286A東証グロース

株式会社ユカリアのM&A実績

「仲間づくり」を掲げ、医療・介護の周辺で事業を足していく形で買っている会社です。2025年だけで訪問看護、医療向けウェブマーケティング、医療HRテック、相続に強い不動産会社と、業種の違う5社をグループに入れました。直近の業績が営業赤字の会社を3件続けて買っているのが目立ちます。決算短信でも、M&Aは今期も積極的に進める方針と書かれています。

株式会社ユカリアが公表した適時開示5件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都千代田区
設立
2005年2月
事業内容
提携病院への経営支援を柱に、有料老人ホームの運営や入居紹介(シニア関連事業)、コンタクトレンズの製造販売を手がける医療・介護の会社
売上高
247億3,400万円(2025年12月期(連結))
営業利益
23億6,500万円
純資産
217億7,900万円

どんな会社を買っているか

買う業種
訪問看護・居宅介護支援/医療・介護向けウェブマーケティング/医療・介護向けHRテック/相続に強い不動産仲介・買取再販
対象の規模
対象の売上 1.1億円〜12億円(業績非開示の2社を除く)
手法
株式譲渡(子会社化)が中心。全株でなく過半数だけを取得する案件や、既存株主からの譲受と第三者割当増資の引受けを組み合わせる形も使う。買った子会社が次の買い手になる「孫会社化」もある
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残しています。2025年5月に買ったメディステップは、半年後には自らリリフルを買う側に回り、本社もユカリアと同じビルに移っています。
  • 取得価額が開示されたのは1件(ゼロメディカル、7億円)です。ほかは「守秘義務により非開示」
  • ただし非開示の案件でも、「当社の連結純資産の3%相当」「2%相当」と割合を書いています。直前期末の連結純資産189億5,100万円から、おおよその金額が逆算できます
  • 営業赤字の会社を買っています。ゼロメディカル(営業損失9,200万円)、メディステップ(同2,700万円)、エピグノ(3期連続の営業損失)は、いずれも直近期が赤字でした
  • 小さな案件は「軽微基準の範囲内で任意開示」として、業績や売り手の名前を省いた短い開示になります

買収の履歴5件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2025年12月1日株式譲渡(子会社メディステップが100%取得=孫会社化)

株式会社リリフル

小児・難病に強い訪問看護、障害の居宅介護/東京都品川区/2014年2月設立

取得価額
―
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:非開示/譲渡前の株主:非開示/非開示(任意開示のため一部記載を省略)

買収理由:小児・難病分野の訪問看護の専門性を取り込み、港区・品川区エリアで24時間365日の体制をつくる

資本金500万円の訪問看護ステーション。買い手は、その半年前にユカリアの傘下に入ったばかりのメディステップです。「小児・難病」という、大手が手薄な分野に特化していたことが評価の理由として書かれています。規模が小さくても、得意分野がはっきりしていれば同業のグループから声がかかる例です。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年12月1日に取引完了と開示されています。手元の開示では、その後の商号変更や合併は確認できていません。

確認元:連結子会社による株式会社リリフルの株式取得(孫会社化)完了に関するお知らせ

出典:連結子会社による株式会社リリフルの株式取得(孫会社化)完了に関するお知らせ

2025年6月5日株式譲渡(発行済株式の62.3%を取得、子会社化)

株式会社エピグノ

医療・介護機関向けの人材マネジメントシステム(エピタルHRなど)、コンサルティング/東京都中央区/2016年9月設立

取得価額
―
対象の売上
1億1,100万円
対象の営業利益
△8,400万円
対象の純資産
2,300万円

決算期:2024年8月期/譲渡前の株主:乾文良(代表)22.5%、エムスリー19.9%、志賀卓弥12.1%、THVP-1号投資事業有限責任組合11.7%、エムスリーキャリア9.4%ほか投資ファンド/守秘義務により非開示。「ユカリアの2024年12月期末の連結純資産の2%相当」と開示されており、連結純資産189億5,100万円の2%=約3億8,000万円と読める

買収理由:医療機関の採用難・配置・過重労働といった人材課題に、HRテックで応える体制をつくる

売上1億1,100万円に対して営業損失8,400万円。3期連続の営業赤字で、純資産は1億8,200万円→1億400万円→2,300万円と減り続けていました。それでも純資産の10倍を大きく超える水準の金額で62.3%が買われています。ユカリアとは2024年4月から販売店契約で取引があり、買収の前から取引先として付き合いがあった相手です。売り手はエムスリーや大学系ファンドなど、出資者がほとんどでした。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年12月期の決算短信で、第3四半期に連結子会社化したと記載されています。商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社エピグノの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2025年5月15日既存株主からの株式譲受(20,998株)と第三者割当増資の引受け(25,000株)で51.67%を取得、子会社化

株式会社メディステップ

訪問看護、居宅介護支援(世田谷エリア中心に18拠点)/東京都渋谷区/2015年7月設立

取得価額
―
対象の売上
12億700万円
対象の営業利益
△2,700万円
対象の純資産
1億100万円

決算期:2024年5月期(単純合算)/譲渡前の株主:中村達也(代表)・竹尾浩紀ほか個人7名と法人2社(合同会社LLC 19.7%、合同会社fif 14.7%、竹尾浩紀14.7%、中村達也9.8%など)/守秘義務により非開示。「ユカリアの2024年12月期末の連結純資産の3%相当」と開示されており、連結純資産189億5,100万円の3%=約5億7,000万円と読める(増資の払込分を含む)/メディステップと子会社4社(ケアフル、てとて、AKN、ジョイ)の単純合算。4社は2025年1月にメディステップへ吸収合併済み。メディステップ単体は売上1,025百万円・営業損失30百万円・純資産98百万円

買収理由:老人ホーム紹介のあいらいふ、有料老人ホームのクラーチと組み、在宅で暮らす高齢者まで支援を広げる

合算で売上12億700万円、ただし営業損益は1,269万円→721万円→2,708万円の損失と落ちていました。売上が8億4,000万円から12億円へ急に伸びた年に赤字になっており、拠点を広げて売上が伸びた一方で利益が出なくなった局面での譲渡です。全株ではなく51.67%で、うち半分強は増資の引受けです。売る側の株主にお金が入るだけでなく、会社にも資金が入る形を取っています。譲渡の直前に子会社4社を1社にまとめていた点も、買い手が見やすい形に整えた例です。

買収後存続2026年10月12日時点

社名のまま連結子会社として残り、2025年11月にはリリフルを取得する買い手になっています。本社はユカリアと同じ霞が関ビルディングに移り、資本金は950万円に変わっています。

確認元:連結子会社による株式会社リリフルの株式取得(孫会社化)完了に関するお知らせ

出典:株式会社メディステップの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2025年4月25日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社ゼロメディカル

医療・介護向けウェブマーケティング(ツール販売・サイト制作)、医療コンサルティング、訪問介護事業所の運営/東京都港区/2005年9月設立

取得価額
7億円
対象の売上
8億8,900万円
対象の営業利益
△9,200万円
対象の純資産
3,000万円

決算期:2024年3月期(10か月決算)/譲渡前の株主:株式会社リミックスポイント(上場企業)が100%保有/取得価額700百万円と開示。適時開示基準には該当しないが任意で開示/決算期変更による10か月間(2023年6月〜2024年3月)の数値。前期(2023年5月期・12か月)は売上1,196百万円・営業利益64百万円

買収理由:医療機関・介護施設への営業機能とウェブマーケティングの知見を取り込み、提携病院の集患や施設の入居者増につなげる

この会社の案件で唯一、金額が開示されています。7億円。直近期は営業損失9,200万円・純資産3,000万円で、純資産の23倍の値段です。前の期は売上11億9,600万円・営業利益6,400万円の黒字でした。1期赤字に落ちていても、医療・介護の顧客基盤と営業部隊があれば高く評価される例です。売り手はエネルギー事業などを営む上場企業で、本業から外れた子会社を医療の専業に渡す形でした。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年12月期の決算短信で、第2四半期に連結子会社化し、医療機関・介護施設向けのファクタリングサービスを同社で始めたと記載されています。

確認元:2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社ゼロメディカルの株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ

2025年3月17日株式譲渡(完全子会社化)

Gplus株式会社

不動産の相続コンサルティング、売買仲介、買取再販、賃貸管理、損害保険代理/東京都千代田区/2022年5月設立

取得価額
―
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:非開示/譲渡前の株主:非開示/非開示(軽微基準の範囲内の任意開示のため一部記載を省略)

買収理由:老人ホーム紹介のあいらいふと組み、高齢者の住み替えや相続での不動産売却までワンストップで支援する

設立3年足らず、資本金950万円の不動産会社です。医療・介護とは別業種ですが、「施設に入る高齢者の自宅をどうするか」という場面で、老人ホーム紹介の事業と組み合わせる狙いで買われています。本業が違っても、買い手の顧客が抱える困りごとを解決できる会社なら対象になります。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年12月期の決算短信で、第1四半期末から連結子会社とされ、あいらいふと連携したサービスを展開していると記載されています。

確認元:2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:Gplus株式会社の株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社ゼロメディカル7億円(売上の0.79倍)※営業赤字での譲渡

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

関連する記事

本ページは株式会社ユカリアが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日