株式会社UbicomホールディングスのM&A実績
医療機関向けソフトの販売代理店を買い集めている会社です。2025年〜2030年に「売上規模数億円から10億円程度」の地域密着型の販売代理店を8〜10社グループ化すると開示しており、買う相手の規模と社数を自分から公表しています。これまで約95%を代理店経由で売っていたのを、買収によって直販に切り替えるという方針で、2025年の福岡のISMが第1弾、2026年の埼玉のラジエンスウエアが第2弾でした。
株式会社Ubicomホールディングスが公表した適時開示2件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都千代田区
- 設立
- 2005年12月
- 事業内容
- 病院・クリニック向けのレセプト点検ソフト「Mighty」シリーズなど医療ITソリューションと、ソフトウェア開発・テスト等のテクノロジーコンサルティングを手がける持株会社
- 売上高
- 59億9,200万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- 13億400万円
- 純資産
- 60億2,500万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 医療機関向けITシステムの販売代理・導入支援・保守/レセプトコンピュータ・電子カルテの販売サポート/医療機関向けソフトウェアの受託開発
- 対象の規模
- 対象の売上 8.8億円(ISMは非開示)。開示上の目安は「売上規模数億円〜10億円程度」
- 手法
- 株式譲渡(子会社化)。子会社エーアイエスが買い手になる形(ISM)と、持株会社が直接買う形(ラジエンスウエア)がある。ISMは81%を先に取得し、約5か月後に残り19%を買い取って完全子会社化
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残しています。ラジエンスウエアでは取得日に創業社長が退任して相談役となり、Ubicom側の社長が代表取締役に就いています。ISMは81%取得の後、残る19%も買い取って完全子会社にしました。
- 買いたい相手の条件を数字で公表しています。「売上規模数億円から10億円程度」「8社〜10社」「2025年から2030年」。医療ITの販売代理店を営む会社にとっては、自社が対象に入るかを開示文だけで判断できます
- 取得価額は買収発表時には非開示でも、決算短信で明かされています。ラジエンスウエアは発表時「連結純資産の13%未満」としか書かれていませんでしたが、2026年3月期の決算短信に取得原価6億4,900万円と記載されました
- 既存の取引先(自社製品を売ってくれていた代理店)を買う形です。取引関係のある会社から順に声がかかることが読み取れます
買収の履歴2件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
ラジエンスウエア株式会社
クリニック・小規模病院へのレセプトコンピュータ・電子カルテ・周辺機器の導入と保守(日医ITサポート事業所)、医療情報システム、自社製品の開発販売/埼玉県児玉郡上里町/2000年1月設立
- 取得価額
- 6億4,900万円
- 対象の売上
- 8億8,400万円
- 対象の営業利益
- 1億5,400万円
- 対象の純資産
- 4億2,200万円
決算期:2025年9月期/発表時は守秘義務契約により非開示で、「取得価額とアドバイザリー費用等の合計は直前期末の連結純資産の13%未満」とだけ記載(2025年3月期の連結純資産5,601百万円の13%=約728百万円未満)。その後、2026年3月期決算短信の重要な後発事象に取得原価649百万円(現金)と記載。別にデューデリジェンス・アドバイザリー費用等が75.652百万円。独立した第三者算定機関の株式価値算定書を取得
買収理由:首都圏・北関東の医療機関の顧客基盤(既存顧客約475件)を取り込み、代理店経由から直販へ切り替える。メディカル事業の戦略的M&Aの第2弾
売上8億8,400万円・営業利益1億5,400万円・純資産4億2,200万円。営業利益は8,700万円→1億3,400万円→1億5,400万円と3期続けて伸び、純資産も2億3,700万円→4億2,200万円と増えている局面での譲渡でした。取得原価6億4,900万円は営業利益の約4.2倍、純資産の約1.5倍です。医師会のレセコン導入件数で表彰を受けた実績や大学との共同研究も開示で紹介されており、地域の医療機関との取引基盤そのものが評価された例です。創業社長は取得日に代表を退き、相談役として残っています。
2026年4月1日に取得完了。同日付で代表取締役の中嶋吉男氏が退任して相談役に就き、Ubicom社長の青木正之氏が代表取締役社長に就任しました。決算短信では「結合後企業の名称:変更はありません」とされています。
株式会社ISM
医療機関向けソフトウェアの受託開発、「MightyChecker」シリーズの販売代理(福岡県で800件超の医療機関と取引)/福岡県福岡市/2010年10月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/非開示。完全子会社化の開示でも「連結業績に与える影響は軽微」とのみ記載
買収理由:主要販売代理店をグループに取り込み、代理店モデルから直販モデルへ転換する。全国展開戦略の第一歩
資本金500万円。Ubicomの主力製品を福岡で売っていた主要な販売代理店が、そのまま仕入れ先の上場企業に買われた案件です。最初は81%だけを取得し、約5か月後に残る19%を買い取っています。取引先のメーカーが買い手になることは、代理店を営むオーナーにとって身近な出口の形です。業績は手元の開示資料に記載がありません。
2025年12月1日に残る19%を取得し、エーアイエスの完全子会社になりました。2026年3月期決算短信でも新たな連結子会社として社名のまま記載されています。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- ラジエンスウエア株式会社6億4,900万円(売上の0.73倍・営業利益の4.2倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社Ubicomホールディングスが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日