とアドバイザリー費用等を分けて書いており、エフェステップでは代金70百万円に対して費用10百万円、キャロルシステム仙台では500百万円に対して26百万円でした
- 営業赤字の会社も買っています。エフェステップは3期続けて営業損失(△1〜2百万円)でしたが、純資産の半分の価格で取得されています
- 先に取引先として付き合ってから買う例があります。キャロルシステム仙台は、取得前から子会社の業務委託先として技術支援をしていた会社です
買収の履歴4件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
キャロルシステム仙台株式会社
システム開発(東北の大手企業・大手SIer向けソフトウェア開発)/宮城県仙台市/2010年7月設立
- 取得価額
- 5億円
- 対象の売上
- 3億1,000万円
- 対象の営業利益
- 5,600万円
- 対象の純資産
- 1億9,500万円
決算期:2025年6月期/譲渡前の株主:個人1名(髙橋 敏昭)が100%保有/株式の代金500百万円。アドバイザリー費用等(概算)26百万円を加えた合計は526百万円。純資産195百万円の約2.6倍、営業利益56百万円の約8.9倍/同社の会計基準により消費税等を含んだ金額
買収理由:グループの開発能力の強化と、東北地方での案件対応力の向上。東北での技術者の採用力・育成力を評価
売上3億1,000万円・営業利益5,600万円・純資産1億9,500万円で、価格は5億円。純資産の約2.6倍がついています。営業利益は3,100万円→2,100万円→5,600万円と、直前期に大きく伸ばしたタイミングでの譲渡でした。取得前から買い手の子会社の業務委託先として技術支援をしていた関係で、取引先として実力を見られたうえで買われた形です。地方の開発会社でも「技術者を採れる・育てられる」ことが評価の理由として明記されています。
2026年3月期の決算短信で、期中に連結子会社に加わった1社として社名で記載されています。商号変更や合併の開示は確認できていません。
ワールドシティ株式会社・ワンプラネット株式会社の翻訳・通訳・講師派遣事業
翻訳・通訳・語学講師派遣/東京都千代田区/ワールドシティは1995年4月、ワンプラネットは2011年10月設立設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:譲渡元は同じ代表者(豊島 健司)が率いる2社。株主構成は非開示/非開示
買収理由:訪日・在留外国人とのコミュニケーション分野で、子会社の映像通訳サービスと翻訳・通訳・講師派遣を一体で提供する
同じ代表者が率いる2社から、会社ではなく翻訳・通訳・講師派遣の事業だけを譲り受けた案件です。資本金300万円と約500万円の会社でした。官公庁の語学研修や政府機関からの翻訳といった実績と機密管理体制が評価されています。金額と業績は開示されていません。小さな会社でも、事業の一部だけを切り出して上場企業グループに渡す道がある例です。
2025年11月30日付で譲受済み。事業は受け皿のテリロジーサービスウェアに移っており、同社は2026年3月期の決算短信でも事業の状況が説明されています。譲渡元2社の法人のその後は開示されていません。
出典:テリロジーHD連結子会社テリロジーサービスウェアによるワールドシティ社及びワンプラネット社の翻訳・通訳・講師派遣事業譲受に関するお知らせ
ログイット株式会社
コンタクトセンター向けソリューション(通話録音、感情解析など)/東京都豊島区/1999年7月設立
- 取得価額
- 5億7,000万円
- 対象の売上
- 9億3,900万円
- 対象の営業利益
- 1,600万円
- 対象の純資産
- 5億7,700万円
決算期:2023年3月期/譲渡前の株主:インフォコム株式会社(上場企業)が100%保有/570百万円(概算)。純資産577百万円とほぼ同額(約0.99倍)。直前期の営業利益16百万円に対しては約36倍だが、前々期の営業利益88百万円なら約6.5倍
買収理由:コールセンター向けソリューションとCXの技術力・ノウハウを取り込み、顧客へのサポート力を強化する
売上9億3,900万円・純資産5億7,700万円で、価格は5億7,000万円。ほぼ純資産どおりの値段です。営業利益は1億500万円→8,800万円→1,600万円と2年で大きく落ちた局面での譲渡でした。利益が落ちていても、純資産の水準では買い手がついています。売り手は帝人グループの上場企業インフォコムで、親会社が本業から離れた子会社を手放した案件です。
2026年3月期の決算短信で「ログイット社」として通話録音ビジネスなどの状況が説明されています。商号変更や合併の開示は確認できていません。
株式会社エフェステップ
ソフトウェア開発(大手製造業向けの一次請け開発・保守)/東京都千代田区/2001年7月設立
- 取得価額
- 7,000万円
- 対象の売上
- 6,900万円
- 対象の営業利益
- △200万円
- 対象の純資産
- 1億4,000万円
決算期:2023年6月期/譲渡前の株主:個人1名(中山 雄造)が100%保有/株式の代金70百万円。アドバイザリー費用等(概算)10百万円を加えた合計は80百万円。純資産140百万円の0.5倍
買収理由:技術人材とノウハウを取り込み、グループの新規案件対応力とサポート力を強化する
売上6,900万円・営業損失200万円・純資産1億4,000万円。3期続けて営業赤字でしたが、売れています。ただし価格は7,000万円で、純資産の半分でした。大手製造業から一次請けで仕事を受けてきた技術者がいることが買う理由として挙げられています。赤字で売上が小さくても、人と取引先があれば買い手は現れる一方、価格は純資産を下回ることがあるという例です。
合併や商号変更の開示は確認できていませんが、2026年3月期の決算短信には社名の記載がなく、存続を確かめられる資料が手元にありません。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された3件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- キャロルシステム仙台株式会社5億円(売上の1.61倍・営業利益の8.9倍)
- ログイット株式会社5億7,000万円(売上の0.61倍・営業利益の35.6倍)
- 株式会社エフェステップ7,000万円(売上の1.01倍)※営業赤字での譲渡
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社テリロジーホールディングスが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日