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株式会社テンポスホールディングスのM&A実績

「飲食店の総合支援企業」を掲げ、厨房機器の施工会社・メーカー、寿司や宅配の飲食会社、外食向けの人材派遣会社と、飲食店のまわりの会社を少しずつ買い足してきた会社です。売り手はLIXILのような大企業の子会社、投資ファンド、創業家の持株会社、社長個人とさまざまです。2026年には売上1億円台の美容室や赤字の町工場を、テンポス株との株式交換でグループに入れており、規模の小さい会社にも門が開いています。

株式会社テンポスホールディングスが公表した適時開示6件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月9日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都大田区
設立
1992年5月
事業内容
新品・中古の厨房機器販売「テンポスバスターズ」を軸に、店舗内装工事、居抜き物件の仲介、人材派遣、飲食店経営(ステーキのあさくま等)まで「飲食店の総合支援」を手がける持株会社
売上高
534億800万円(2026年4月期(連結))
営業利益
28億9,000万円
純資産
191億9,400万円

どんな会社を買っているか

買う業種
業務用厨房機器の販売・設計施工/厨房機器・金属製品の製造/飲食店経営(回転寿司、宅配寿司、ケータリング)、鮮魚卸/外食・販売向けの人材派遣/美容室
対象の規模
対象の売上 1.08億円〜54.2億円
手法
現金での株式譲渡(子会社化)が中心。2026年からは自己株式を対価にした簡易株式交換で100%取得する形も使っている。少数出資していた会社を買い増して子会社化した例もある
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は子会社として残すのが基本です。ただし社名は変えることがあり、株式会社ヤマトは2024年4月に「ヤマトサカナ株式会社」になりました。サンライズサービスでは元の社長が代表取締役社長に再任され、テンポスの代表が代表取締役会長として加わる形をとっています。
  • 取得価額はほとんど非開示です。理由は「相手方の意向」。金額が出ているのは2014年のサンウエーブキッチンテクノ(3億3,000万円)だけでした
  • 株式交換の案件は、1株あたりの評価額と算定方法まで開示されます。税理士法人に法人税法上の株価と純資産価額を出させ、そのうえで「純資産評価方式に重点を置き」、第三者の意見価額を少し上回る価格で合意する、という同じ型が2件続いています
  • 株式交換では対価がテンポスの株式で払われます。現金ではなく上場株を受け取る形なので、売り手は単元未満株の扱いや、受け取った株の値動きも考えておく必要があります
  • 営業赤字の会社も買っています。明和製作所は3期連続の営業赤字、サンライズサービスは2期前に営業損失2億2,900万円を出していました
  • 上場企業マルシェ(居酒屋「八剣伝」など)への第三者割当増資の引受による出資もありますが、ここでは外部の会社を買い取った案件だけを載せています

買収の履歴6件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年7月8日簡易株式交換(完全子会社化)。対価はテンポス株式43,691株(自己株式を充当)。交換前に特例有限会社から株式会社へ商号変更

株式会社トミ美容室(現 特例有限会社トミ美容室)

美容室の経営/千葉県船橋市/1960年2月設立

取得価額
―
対象の売上
1億800万円
対象の営業利益
1,300万円
対象の純資産
8,100万円

決算期:2025年5月期/譲渡前の株主:個人2名(西出 礼信75.00%、西出 桂子25.00%)/取得価額としての開示はなし。1株あたり53,333円で合意(税理士法人ともにの意見価額は53,208円、テンポス株は3,662円で評価)。交付株式数43,691株×3,662円で約1億6,000万円(編集部の計算値)。純資産8,100万円のおよそ2倍にあたる

買収理由:2025年に立ち上げた美容事業(サロングラフ)の拡大。店舗販売や優良顧客獲得のノウハウを取り込む

この一覧で最小の案件です。売上1億800万円・営業利益1,300万円・純資産8,100万円、従業員10名の美容室。創業1960年の老舗で、売上は9,900万円→1億300万円→1億800万円と少しずつ伸びていました。開示では「店舗販売での高い収益率」と「顧客のリピート率の高さ」が評価点に挙がっています。本業と違う業種の会社でも、買い手が新しく始めた事業の先生役として買われることがあります。また有限会社のままでは株式交換ができないため、譲渡の前に株式会社へ商号変更する段取りが組まれています。

買収後存続2026年10月9日時点

2026年8月27日に効力発生予定として開示され、その後の中止・合併の開示はありません。ただし公式サイトのグループ会社一覧にはまだ載っておらず、完了は推定です。

確認元:株式会社テンポスホールディングスによる株式会社トミ美容室(現特例有限会社トミ美容室)の完全子会社化に関する株式交換(簡易株式交換)のお知らせ

出典:株式会社テンポスホールディングスによる株式会社トミ美容室(現特例有限会社トミ美容室)の完全子会社化に関する株式交換(簡易株式交換)のお知らせ

2026年4月15日簡易株式交換(完全子会社化)。対価はテンポス株式58,177株(自己株式を充当)

株式会社明和製作所

厨房機器・金属製品の製造(圧力寸胴、焼肉無煙ロースター等)。製麺機メーカーの大成機械工業を子会社に持つ/大阪府大阪市/1962年3月設立

取得価額
―
対象の売上
4億8,300万円
対象の営業利益
△2,000万円
対象の純資産
1億6,200万円

決算期:2025年6月期/譲渡前の株主:個人5名(下條 聡哉61.6%、伊東 慶郎20.0%、伊東 正浩6.7%、江郷 由貴子6.7%、下條 昌人5.0%)/取得価額としての開示はなし。1株あたり36,400円で合意(税理士法人ともにの意見価額は34,303円、テンポス株は3,754円で評価)。交付株式数58,177株×3,754円で約2億1,800万円(編集部の計算値)。純資産1億6,200万円の約1.35倍にあたる

買収理由:グループのキッチンテクノの主要な製造元を取り込み、製造の内製化と自社オリジナル厨房機器の開発を進める

売上4億8,300万円・営業損失2,000万円・純資産1億6,200万円。営業損益は△3,300万円→△2,700万円→△2,000万円と3期続けて赤字でした。それでも純資産を上回る評価で、株式交換が成立しています。決め手は取引先としての重さで、明和製作所はテンポス子会社キッチンテクノの仕入額の約20%を占める製造元でした。大口の取引先にとって欠かせない会社なら、赤字でもその取引先自身が買い手になりえます。

買収後存続2026年10月9日時点

2026年5月20日に効力発生予定として開示され、その後の中止・合併の開示はありません。ただし公式サイトのグループ会社一覧にはまだ載っておらず、完了は推定です。

確認元:株式会社テンポスホールディングスによる株式会社明和製作所の完全子会社化に関する株式交換(簡易株式交換)のお知らせ

出典:株式会社テンポスホールディングスによる株式会社明和製作所の完全子会社化に関する株式交換(簡易株式交換)のお知らせ

2025年5月14日株式譲渡(完全子会社化)。2025年7月に取得完了

株式会社サンライズサービス

宅配(主に寿司)、ケータリング(仕出し弁当等)、飲食店(海鮮丼、つけ麺)の運営/神奈川県川崎市/1991年8月設立

取得価額
―
対象の売上
54億2,100万円
対象の営業利益
1,700万円
対象の純資産
5億2,400万円

決算期:2024年3月期/譲渡前の株主:持株会社のMMグループホールディングス株式会社(代表取締役会長 松村 矩雄)が100%保有/相手方の意向により非開示。外部機関も含めた営業・財務・法務デューデリジェンスの結果を勘案して決定

買収理由:フードデリバリーのインフラを取り込み、売上100億円規模の事業に育てる。グループのヤマトサカナと仕入れ・物流で協業

この一覧で最大の案件です。売上54億2,100万円・営業利益1,700万円・純資産5億2,400万円。営業損益は3,500万円→△2億2,900万円→1,700万円と、2期前に大きな赤字を出し、純資産も7億5,400万円から目減りしていました。利益が薄くても、宅配網という仕組みそのものが評価されています。取得完了と同時に元の社長は代表取締役社長に再任され、テンポスの代表が会長として加わりました。売ったあとも社長を続ける形の実例です。

買収後存続2026年10月9日時点

2025年7月22日に取得完了が開示され、2026年5月のマルシェ株式の取得の開示でも「当社子会社のサンライズサービス」として言及されています。公式サイトのグループ会社一覧には未掲載です。

確認元:マルシェ株式会社の第三者割当増資の引受による株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社サンライズサービスの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2023年7月24日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社ヤマト

鮮魚の卸・仲卸、持帰り寿司の小売、回転寿司・海鮮居酒屋の運営、食品加工、観光施設「房総の駅とみうら」/千葉県鴨川市/1981年11月設立

取得価額
―
対象の売上
54億9,000万円
対象の営業利益
3億7,300万円
対象の純資産
6億4,500万円

決算期:2022年5月期/譲渡前の株主:投資ファンド2本で100%(AG2号投資事業有限責任組合91.7%、千葉・武蔵野アライアンス1号投資事業有限責任組合8.3%)/相手方の意向により非開示。外部機関も含めた財務・法務デューデリジェンスの結果を勘案して決定

買収理由:飲食店経営を自社で行い、拡大と立て直しのノウハウを身につけて中堅飲食事業者へのコンサルに生かす

売上54億9,000万円・営業利益3億7,300万円・純資産6億4,500万円。営業損益は△6,100万円→1億2,400万円→3億7,300万円と、赤字から立ち直った局面での譲渡です。売り手は創業家ではなく投資ファンド(アスパラントグループ運営)と、千葉銀行系・武蔵野銀行系のファンドでした。一度ファンドに渡った地方の会社が、立て直したあとに事業会社へ移る流れです。買収後は社名が「ヤマトサカナ」に変わり、グループの飲食事業の仕入れ役として他の子会社とも協業しています。

買収後社名変更2026年10月9日時点

公式サイトのグループ会社一覧に「ヤマトサカナ株式会社(2024年4月に社名変更、旧社名:株式会社ヤマト)」として掲載されています。所在地は千葉県鴨川市のままです。

確認元:グループ会社 | 株式会社テンポスホールディングス

出典:株式会社ヤマトの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2017年12月21日株式譲渡(子会社化)。19.9%を保有していたところから発行済株式の約74%(11,944株)を買い増し、議決権94.3%に

株式会社ディースパーク

人材派遣・人材紹介(アパレル、フード、コンビニ、オフィスの販売業務が中心)/大阪府大阪市/2003年7月設立

取得価額
―
対象の売上
18億8,500万円
対象の営業利益
1,000万円
対象の純資産
2億4,000万円

決算期:2017年3月期/譲渡前の株主:株式会社ディースパーク・インベストメント(社長の晴山 暢彦が100%保有)74.3%、テンポスホールディングス19.9%/株式取得先との合意により非公表。「時価純資産額を基礎とし、合理的な調整のもと算定」と開示

買収理由:外食業界の深刻な人材不足への対応を強化する

売上18億8,500万円・営業利益1,000万円・純資産2億4,000万円。営業損益は700万円→△2,000万円→1,000万円と、ほぼ収支トントンの会社でした。2008年の資本・業務提携から約9年、19.9%の出資先として取引を続けたうえでの子会社化です。価格は「時価純資産を基礎に調整」と書かれており、利益が薄い会社では純資産が値段の物差しになることが読み取れます。社長は個人の資産管理会社を通じて株を持っていました。

買収後存続2026年10月9日時点

公式サイトのグループ会社一覧に株式会社ディースパークとして掲載されています。

確認元:グループ会社 | 株式会社テンポスホールディングス

出典:株式会社ディースパークの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2014年4月25日株式譲渡(完全子会社化)

サンウエーブキッチンテクノ株式会社

業務用厨房設備機器の販売・設計施工・メンテナンス、内装仕上工事、管工事/東京都新宿区/2004年4月設立

取得価額
3億3,000万円
対象の売上
54億9,100万円
対象の営業利益
100万円
対象の純資産
6億1,600万円

決算期:2013年3月期/譲渡前の株主:株式会社LIXIL(上場企業グループ)が100%保有/アドバイザリー費用等の記載はなく、合計(概算額)も330百万円

買収理由:大手企業への営業力、厨房設計・施工・納品管理のノウハウを取り込み、中堅飲食チェーンからの受注を増やす

この会社の案件で唯一、取得価額が開示されています。3億3,000万円。売上54億9,100万円・営業利益100万円・純資産6億1,600万円で、価格は純資産の約0.54倍でした。売上は67億8,900万円→63億8,200万円→54億9,100万円と縮み、営業損益も△4,600万円→△6,700万円→100万円と赤字続きからようやく黒字に戻ったところです。利益の出ていない会社は、純資産を下回る値段になることがあるという実例です。売り手は大手住宅設備メーカーのLIXILで、本業から外れた子会社を専業に渡す形でした。

買収後社名変更2026年10月9日時点

公式サイトのグループ会社一覧に「キッチンテクノ株式会社」が掲載されています。旧社名の記載はないため、サンウエーブキッチンテクノが社名変更したものと推定しています。

確認元:グループ会社 | 株式会社テンポスホールディングス

出典:サンウエーブキッチンテクノ株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • サンウエーブキッチンテクノ株式会社3億3,000万円(売上の0.06倍・営業利益の330.0倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社テンポスホールディングスが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月9日