MIRARTHホールディングス株式会社のM&A実績
マンション分譲のタカラレーベン(2022年に持株会社化して現社名)が、地方の不動産会社や地場の建設会社を個人オーナーから買ってきた会社です。買った理由はほぼ毎回同じで、「その地域の情報ネットワーク」と「管理戸数(ストック収入)」。愛媛県松山市の不動産会社、横浜市の建設会社、東京・池袋の仲介会社と、売上3億円〜40億円規模の会社を2014年に立て続けに買いました。2021年には再生可能エネルギーの会社を事業会社から買っています。
MIRARTHホールディングス株式会社が公表した適時開示5件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月9日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都千代田区
- 設立
- 1972年9月
- 事業内容
- 新築分譲マンション「レーベン」を中心に、戸建分譲・建設、リニューアル再販、再生可能エネルギー、アセットマネジメントの各社を束ねる持株会社(旧タカラレーベン)
- 売上高
- 2,143億6,900万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- 176億4,900万円
- 純資産
- 901億1,800万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 不動産の販売・仲介・賃貸管理/地場の総合建設業(建築工事)/再生可能エネルギー(太陽光発電施設の開発)
- 対象の規模
- 対象の売上 2.8億円〜41億円
- 手法
- 既存株主からの株式譲渡で100%を取得する形が基本。すでに一部を持っていた会社の残りを買い取る形もある(ライブネットホーム)
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 法人は残して、社名をグループ名に変えるのが基本です。オアシスはタカラレーベンリアルネット、日興建設は日興タカラコーポレーション→レーベンホームビルド→MIRARTHアーキテクトへと名前を変えて今も残っています。一方で、地域会社どうしを統合することもあり、仙台に移したタカラレーベン東北(旧ライブネットホーム)は2022年に吸収合併で消えています。松山の住宅情報館は、持株会社化のときにグループ本体の事業を引き継ぐ受け皿になりました。
- 取得価額は5件中4件が非開示です。理由は「当事者間の契約(合意)によって非開示」で、毎回「公正妥当な金額にて取得」と添えられています。金額が出ているのはオアシス(1,000万円)の1件だけでした
- 債務超過の建設会社も買っています。日興建設は買収直前期に営業損失4億100万円・純資産マイナス6億7,700万円でした(数字は翌年の開示で判明)。地主からの受注網と約3,000戸の管理戸数が買われた理由です
- 「管理戸数」が毎回の買収理由に入ります。日興建設は約3,000戸、住宅情報館は約2,200戸。賃貸管理を抱える不動産会社・建設会社は、この買い手にとって評価の材料になります
- 2017年には、創業時から19.9%を持っていた東京の不動産会社トリニティ・イデアの完全子会社化(株式取得と株式交換の組み合わせ)を発表しましたが、「最終的な条件面の合意に至らず」解除通知を送り、2018年5月に契約解除で合意したと開示しています(開示は買い手側の説明です)。成約していないので一覧には入れていません
- 2022年の上場インフラファンド(タカラレーベン・インフラ投資法人)への公開買付け、2013年のサンウッドとの業務資本提携、グループ内の会社分割・合併は、中小企業の売却とは性質が違うため一覧に入れていません
買収の履歴5件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
ACAクリーンエナジー株式会社
小規模太陽光発電施設の開発・施工・管理などの再生可能エネルギー事業/東京都中央区/2016年3月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 10億500万円
- 対象の営業利益
- △2億2,900万円
- 対象の純資産
- 5億8,800万円
決算期:2020年12月期/譲渡前の株主:ACAエナジー株式会社(事業会社)が100%保有/当事者間の契約によって非開示。「公正妥当な金額にて取得」
買収理由:小規模太陽光発電の開発実績を取り込み、FITに依存しないエネルギー事業を広げるため
営業損失2億2,900万円の年の直後に売れています。売上は8億700万円→12億3,000万円→10億500万円、営業損益は赤字→黒字3億1,900万円→赤字と振れ、純資産も10億7,000万円から5億8,800万円に減っていました。買い手が挙げた理由は、創業以来の全国での開発実績でした。売り手は個人ではなく親会社の事業会社でした。
グループのエネルギー事業会社「MIRARTHエナジーソリューションズ株式会社」になったと推定されます。2025年1月27日の開示で同社の設立年月日が2016年3月29日とされ、ACAクリーンエナジーの設立日と一致するためです(商号変更そのものの開示は確認できていません)。
株式会社ライブネットホーム
不動産の販売・仲介管理・賃貸/東京都豊島区/1979年4月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 9億4,800万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2014年9月期/譲渡前の株主:個人1名が80.2%、タカラレーベンが19.8%を保有/当事者間の契約によって非開示。「公正妥当な金額にて取得」
買収理由:グループ戦略の一環として完全子会社化
売上9億4,800万円。買い手がもともと2割を持っていた会社の、残り8割を社長個人から買い取った案件です。取得と同時に社名をタカラレーベン東北に変え、本店を東京・池袋から仙台に移して、東北の営業拠点にしています。
2015年1月にタカラレーベン東北へ商号変更・仙台へ本店移転。2022年10月1日、持株会社化にあわせてタカラレーベン西日本(現タカラレーベン)に吸収合併され、法人としては消えています。
株式会社住宅情報館
マンションの経営、不動産の売買・賃貸・仲介・管理/愛媛県松山市/1989年8月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 8億8,800万円
- 対象の営業利益
- 6,900万円
- 対象の純資産
- 6億4,600万円
決算期:2013年10月期/譲渡前の株主:個人3名(二宮秀生 50%、二宮光子 30%、二宮孝介 20%)/当事者間の合意によって非開示。「公正妥当な金額にて取得」
買収理由:地方都市で年間1,000戸を供給する体制づくりと西日本進出の足掛かり。約2,200戸の管理受託
売上8億8,800万円・営業利益6,900万円・純資産6億4,600万円。前の期は営業損失9,400万円で、赤字から黒字に戻した翌年の譲渡です。一族3人で株を分けて持っていた会社でも、まとめて100%譲渡しています。買い手が挙げた理由は、松山を中心とした情報ネットワークと約2,200戸の管理戸数でした。
タカラレーベン西日本を経て、2022年10月1日に「株式会社タカラレーベン」へ商号変更し、持株会社化したグループの中核事業会社になったと推定されます。2022年5月30日の開示にあるタカラレーベン西日本の設立日(1989年8月29日)・資本金9,800万円・発行済株式1,960株・所在地(松山市)が住宅情報館と一致するためです。
株式会社日興建設
総合建設業(建築工事)、不動産の売買・賃貸・管理・仲介/神奈川県横浜市/1987年7月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 40億9,900万円
- 対象の営業利益
- △4億100万円
- 対象の純資産
- △6億7,700万円
決算期:2014年6月期(営業利益・純資産は2015年10月26日の開示から)/譲渡前の株主:個人1名(田島達三)が100%保有/当事者間の契約によって非開示。「公正妥当な金額にて取得」
買収理由:横浜エリアの情報ネットワークと戸建・アパート・RCマンションの建築技術。約3,000戸の管理受託
売上41億円の建設会社ですが、直前期は営業損失4億100万円・純資産マイナス6億7,700万円の債務超過でした(買収時の開示は売上のみで、損益と純資産は翌年の分割の開示で出ています)。それでも社長1人が持つ株の100%が買われています。買い手が挙げたのは、地主からの受注網・建築技術・約3,000戸の管理戸数。買収後は増資を受けて資本金を5,000万円から2億円に増やし、2016年には賃貸・管理事業を新会社に切り出して(グループ内で9,100万円で取得)、本体は建設に専念する形に組み替えられました。
同社の沿革によれば、2016年に日興タカラコーポレーション、2022年にレーベンホームビルド、2026年7月にMIRARTHアーキテクト株式会社へ商号変更して存続しています。2026年4月には持株会社の直接の子会社に移されました。
オアシス株式会社
不動産の販売・仲介管理・賃貸/東京都豊島区/1977年5月設立
- 取得価額
- 1,000万円
- 対象の売上
- 2億8,000万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2014年3月期/譲渡前の株主:個人1名(加藤重光)が100%保有/取得価額1,000万円(20,000株)。資本金と同額
買収理由:不動産の販売・仲介管理・賃貸など不動産流通分野の強化
この会社で唯一、取得価額が出ている案件です。1,000万円で、売上2億8,000万円の約0.04倍。資本金1,000万円・創業37年の仲介会社を、社長1人から100%買っています。利益や純資産は開示されていないので、なぜこの金額だったかは読めません。取得直後にタカラレーベンリアルネットへ社名を変え、グループの仲介会社として今も残っています。
2014年7月1日付でタカラレーベンリアルネットに商号変更する予定と開示され、現在もMIRARTHホールディングスの公式サイトにグループ企業として「タカラレーベンリアルネット」が載っています。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- オアシス株式会社1,000万円(売上の0.04倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページはMIRARTHホールディングス株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月9日