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株式会社マネーフォワードのM&A実績

自社のクラウドサービスとつながる会社や事業を、継続して買っている会社です。対象の多くは創業から数年のIT・SaaS企業で、赤字の会社も含まれます。売り手は創業者個人のほか、ベンチャーキャピタル、ビジョナルやソニーグループのような事業会社まで幅があります。保険代理店のように、ITではない会社を買った例もあります。

株式会社マネーフォワードが公表した適時開示8件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都港区
設立
2012年5月
事業内容
バックオフィス向けクラウド『マネーフォワード クラウド』と、家計簿・資産管理アプリ『マネーフォワード ME』を中心にしたプラットフォームサービス
売上高
503億4,900万円(2025年11月期(連結))
営業利益
△26億5,300万円
純資産
558億6,500万円

どんな会社を買っているか

買う業種
経理・会計まわりのクラウドサービス(記帳、入金消込)/人事労務・勤怠管理のクラウドサービス/取締役会など会議運営のクラウドサービス/SaaS比較・BtoBマーケティングのメディア/保険代理店・ファイナンシャルプランニング
対象の規模
対象の売上 0.89億円〜11.68億円(事業だけを買った案件は5.42億円)
手法
株式譲渡(子会社化)が中心。子会社が買い手になる孫会社化、株式交換で残りの株式を取得する形、会社分割で事業だけを引き取る形も使う
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
開示文には毎回「現経営陣は引き続き経営に関与する」と書かれ、創業者を残して買うのが基本です。一方で、買った会社を数年後に手放すこともあります。2025年には保険代理店のNext Solution、SaaS比較メディアのスマートキャンプとビズヒントを相次いで譲渡しています。
  • 取得価額を開示する案件が多い会社です。8件のうち5件で金額が出ています(8億円〜41.8億円)
  • 算定方法は毎回「第三者によるDCF法の評価結果等を基に当社で精査」と明記されています。将来の利益計画で値段を決める会社です
  • 赤字の会社を、売上の何倍もの値段で買っています。クラビスは売上1億円・営業赤字で8億円、スマートキャンプは営業赤字のまま72.3%を約20億円で取得しました
  • スマートキャンプの創業者には、受け取った代金でマネーフォワード株を約5億円分買うという条件が付いていました。売却後も買い手側の株主として関わる形です

買収の履歴8件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年2月13日吸収分割(マネーフォワード本体が事業を承継)。対価は金銭

ソニービズネットワークス株式会社の勤怠管理システム事業ほか

クラウド型勤怠管理システム『AKASHI』、総務・人事向けオウンドメディア『somu-lier』/東京都渋谷区/分割会社は2012年7月設立設立

取得価額
41億8,000万円
対象の売上
5億4,200万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2025年3月期(承継事業)/譲渡前の株主:ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が100%保有する子会社(ソニービズネットワークス)から事業のみを取得/分割対価として41.8億円の金銭を交付。分割会社から提示された事業計画に当社が修正を加え、DCF法で算定。クロスセルや運営体制の統合によるシナジーを織り込んだと明記/承継する事業部門の売上高(2024年4月〜2025年3月)。分割会社全体の業績は相手先の意向で非開示

買収理由:HR領域で中堅企業向けのプロダクトを拡充する。併せて販売・技術面の提携も結ぶ

事業の売上5億4,200万円に対して41.8億円、売上の約7.7倍です。承継する資産の帳簿価額は2億3,100万円でした。値段の根拠は「シナジーを織り込んだ将来の事業予測」と書かれており、帳簿上の資産ではなく、買い手の既存顧客に売り込める見込みに値段がついています。大企業グループの中の一事業でも、事業だけを切り出して売れる例です。

買収後不明2026年10月12日時点

効力発生日は2026年3月31日(予定)と開示されています。事業はマネーフォワード本体が直接引き継ぐ形で、独立した法人としては残りません。実行を確認できる後続開示は手元にありません。

確認元:ソニービズネットワークス株式会社との会社分割(吸収分割)による事業の承継及び戦略的業務提携に関するお知らせ

出典:ソニービズネットワークス株式会社との会社分割(吸収分割)による事業の承継及び戦略的業務提携に関するお知らせ

2025年11月21日株式譲渡(子会社マネーフォワードクラウド経営管理コンサルティングが取得=孫会社化)

ミチビク株式会社

取締役会など重要会議に特化したクラウドサービス『michibiku』の開発/東京都中央区/2021年4月設立

取得価額
―
対象の売上
8,900万円
対象の営業利益
△2億2,700万円
対象の純資産
6,500万円

決算期:2025年3月期/譲渡前の株主:中村竜典(代表取締役CEO)46.3%ほか。その他の株主は相手先の要望で非開示/相手側の意向により非開示。「当社連結純資産の15%以下」。直前期(2024年11月期)の連結純資産446億7,500万円の15%=約67億円以下と読める

買収理由:『マネーフォワード クラウド』との連携と、買い手の顧客基盤を使った『michibiku』の顧客拡大

売上8,900万円に対し営業損失2億2,700万円。売上は1,300万円→3,800万円→8,900万円と伸びていましたが、赤字は毎年広がっていました。設立4年半、まだ赤字のスタートアップでも、買い手の製品と組み合わせられれば買われます。完全子会社化後も現経営陣が経営に残ると明記されています。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年11月期決算短信で、期中に新たに連結子会社となった会社としてミチビク株式会社が挙げられています。

確認元:2025年11月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:ミチビク株式会社の全株式の取得に関するお知らせ

2023年10月31日株式譲渡(子会社スマートキャンプが取得=孫会社化)

株式会社ビズヒント

クラウド活用と生産性向上の専門サイト『BizHint』の運営(会員55万人以上、成果報酬型のリード獲得・決裁者向け広告)/東京都渋谷区/2022年8月設立

取得価額
―
対象の売上
11億6,800万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2023年7月期/譲渡前の株主:ビジョナル株式会社(上場企業)が100%保有/相手方との取り決めにより非開示。第三者のDCF法評価等を基に合意。「直近事業年度末の連単純資産の15%未満」

買収理由:SaaS比較サイト『BOXIL SaaS』との組み合わせで、IT・SaaSを導入したい企業と提供企業のマッチングを強める

売上11億6,800万円・経常利益1億5,900万円。売り手はビズリーチを運営するビジョナルです。2016年に始めたサイトを2022年に別会社に切り出し、翌年に売っています。事業を先に別会社にしておくと、事業単位で売りやすくなるという流れが見えます。純資産と営業利益は取り決めにより非開示でした。

買収後再売却2026年10月12日時点

親会社のスマートキャンプごと、2025年11月4日付でエムキャップ二十一号株式会社へ譲渡されました。譲渡直前の2024年11月期は売上13億3,400万円・営業利益4億7,600万円・純資産4億9,700万円でした。

確認元:連結子会社の異動(株式譲渡)および特別利益の計上見込みに関するお知らせ

出典:連結子会社による株式会社ビズヒントの株式の取得(孫会社化)に関するお知らせ

2022年4月13日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社Next Solution

乗合保険代理店(生命保険・損害保険の募集)、ファイナンシャルコンサルティング。全国7拠点、保険募集人約50名/東京都千代田区/2014年7月設立

取得価額
―
対象の売上
5億3,800万円
対象の営業利益
4,200万円
対象の純資産
1億2,200万円

決算期:2021年6月期/譲渡前の株主:個人1名(小勝 通光)が100%保有/相手側の意向により非開示。第三者のDCF法評価等を基に当社で精査して合意

買収理由:FP相談サービス『マネーフォワード お金の相談』との連携と、オンライン・オフライン併用のサービス提供

売上5億3,800万円・営業利益4,200万円・純資産1億2,200万円。資本金100万円、社長が100%持つ保険代理店です。営業利益は2,800万円→370万円→4,200万円と波がありました。買収の前から「マネーフォワード ME」を顧客に勧めていたと書かれており、取引のある会社が買い手になった例です。ただし約3年後に再び売られています(outcome参照)。

買収後再売却2026年10月12日時点

2025年3月31日付でマネーフォワードが保有株式を譲渡し、連結から外れました(2025年11月期決算短信)。譲渡先は手元の開示では確認できません。

確認元:2025年11月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社Next Solutionの株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ

2021年11月30日株式譲渡(完全子会社化)。新株予約権も含めて取得

HiTTO株式会社

人事労務向けAIチャットボット『HiTTO』の開発・提供/東京都千代田区/2006年3月(HiTTO事業の開始は2017年)設立

取得価額
19億9,900万円
対象の売上
3億3,200万円
対象の営業利益
11万円
対象の純資産
3,400万円

決算期:2021年2月期/譲渡前の株主:株式会社ジェーエムエーシステムズ22.9%、五十嵐智博15.1%、木村彰人12.0%、投資ファンド2本(計21.5%)ほか/新株予約権を含む。第三者のDCF法評価等を基に当社で精査して合意/会社全体の売上高。うちHiTTO事業は318百万円

買収理由:人事労務の問い合わせ対応を自動化し、自社の人事労務プロダクトとデータ連携する

売上3億3,200万円、営業利益11万円、純資産3,400万円で約20億円、売上の約6倍です。2019〜2020年に受託開発などほかの事業を切り離し、売上は9億円台から3億円台に減りましたが、伸びているHiTTO事業(1億7,800万円→3億1,800万円)だけの会社になっていました。事業を絞り込み、伸びている部分を見せられる形にしてから売った例です。株主が分散していたため、代表が先に既存株主から株を集め、共同代表2名から一括で譲渡しています。

買収後不明2026年10月12日時点

手元の後続開示に合併・譲渡の記載はなく、2025年11月期決算短信の連結範囲の変更にも名前はありません。グループ会社一覧では未確認です。

確認元:2025年11月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:HiTTO株式会社の株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ

2020年7月31日株式譲渡で12.3%→77.8%に追加取得(子会社化)。残りは2020年10月に簡易株式交換で取得し完全子会社化

株式会社アール・アンド・エー・シー

入金消込・債権管理システム『Victory-ONE』『V-ONEクラウド』の開発・販売/東京都中央区/2004年11月設立

取得価額
13億2,500万円
対象の売上
3億8,200万円
対象の営業利益
700万円
対象の純資産
3億6,300万円

決算期:2019年9月期/譲渡前の株主:高山知泰27.2%、高山宗一郎24.7%、株式会社ラクス12.3%、マネーフォワード12.3%ほか(ICSパートナーズ、さくらケーシーエス、投資ファンド、個人2名)/追加取得した65.4%分の価額。1株250万円で、続く株式交換も同じ1株250万円(DCF法の算定レンジ241.8万〜268.4万円)。全810株の100%換算で約20億2,500万円。残りの株主にはマネーフォワード株を交付

買収理由:中堅企業向けプロダクトの強化と、買い手の顧客基盤を使った『V-ONEクラウド』の利用者拡大

売上3億8,200万円・営業利益700万円・純資産3億6,300万円。利益はほとんど出ていませんが、100%換算で約20億円、売上の約5倍です。算定の前提に「売上が累積する特性から大幅な増益を見込む」とあり、継続課金の売上は今の利益より高く評価されることが読み取れます。もともと12.3%を出資していた会社で、出資→子会社化→完全子会社化と段階を踏んで買われました。最後の段階では現金ではなく買い手の株式が渡されています。

買収後不明2026年10月12日時点

2020年10月12日を効力発生日とする株式交換で完全子会社になると開示されています。その後の合併・譲渡の記載は手元の開示になく、グループ会社一覧では未確認です。

確認元:簡易株式交換による株式会社アール・アンド・エー・シーの完全子会社化に関するお知らせ

出典:株式会社アール・アンド・エー・シーの株式の追加取得(子会社化)及び特別利益(段階取得に係る差益)の計上に関するお知らせ

2019年11月11日株式譲渡で72.3%を取得(子会社化)。2020年1月に残りを追加取得し完全子会社化

スマートキャンプ株式会社

SaaS比較・リード獲得メディア『BOXIL』、インサイドセールス代行『BALES』などの運営/東京都港区/2014年6月設立

取得価額
19億9,800万円
対象の売上
5億9,700万円
対象の営業利益
△1億300万円
対象の純資産
8,900万円

決算期:2019年3月期/譲渡前の株主:古橋智史(創業者)31.0%、テクノロジーベンチャーズ4号15.7%、AT-I投資事業有限責任組合14.5%、ソラシード・スタートアップス12.9%ほか/72.3%分、新株予約権を含む。2020年1月に残り27.7%を1,384百万円(新株予約権含む)で追加取得しており、100%の取得額は合計3,382百万円。いずれも第三者のDCF法評価等を基に合意

買収理由:マーケティングノウハウを使って自社クラウドの新規顧客獲得を加速し、BOXILなどの利用者も広げる

売上5億9,700万円に対し営業損失1億300万円、純資産は3億2,500万円→8,900万円と減っていた時期です。それでも100%で約34億円、売上の5倍超がつきました。売上が7,400万円→2億7,000万円→5億9,700万円と急増していた点が評価の中心です。創業者には、受け取った代金でマネーフォワード株を約5億円分買うという条件が付いています。

買収後再売却2026年10月12日時点

2025年11月4日付で全株式をエムキャップ二十一号株式会社へ譲渡。譲渡直前の2024年11月期(連結)は売上40億4,400万円・営業利益3億6,700万円まで伸びており、マネーフォワードは約63億円の特別利益を見込むと開示しています。

確認元:連結子会社の異動(株式譲渡)および特別利益の計上見込みに関するお知らせ

出典:スマートキャンプ株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2017年11月2日株式譲渡(完全子会社化)。発行済の新株予約権も全部取得

株式会社クラビス

自動記帳クラウド『STREAMED』の開発(領収書・請求書をスキャンして会計データに変換)/東京都新宿区/2012年12月設立

取得価額
8億円
対象の売上
1億円
対象の営業利益
△2,700万円
対象の純資産
8,600万円

決算期:2017年6月期/譲渡前の株主:菅藤達也(代表)39.98%、辻・本郷税理士法人11.17%、横井朗8.22%ほか個人6名、ベンチャーキャピタル等5社/発行済の全ての新株予約権を含む/消費税等を含む

買収理由:自社の会計クラウドと『STREAMED』を連携し、会計事務所や事業会社の記帳業務を効率化する

売上1億円、営業損失2,700万円で8億円、売上の8倍です。3期とも営業赤字でしたが、売上は300万円→2,000万円→1億円と伸びていました。株主に税理士法人が入っており、会計事務所という使い手との接点を持っていたことも特徴です。現経営陣は買収後も経営に残ると明記されています。

買収後不明2026年10月12日時点

2025年11月期決算短信で、期中に連結範囲から除外された会社としてクラビスが挙げられていますが、合併か譲渡かは書かれていません。同じ短信で『STREAMED』は引き続き自社サービスとしてSaaS ARRに含まれています。

確認元:2025年11月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社クラビスの全株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された5件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • ソニービズネットワークス株式会社の勤怠管理システム事業ほか41億8,000万円(売上の7.71倍)
  • HiTTO株式会社19億9,900万円(売上の6.02倍・営業利益の17535.1倍)
  • 株式会社アール・アンド・エー・シー13億2,500万円(売上の3.47倍・営業利益の189.3倍)
  • スマートキャンプ株式会社19億9,800万円(売上の3.35倍)※営業赤字での譲渡
  • 株式会社クラビス8億円(売上の8.00倍)※営業赤字での譲渡

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社マネーフォワードが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日