5572東証グロース

株式会社Ridge-iのM&A実績

AI開発の会社が、M&Aを「成長戦略の一つ」と位置づけて買っています。開示資料で示した方針は2本立てで、①AIと相性がよく伸びている業界の会社、②開発体制を補うシステム開発会社です。実績は2件で、どちらも創業者・社長個人から買い、取得価額まで開示しています。

株式会社Ridge-iが公表した適時開示2件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都千代田区
設立
―
事業内容
企業ごとにAIを設計・開発・実装する「カスタムAIソリューション事業」(AIの受託開発とコンサルティング)
売上高
29億9,300万円(2026年7月期(連結))
営業利益
5億4,700万円
純資産
37億2,000万円

どんな会社を買っているか

買う業種
デジタルマーケティング・音楽(広告制作、楽曲の原盤・著作権)/独立系システム開発(金融系・業務系システム、常駐型エンジニア)
対象の規模
対象の売上 9.9億円〜19.0億円
手法
株式譲渡。全株を買う形と、過半数だけ買って創業者に残りを持ってもらう形の両方がある。資産管理会社ごと買って、その下の事業会社を孫会社にする形も使う
赤字でも買うか
黒字の会社のみ
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残しています。ただし、2024年に過半数を買ったスターミュージック・エンタテインメントは、約2年後の2026年7月に、Ridge-iの大株主であるSBIホールディングスへ保有株を全部売っています。理由は「カスタムAI事業にマネジメントとAI人材を集中させるため」と説明されています。
  • 2件とも取得価額が開示されています。スターミュージックは53.77%で7億100万円、SKコラボレーション(創研情報の親会社)は100%で2億円
  • 一度買った会社を2年で手放した実績があります。グループに入った後も、買い手の方針が変われば売り先が変わることがあり得る、という例です。創業者は33%の株を持ったまま残っていました
  • 次の買収先として、開示資料は「開発体制補強のためのシステム開発会社」を挙げています。2026年の創研情報はこの方針どおりの案件です

買収の履歴2件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年5月18日株式譲渡(SKコラボレーションを子会社化し、創研情報は孫会社化)

SKコラボレーション株式会社(創研情報株式会社の親会社)

独立系システム開発(金融系・業務系システムの要件定義から開発・保守まで)。SKコラボレーションは事業を行わない資産管理会社/東京都港区/SKコラボレーションは2019年2月、創研情報は1981年9月設立

取得価額
2億円
対象の売上
9億9,600万円
対象の営業利益
4,600万円
対象の純資産
4億500万円

決算期:2025年8月期(単純合算)/譲渡前の株主:個人1名(阪本 浩朗)がSKコラボレーションを100%保有し、SKコラボレーションが創研情報を100%保有/SKコラボレーション株式100%の取得価額。アドバイザリー費用等10百万円(概算)を加えた合計は210百万円。決算短信では、連結時に対象側が持っていた現金及び現金同等物が約171百万円あり、取得のための支出(純額)は約29百万円だったと開示されています。創研情報単体の営業利益27百万円に対して約7.4倍、SKコラボレーション単体の純資産165百万円に対して約1.2倍/SKコラボレーションと創研情報を単純合算した数値(内部取引の相殺消去なし)。創研情報単体は2025年6月期に売上975百万円・営業利益27百万円・純資産240百万円

買収理由:AIを企業の業務システムに組み込む案件(AX)が増えており、顧客先に常駐して業務とシステムの両方が分かるエンジニアを確保するため

1981年設立、従業員80名(うちPM約10名、常駐型エンジニア約60名)の独立系システム開発会社です。売上は8億7,800万円→8億9,900万円→9億7,500万円、営業利益は300万円→600万円→2,700万円と、利益は薄いものの伸ばしている局面での譲渡でした。評価されたのは利益よりも、顧客先に常駐できるエンジニアの人数です。また社長は事業会社の上に資産管理会社(SKコラボレーション)を置いており、買い手はその資産管理会社ごと買っています。資産管理会社を作っていても、そのままの形で売れる例です。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年7月期の決算短信で、SKコラボレーションと創研情報が新たに連結子会社になったことが記載され、2027年7月期も創研情報が通年で連結対象に加わると書かれています。

確認元:2026年7月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:SKコラボレーション株式会社の株式の取得(子会社化)及び創研情報株式会社の孫会社化に関するお知らせ

2024年6月6日株式譲渡(53.77%を取得して子会社化)。2025年5月に14万株を追加取得して66.98%に

株式会社スターミュージック・エンタテインメント

ソーシャルメディアマーケティング(ショート動画の広告制作・プランニング)と音楽事業(原盤配信、楽曲の著作権)/東京都渋谷区/2011年4月設立

取得価額
7億100万円
対象の売上
18億9,800万円
対象の営業利益
1億3,300万円
対象の純資産
6億500万円

決算期:2024年3月期/譲渡前の株主:渡邊 祐平(社長)94.34%、社員等の個人株主5名5.66%/発行済株式の53.77%(570,000株)の取得価額。アドバイザリー費用等10百万円(概算)を加えた合計は712百万円。100%に換算すると約13億円で、2024年3月期の営業利益133百万円の約9.8倍、純資産605百万円の約2.2倍。追加取得分(2025年5月)の価額は手元の開示にはありません

買収理由:広告・マーケティングと音楽の業界知見を取り込み、AIを組み合わせた広告制作・配信の新サービスとクリエイター向けAIプラットフォームを展開するため

売上18億9,800万円・営業利益1億3,300万円・純資産6億500万円。営業利益は2億2,600万円→1億3,300万円と前期より減った年の譲渡でしたが、100%換算で営業利益の約10倍の値段がついています。楽曲の原盤や著作権のように、持っているだけで収入が積み上がる資産があったことが評価の理由に挙がっています。社長は全部を売らず、約3分の1の株を持ったまま残りました。ただしRidge-iはその約2年後に保有株を全部SBIホールディングスへ売っており、一部を残して売った場合、親会社が替わる可能性もあることが分かる案件です。

買収後再売却2026年10月12日時点

2026年7月16日、Ridge-iは保有する66.98%(710,000株)の全部をSBIホールディングスへ9億2,100万円で譲渡し、連結子会社から外れました。譲渡されたのはRidge-iの保有分で、社長の渡邊祐平氏が持つ33.02%の扱いについては記載がありません。

確認元:(開示事項の経過)連結子会社の異動(株式譲渡)完了に関するお知らせ

出典:株式会社スターミュージック・エンタテインメントの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • SKコラボレーション株式会社(創研情報株式会社の親会社)2億円(売上の0.20倍・営業利益の4.3倍)
  • 株式会社スターミュージック・エンタテインメント7億100万円(売上の0.37倍・営業利益の5.3倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社Ridge-iが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日