株式会社レダックスのM&A実績
中古車の買取・販売を本業に、業績や財務が傷んだ会社を引き受ける形の買収が目立つ会社です。民事再生中の販売店、債務超過の整備工場、借入金を抱えた老舗ギフト会社と、いずれも「そのままでは続けにくい」状態の会社を、借入や欠損を切り離したうえで引き取っています。売り手は個人オーナーが中心です。
株式会社レダックスが公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都千代田区
- 設立
- ―
- 事業内容
- 中古車買取・販売のカーチスを中核に、中古車輸出、自動車整備、物販・ギフトなどを手がける持株会社(2024年9月にカーチスホールディングスから商号変更)
- 売上高
- 198億4,600万円(2026年3月期(連結・訂正後))
- 営業利益
- △1億2,100万円
- 純資産
- 49億8,900万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 自動車の販売・整備/中古車輸出/ギフト・贈答品の販売(フランチャイズ本部)
- 対象の規模
- 対象の売上 0.68億円〜51億円
- 手法
- 株式譲渡が中心。民事再生では100%減資のうえで第三者割当増資を全額引き受ける形、ギフト会社では金融機関借入金を残して事業だけを新会社へ移す「第二会社方式」を使っている
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 買った会社は社名のまま子会社として残すのが基本です。2026年3月期の決算短信では、2014年に取得したアガスタと2024年に取得した新興自動車が、いずれも子会社として事業を続けていると書かれています。
- 取得価額を開示する会社です。ここに載せた4件はすべて金額が出ています
- 価格は純資産に寄せて決めている形跡があります。新興自動車は不動産の時価評価と社長の土地の現物出資で整えた純資産4,312万円とほぼ同額、ハリカは承継する純資産約9億3,600万円に対して6億7,000万円でした
- 財務が傷んだ会社の場合、会社をそのまま買うのではなく、借入金や欠損を切り離してから引き取ります。売り手側で先に整理が必要になる、ということでもあります
買収の履歴4件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社ハリカ(事業承継会社)
ギフトチェーンの統括本部、直営ギフト店の運営、贈答品・記念品の企画卸、酒類の小売・卸(直営・FC約100店舗、取引事業者約450社)/東京都練馬区(承継元は東京都板橋区)/承継元は1961年9月設立(創業1945年)。承継会社は2026年7月設立設立
- 取得価額
- 6億7,000万円
- 対象の売上
- 51億100万円
- 対象の営業利益
- △1,300万円
- 対象の純資産
- 9億3,600万円
決算期:2025年12月期(承継事業)/譲渡前の株主:原口昭子(代表取締役)71%ほか/株式取得価額670百万円。承継予定の純資産約936百万円を下回り、差額約266百万円は負ののれん発生益(特別利益)になる見込みと開示/売上・営業利益は承継される事業の2025年12月期の数値。純資産は承継会社が引き継ぐ予定の概算(2026年2月末基準、財務DDの修正と不動産査定額を反映)で、承継元ハリカ社全体の純資産は1,370百万円
買収理由:80年続くギフトブランドと全国の店舗網・法人取引先を承継し、グループの販売網・物流・広告機能と組み合わせる
売上51億100万円に対し、営業利益は7,100万円→5,300万円→営業損失1,300万円と落ちていました。後継者問題と有利子負債を抱え、抜本的な改革の手続きが進められていた会社です。借入金は旧会社に残し、事業と不動産だけを新会社に移して売る形で、価格は引き継ぐ純資産の約7割でした。売上50億円規模の老舗でも、赤字と借入が重なると純資産を下回る値段になることが読み取れます。一方で、ブランドと店舗網は残る形になっています。
株式譲渡契約は2026年10月31日、会社分割の効力発生は2027年1月1日、株式取得は2027年1月5日の予定と開示されています。承継元の旧ハリカは分割後に商号を変更する予定です。
新興自動車株式会社
自動車整備指定工場(車検整備・一般整備)、自動車の販売・レンタル/千葉県千葉市/1963年1月設立
- 取得価額
- 4,313万円
- 対象の売上
- 6,770万円
- 対象の営業利益
- △7万円
- 対象の純資産
- △1億2,690万円
決算期:2023年8月期/譲渡前の株主:個人1名(志伊良 正和)が100%保有/43,126,330円(1株2,041円)。不動産の時価評価と社長所有の本社敷地の現物出資を反映した純資産43,126,829円とほぼ同額
買収理由:千葉市の地元密着の整備工場を取り込み、カーチスの千葉の販売拠点と顧客層をつなぐ
創業61年の整備工場。売上6,800万円前後、純資産はマイナス1億2,700万円の債務超過が3期続いていました。そこで、会社の不動産を時価に引き直し、社長個人の本社敷地を会社に現物出資して純資産を4,300万円のプラスに整え、その額とほぼ同じ値段で譲渡しています。土地を社長個人が持っている会社は、それを会社に入れることで債務超過を解消して売れる、という実例です。2024年8月期の速報値では営業利益300万円と黒字でした。
2026年3月期の決算短信で、自動車流通事業の子会社として営業黒字を確保したと社名入りで記載されています。
株式会社アガスタ
自動車・中古自動車の売買と輸出/東京都渋谷区/1997年6月設立
- 取得価額
- 2億7,000万円
- 対象の売上
- 24億6,300万円
- 対象の営業利益
- 2,680万円
- 対象の純資産
- 5億600万円
決算期:2013年9月期/譲渡前の株主:株式会社ウェブクルー(上場企業)が保有/50%分の取得金額270百万円。2014年11月の第三者割当増資の引受150百万円は会社への払込みで、売り手への対価ではない
買収理由:買い取った車両の販売先として中古車輸出を広げる。アガスタ側は国内での仕入れの多様化とコスト削減
売上24億6,300万円・営業利益2,700万円・純資産5億600万円。売り手は資本業務提携先の上場企業で、まず半分だけ買って共同経営し、4か月後に過半数へ進めています。取引関係のある相手と段階的に資本を入れていく進め方の例です。子会社化の時点で売上は36億1,600万円まで伸びていました。
2026年3月期の決算短信で、アジア・オセアニア・アフリカ向けの輸出取引を手がける子会社として社名入りで記載されています。
株式会社アーバン
自動車の販売、修理・整備、損害保険代理店/福岡県柳川市/2002年5月設立
- 取得価額
- 1,000万円
- 対象の売上
- 4億7,380万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2013年4月期/譲渡前の株主:非開示(既存株式は100%減資で全て消却)/第三者割当増資の引受額10百万円(1株)。既存株主の株式は消却されており、旧株主への対価はない
買収理由:手薄だった九州地域の店舗網を広げる足がかり
最盛期は売上12億円まで伸びた販売店が、新店の失敗で生じた債務が重荷となり民事再生を申請し、スポンサーとして支援を要請した案件です。既存株式はすべて消却され、株主の手元には何も残っていません。売上4億7,400万円・従業員7名の会社に対し、払込みは1,000万円でした。行き詰まってからの譲渡では、事業は残っても株主には対価が出ないことがはっきり分かる例です。
開示では株式会社カーチス九州販売への社名変更を予定としていましたが、その後の開示や2026年3月期の決算短信では社名を確認できていません。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された4件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社ハリカ(事業承継会社)6億7,000万円(売上の0.13倍)※営業赤字での譲渡
- 新興自動車株式会社4,313万円(売上の0.64倍)※営業赤字での譲渡
- 株式会社アガスタ2億7,000万円(売上の0.11倍・営業利益の10.1倍)
- 株式会社アーバン1,000万円(売上の0.02倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社レダックスが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日