2330東証スタンダード

株式会社フォーサイドのM&A実績

「積極的にM&Aや新規事業展開を推進」と開示で繰り返し書いている会社です。買うたびに新しい事業に入るのが特徴で、プライズ景品、雑誌、人材派遣、Web制作と、業種はそろっていません。いまの主力のプライズ事業も、2017年に買ったブレイクが担っています。売り手は創業者個人から上場企業、破産管財人まで幅があり、取得価額をほぼ毎回開示しています。

株式会社フォーサイドが公表した適時開示6件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都中央区
設立
2000年3月(創業)
事業内容
プライズ(クレーンゲーム景品)の企画販売を主力に、電子書籍配信「モビぶっく」、雑誌「Popteen」の出版、AI関連、物流、総合人材サービスを束ねる持株会社
売上高
87億4,800万円(2025年12月期(連結))
営業利益
4億6,300万円
純資産
30億7,700万円

どんな会社を買っているか

買う業種
プライズ(アミューズメント機器用景品)の企画・製作/雑誌出版・モデルマネジメント/人材派遣・業務請負/Webサイト構築・クラウド運用/キャラクター商品のクラウドファンディング販売
対象の規模
対象の売上 0.94億円〜30.1億円
手法
株式譲渡(子会社化)が中心。事業譲受や、破産会社の事業を管財人から買う形も使う。過半数(51%)だけを取得した例もある
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残し、その会社に新しいセグメントを担わせる形です。ブレイクは2017年の取得から9年たった今もプライズ事業とイベント事業の中核で、antzには取得の3か月後に物流関連事業を立ち上げさせています。一方で、手放すことも多い会社です。2014年に買ったデジタリオは2016年に、2017年に買った日本賃貸住宅保証機構は2024年に、それぞれ売却しています。
  • 取得価額を開示する会社です。下の6件のうち4件で金額が出ています(マカルーデジタル5,000万円、antz 4億8,000万円、ブレイク3億1,000万円、そらゆめの事業230万円)
  • アドバイザリー費用も別に書いてあります。マカルーデジタルでは株式5,000万円に対して費用2,900万円(仲介会社への支払いを含む)。小さな案件ほど手数料の比率が重くなることが、そのまま数字に出ています
  • ここに載せていない買収として、主要株主や取締役の関係会社から買った案件があります(2014年デジタリオ2億5,000万円、2015年クレディエンス5,000万円、2017年日本賃貸住宅保証機構、2024年に代表取締役が100%保有していたエム)。利害関係者との取引で、第三者間の値付けとは性格が違うため一覧から外しました
  • デジタリオは2億5,000万円で買い、約1年10か月後に1億7,000万円で第三者へ売却しています。買われた後にさらに売られることがある点は、この会社に限らず確認しておきたいところです

買収の履歴6件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年9月4日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社マカルーデジタル

Webサイト構築(Concrete CMS)、Webシステム開発、AWS中心のクラウドインフラ設計・運用、ホスティング/東京都世田谷区/2012年8月設立

取得価額
5,000万円
対象の売上
1億4,247万円
対象の営業利益
540万円
対象の純資産
275万円

決算期:2025年7月期/譲渡前の株主:菱川拓郎40%、宇佐見貴広20%、諏訪奨20%、佐々木多生20%(個人4名)/株式の取得価額50百万円。アドバイザリー費用等29百万円(M&Aロイヤルアドバイザリーへの費用を含む)を加えた合計は79百万円。第三者機関(MIコンサルティング、現・船井総研あがたFAS)の算定結果を基に協議で決定

買収理由:グループ内にWebサイト構築・クラウド運用の開発体制がなく、デジタル基盤の強化と情報発信力の向上が課題だったため

売上1億4,247万円・営業利益540万円・純資産275万円。2年前まで債務超過でした(純資産△718万円→△268万円→275万円)。コロナ期の不振で落ち込んだ後、黒字を続けて債務超過を解消した直後の譲渡です。価格5,000万円は営業利益の約9倍、純資産の約18倍。純資産がほとんど無くても、大手を含む保守運用の顧客基盤があれば値段はつきます。株主が4名で20〜40%ずつ持ち合っていた会社が、まとめて100%を譲渡しています。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年10月1日に株式取得が完了し、完全子会社になりました。

確認元:(開示事項の経過)株式取得(完全子会社化)完了に関するお知らせ

出典:株式取得による子会社化及び特定子会社の異動に関するお知らせ

2025年3月14日株式譲渡(完全子会社化)。2025年2月に基本合意、3月に最終契約

株式会社antz

総合人材サービス(一般労働者派遣・作業業務請負)、一般貨物自動車運送、ITソリューション/東京都千代田区/2005年4月設立

取得価額
4億8,000万円
対象の売上
17億4,380万円
対象の営業利益
3,865万円
対象の純資産
1億4,289万円

決算期:2024年3月期/譲渡前の株主:個人1名(長尾 康裕)が100%保有/株式の取得価額480百万円。アドバイザリー費用等(概算)5百万円を加えた合計は485百万円。うち300百万円は実行日に支払い、残り180百万円は支払期日・方法を協議中と開示。第三者機関(東陽監査法人)の算定結果を基に協議で決定

買収理由:AI関連事業・運送事業での人材確保と、SESを通じたIT人材供給による人材事業の展開。運送事業同士の協業

売上17億4,380万円・営業利益3,865万円・純資産1億4,289万円。直近期は当期純損失4,327万円でした。価格4億8,000万円は営業利益の約12倍、純資産の約3.4倍です。最終赤字の期があっても、営業利益が出ていれば純資産を大きく上回る値段がついています。きっかけは、買い手の社長が人材確保の相談相手を探していて、共通の知人から紹介されたことでした。代金の一部(1億8,000万円)は後払いで、条件は契約時点でまだ決まっていません。分割払いを受け入れる場合は、支払条件を契約前に固めておきたいところです。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年3月31日に取得完了。2025年12月期決算短信で連結子会社として社名が挙がり、同年7月からはantzで物流関連事業も始めています。

確認元:2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:子会社の異動及び新たな事業の開始に関するお知らせ

2021年6月25日株式譲渡(51.0%を取得して子会社化)

株式会社ホールワールドメディア

「Popteen」専属モデル等のマネジメント、YouTubeチャンネル「PopteenTV」・ファンクラブの運営、イベント企画/東京都千代田区/2020年1月設立

取得価額
―
対象の売上
9,400万円
対象の営業利益
100万円
対象の純資産
1,900万円

決算期:2020年12月期/譲渡前の株主:株式会社角川春樹事務所51.0%、株式会社KeyHolder49.0%/守秘義務契約により非開示。第三者算定機関の評価を勘案して決定

買収理由:譲り受ける「Popteen」事業に付随するモデルマネジメントやYouTube運営を一体で持つため

売上9,400万円・営業利益100万円・純資産1,900万円。設立1年目の会社です。買われたのは角川春樹事務所が持つ51%だけで、残り49%は上場企業のKeyHolderが持ったままでした。雑誌事業とセットで、それに付随する会社の過半数を押さえる形です。

買収後不明2026年10月12日時点

2025年12月期決算短信に社名は出ておらず、手元の開示では合併・売却も確認できません。

確認元:2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:当社連結子会社における事業譲受及び株式会社ホールワールドメディアの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2021年6月25日事業譲受(子会社モビぶっくが譲受)。同日、関連会社ホールワールドメディアの株式取得と、角川春樹事務所への15%出資(資本業務提携)も決議

株式会社角川春樹事務所の「Popteen」事業

ティーン向けファッション誌「Popteen」の発行/東京都千代田区/譲渡会社は1995年9月設立設立

取得価額
―
対象の売上
9億6,200万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2020年8月期(譲受事業のみ)/譲渡前の株主:株式会社角川春樹事務所(角川春樹50.0%、フィールズ30.0%ほか)/守秘義務契約により非開示。第三者算定機関の評価を勘案して決定。現金決済/譲受事業のみの2020年8月期の売上高。営業利益の開示はなく、経常利益19百万円

買収理由:自社の小中学生向け誌「Cuugal」と読者層がつながる中高生向け誌を取り込み、誌面とデジタル配信を連動させる

売上9億6,200万円・経常利益1,900万円。会社ではなく雑誌1誌の事業だけを切り出して売った案件です。資産・負債の引き継ぎは什器や備品の一部だけでした。売り手の角川春樹事務所は直近3期のうち2期が連結営業赤字で、本業に近い事業でも、伸ばせる相手に渡す判断をしています。売った側は買い手から15%の出資を受け、取次などで協力を続ける形を取りました。

買収後存続2026年10月12日時点

「Popteen」は2025年12月期決算短信で、子会社ポップティーンが手がける出版事業(マスターライツ事業)として続いています。

確認元:2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:当社連結子会社における事業譲受及び株式会社ホールワールドメディアの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2017年7月21日事業譲受(子会社フォーサイドメディアが破産管財人から譲受)。負債は引き継がない

株式会社そらゆめの「CROSSクラウドファンディング」事業

クラウドファンディングによるアニメ・ゲーム等のキャラクター商品の販売

取得価額
230万円
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2017年3月期(会社全体)/譲渡前の株主:破産者株式会社そらゆめ 破産管財人/譲受価額2,300,000円。現金決済。引き継いだ資産は帳簿価額0円の無形固定資産のみ/譲受部門だけの数値は算出困難として、そらゆめ全事業の数値(2017年3月期:売上211百万円、経常損失117百万円)が開示されている。譲受部門の売上は約64百万円と推測とのこと

買収理由:キャラクター商品のクラウドファンディング販売に参入し、グループのコンテンツ事業と組み合わせる

破産した会社の事業が、管財人から230万円で売られた案件です。会社全体では売上2億1,100万円・経常損失1億1,700万円と、3期続けて1億円前後の赤字でした。事業そのものには買い手がつきましたが、破産してからだと値段はほぼ残りません。資金が尽きる前に動いていれば、別の売り方ができた可能性があります。

買収後不明2026年10月12日時点

2025年12月期決算短信のセグメント説明にこの事業の記載はなく、手元の開示では継続・撤退を確認できません。

確認元:2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:当社連結子会社における事業の譲受並びに新たな事業開始に関するお知らせ

2017年2月10日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社ブレイク

クレーンゲーム機・カプセル自販機などアミューズメント機器用景品の企画・製作・販売/東京都港区/2007年2月設立

取得価額
3億1,000万円
対象の売上
30億1,400万円
対象の営業利益
4,100万円
対象の純資産
2億9,000万円

決算期:2016年3月期/譲渡前の株主:アドアーズ株式会社(上場企業)が100%保有/株式の取得価額310百万円(1株163,158円)。アドバイザリー費用等(概算)5百万円を加えた合計は315百万円

買収理由:プライズ景品の企画販売という新規事業への参入と、電子書籍などの自社コンテンツのグッズ化

売上30億1,400万円・営業利益4,100万円・純資産2億9,000万円。営業利益は1億4,200万円→6,800万円→4,100万円と3期続けて減っていました。価格3億1,000万円は純資産とほぼ同額です。買い手の当時の連結売上は9億円台で、自分より3倍大きい会社を買ったことになります。売り手はゲームセンター運営のアドアーズで、上場企業の子会社が別の上場企業に移った案件です。ブレイクはその後、買い手グループの稼ぎ頭になっています。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年12月期決算短信で、プライズ事業(売上34億6,309万円)とイベント事業を担う子会社として社名が挙がっています。

確認元:2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社ブレイクの株式の取得(子会社化)及び新たな事業の開始に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された4件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社マカルーデジタル5,000万円(売上の0.35倍・営業利益の9.3倍)
  • 株式会社antz4億8,000万円(売上の0.28倍・営業利益の12.4倍)
  • 株式会社そらゆめの「CROSSクラウドファンディング」事業230万円
  • 株式会社ブレイク3億1,000万円(売上の0.10倍・営業利益の7.6倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社フォーサイドが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日