株式会社トレジャー・ファクトリーのM&A実績
リユース(中古品の買取・販売)の同業を買い続けている会社です。ブランド古着、ゴルフ用品、静岡の地域密着型リユース店と、自社に無いジャンルや地域を持つ専門店を1件ずつ取り込んできました。売り手は個人オーナーのほか、法人株主や、事業の一部だけを手放す会社もあります。経営方針の5本柱のひとつに「M&Aによる成長」を掲げ、「当社と補完関係があるリユース企業などグループ内でシナジーが発揮できる企業のM&Aを積極的に実行する」としています。
株式会社トレジャー・ファクトリーが公表した適時開示5件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都千代田区
- 設立
- ―
- 事業内容
- 総合リユースショップ「トレジャーファクトリー」、服飾専門「トレファクスタイル」などを展開するリユース事業が中心。ほかにレンタル事業など
- 売上高
- 485億9,700万円(2026年2月期(連結))
- 営業利益
- 47億7,700万円
- 純資産
- 129億円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 総合リユースショップ・質/ブランド古着・服飾雑貨のリユース/ゴルフ用品のリユース/ファッションリユースのEC/ドレスレンタル
- 対象の規模
- 対象の売上 0.29億円〜29.8億円(事業だけを買った案件を含む)
- 手法
- 株式譲渡(100%取得による子会社化)が中心。店舗・サイト・物流拠点だけを引き取る事業譲受も使う
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 買った会社の屋号はそのまま残し、グループの業態として出店を続けるのが基本です。2026年2月期の決算短信には「カインドオル」40店、「ピックアップジャパン」14店、「ゴルフキッズ」13店、「ブランドコレクト」9店が業態として並んでいます。一方で、取得と同時に買い手側の役員が代表取締役に就く形が続いており(カインドオル、ゴルフキッズ)、経営は買い手側に移ります。
- 株式を買った案件の取得価額は、すべて非開示です。理由は毎回「株式取得の相手方との守秘義務契約」。算定方法は「デュー・ディリジェンス結果に基づき、相手先との協議の上で決定」と書かれています
- 金額が出ているのは事業譲受の1件だけです。Empty Dressy事業を4,800万円で譲り受け、引き継いだ資産は営業権(のれん)4,800万円のみでした
- 屋号が残り、店舗が増えている例があります。ブランドコレクトは譲受時の店舗1店から9店に、カインドオルは35店から40店に、ピックアップジャパンは12店から14店になっています(いずれも決算短信の業態別店舗数。FC店を含む)
- 取締役会で決議したその日に株式譲渡まで実行した案件があります(ピックアップジャパン)。決議から実行まで1か月以内の案件が多く、手続きは早い会社です
買収の履歴5件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
エンプティ株式会社の「Empty Dressy」事業
無人店舗型ドレスレンタルサービス/東京都渋谷区/譲渡会社は2017年10月設立設立
- 取得価額
- 4,800万円
- 対象の売上
- 2,900万円
- 対象の営業利益
- 1,300万円
- 対象の純資産
- ―
決算期:直前事業年度/譲渡前の株主:エンプティ株式会社(大株主は開示で省略)/48百万円(税抜)。現金決済。承継する資産は営業権48百万円のみで、承継する負債はなし。直前事業年度の調整後営業利益13百万円に対して約3.7倍/対象事業のみの数値。営業利益は開示上「調整後営業利益」
買収理由:レンタル事業(Cariru)とのシナジーによる新サービス展開と、無人店舗型モデルのノウハウ構築
売上2,900万円・調整後営業利益1,300万円という小さな事業です。値段は4,800万円で、その全額が営業権(のれん)でした。在庫や設備ではなく、仕組みとノウハウそのものに値段がついています。譲渡会社の純資産は1,800万円で、それを大きく上回る金額です。会社ごとでなく、1つの事業だけでも上場企業に売れます。適時開示の基準に満たない案件を、任意で開示しています。
株式会社ピックアップジャパン
総合リユースショップ・質の運営、ブランド・貴金属専門リユースショップ、時計・ジュエリーの修理(静岡県内に直営12店)/静岡県磐田市/1961年4月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 19億100万円
- 対象の営業利益
- 200万円
- 対象の純資産
- 5億7,900万円
決算期:2020年3月期/譲渡前の株主:個人1名(青島 克樹、代表取締役)が100%保有/非開示(相手方との守秘義務契約による)。当社および第三者のデュー・ディリジェンス結果に基づき協議で決定
買収理由:静岡県で12店舗を展開し知名度の高いリユース企業を取り込み、静岡県エリアで事業を拡大する
創業1961年、売上19億円・純資産5億7,900万円。ただし営業利益は207万円で、利益率は0.1%しかありません。3期の営業利益は2,463万円の赤字→4,547万円→207万円と振れていました。それでも、地域での知名度、良い立地の大型店、質という別の事業のノウハウが評価されています。利益が薄くても、地域での看板と店舗網があれば買い手はつきます。社長が株式を100%持つオーナー会社で、買い手からは取締役4名が入りました。
2026年2月期の決算短信に業態「ピックアップジャパン」として14店(取得時は12店)が載っており、屋号は残っています。法人として存続しているかは、手元の開示では確認できていません。
株式会社ゴルフキッズ
ゴルフ用品の買取販売(関東・関西を中心に直営1店、FC20店)/埼玉県越谷市/1997年1月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 2億1,900万円
- 対象の営業利益
- 900万円
- 対象の純資産
- 8,400万円
決算期:2017年6月期/譲渡前の株主:法人4社(クリンテック、ヴィンテージ、アール・ジー・ケー、テイ・アール・イー)が各15.625%、残り37.5%は自己株式/非開示(相手方との守秘義務契約による)。当社のデュー・ディリジェンス結果に基づき協議で決定
買収理由:ゴルフ用品のノウハウを取り込み、総合リユース店やスポーツ・アウトドア専門店でもゴルフ用品の買取・販売を強化する
売上2億1,900万円・営業利益941万円・純資産8,400万円。3期続けて売上が下がっている局面での譲渡でした(2億7,800万円→2億5,000万円→2億1,900万円)。直営1店・FC20店という、FC中心の小さな本部です。それでも20年以上の業歴とゴルフ用品の査定ノウハウが評価されました。株主が法人4社に分かれていても、全株を一度にまとめて譲渡できています。取得日に代表者は買い手の専務取締役に交代しています。
2018年3月15日に取得完了。2026年2月期の決算短信に業態「ゴルフキッズ」として13店が載っており、屋号は残っています。法人として存続しているかは、手元の開示では確認できていません。
株式会社カインドオル
ブランド古着・バッグ・時計・宝飾品の買取販売(直営22店、FC13店)/滋賀県大津市(取得完了日に大阪府大阪市へ移転)/1993年2月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 29億7,900万円
- 対象の営業利益
- 8,000万円
- 対象の純資産
- 5億5,000万円
決算期:2015年8月期/譲渡前の株主:個人2名が100%保有(氏名は非公開)/非開示(相手方との守秘義務契約による)。当社および第三者のデュー・ディリジェンス結果に基づき協議で決定。「取得価額は第三者による簡易価値算定報告書の評価範囲内に収束」と開示
買収理由:ブランド古着で高い認知度とノウハウを持つ会社を迎え、ブランド古着市場での成長を加速する
売上29億7,900万円・営業利益8,009万円・純資産5億5,000万円。この会社の案件でいちばん大きな買収です。営業利益は5,070万円→4,373万円→8,009万円と、直前期に伸ばしたところでの譲渡でした。ブランド古着の査定力とECの売買チャネル、関西と東京の35店が評価されています。屋号「kindal」はそのまま残り、2026年2月期には40店になっています。取得完了日に本店を移し、代表取締役には買い手の社長が就いています。
2016年9月14日に取得完了。2026年2月期の決算短信に業態「カインドオル」として40店が載っており、屋号は残っています。法人として存続しているかは、手元の開示では確認できていません。
ファーストザウェーブ株式会社の「ブランドコレクト」事業
ファッション品のリユース(ウェブサイト、フルフィルメントセンター1拠点、原宿の店舗1店)/東京都港区/譲渡会社は1996年10月設立設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:非開示/譲渡前の株主:ファーストザウェーブ株式会社(並行輸入やコスメ・サプリメントの企画販売も営む事業会社)/非開示(金額の記載なし)
買収理由:インターネット上のファッションリユースに強い事業を取り込み、ウェブ販売とファッションカテゴリーを強化する
売り手の会社は並行輸入やコスメの事業も持っており、リユースの1事業だけを切り出して譲っています。業績や金額は開示されていません。譲受時は原宿の1店だけでしたが、2026年2月期には「ブランドコレクト」業態として9店に増えています。小さな事業でも、ブランドとして伸ばしてもらえる買い手に渡った例です。
2026年2月期の決算短信に業態「ブランドコレクト」として9店が載っており、事業として続いています(買い手本体の業態として運営)。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- エンプティ株式会社の「Empty Dressy」事業4,800万円(売上の1.66倍・営業利益の3.7倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社トレジャー・ファクトリーが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日