株式会社トーアミのM&A実績
資材メーカーが型枠工事の会社を中心に、工事会社を地域ごとに買い足している会社です。2021年の渡部建設(静岡)を皮切りに、福岡の中條工務店、横浜のアラキヂ工務店、土木・舗装のエアード、埼玉の資材販売・工事のテクノと続いています。中期経営計画で「資材・工事の融合」を掲げ、自社の資材とグループの施工力をまとめて提供する形を目指しています。売り手は投資ファンドのこともあれば、創業家の2人ということもあります。
株式会社トーアミが公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 大阪府四條畷市
- 設立
- ―
- 事業内容
- 溶接金網・鉄筋加工品・メッシュフェンスなど土木建築用資材の製造販売と、子会社による型枠・土木・舗装工事
- 売上高
- 183億9,100万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- 2億1,600万円
- 純資産
- 110億7,000万円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 型枠工事/土木・舗装工事/建設資材の販売・卸と工事請負
- 対象の規模
- 対象の売上 4.4億円〜23億円
- 手法
- 株式譲渡(子会社化)。当社が99%、子会社の渡部建設が1%を取得してグループで100%にする形を毎回使う。ファンドが持株会社経由で保有していた会社は、持株会社ごと買ってから合併で整理
- 赤字でも買うか
- 買っている(実績あり)
- 買収後の扱い
- 買った工事会社は社名のまま子会社として残しています。2026年3月期の決算短信でも、渡部建設・中條工務店・エアードが社名のまま連結子会社として並んでいます。
- 取得価額を開示することがあります。中條工務店は当初非開示でしたが、後から訂正開示で13億6,050万円(手数料6,050万円込み)と公表しました。テクノは最初から9億5,000万円と開示しています
- 取得先が「買う会社の主要取引先」だった例があります。テクノはもともと継続的な取引関係のある相手でした
- 営業赤字が2期続いた会社も買っています。中條工務店は営業損失の状態で、ファンドから譲り受けています
買収の履歴4件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社テクノ
溶接金網、ユニット・システム鉄筋、スペーサー、断熱材などの販売・卸と工事請負/埼玉県入間市/1990年4月設立
- 取得価額
- 9億5,000万円
- 対象の売上
- 7億5,580万円
- 対象の営業利益
- 7,800万円
- 対象の純資産
- 6億5,400万円
決算期:2026年3月期/譲渡前の株主:豊田政徳50%、豊田和良50%(創業家の2名で、代表取締役と専務取締役)/当社分940百万5千円+渡部建設分9百万5千円の合計。「資産内容、収益状況及び将来の事業計画等を勘案し、当事者間の協議により決定」。純資産6億5,400万円の約1.45倍、営業利益7,800万円の約12倍
買収理由:施工力の強化と、資材販売・工事請負分野での事業基盤の拡大。もともと継続的な取引関係があった
売上7億5,600万円・営業利益7,800万円・純資産6億5,400万円で、9億5,000万円。純資産の約1.45倍です。営業利益は9,300万円→8,300万円→7,800万円と少しずつ下がっていましたが、純資産は5億5,500万円→6億5,400万円と積み上がっていました。株は創業家の2人が半分ずつ持ち、2人とも経営陣という形でも、まとめて100%譲渡が成立しています。もともと取引のあった相手が買い手になった例で、取引先は売り先の候補として最初に考えてよい相手です。
2026年10月1日に株式譲渡を実行する予定と開示されています。実行完了を確かめる後続の開示は、まだ手元で確認できていません。
株式会社アラキヂ工務店
型枠工事(大工工事業、とび・土工工事業)/神奈川県横浜市/1989年4月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 4億3,710万円
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:2025年9月期/非開示(完了の開示のみで取得価額の記載なし)。業績への影響は「軽微」とされている
買収理由:神奈川・東京での型枠工事の取り込み。既存の型枠・土木会社と機能を補い合い、資材と施工を一体で提供する
売上4億3,700万円の型枠工事会社。開示には「丁寧かつ精度の高い仕事は大手ゼネコン等から高く評価され、安定的な受注を獲得」とあり、大手ゼネコンからの安定した受注そのものが評価されています。静岡・福岡に続いて首都圏の型枠会社を加えた形で、同じ業種を地域を変えて買い足している買い手だと分かります。
2026年4月1日付で子会社化の完了が開示されています。その後の商号変更や合併の開示はありません。
株式会社エアード
土木・舗装工事
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- ―
- 対象の営業利益
- ―
- 対象の純資産
- ―
決算期:未確認/取得開示の原文を確認できていないため未記載
買収理由:工事セグメントへの土木・舗装工事の取り込み(2026年4月の開示での位置づけ)
取得時の開示の原文は確認できていません。2026年3月期の決算短信で、この期から連結子会社に加わったことが記載されています。アラキヂ工務店の開示では「土木・舗装工事を主業とする」会社として、型枠工事の2社と並ぶ工事セグメントの一員と位置づけられています。
株式会社中條工務店
型枠工事/福岡県中間市/1971年10月設立
- 取得価額
- 13億円
- 対象の売上
- 23億900万円
- 対象の営業利益
- △6,160万円
- 対象の純資産
- 10億8,000万円
決算期:2023年9月期(中條工務店単体)/譲渡前の株主:エンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合(投資ファンド)が持株会社を通じて保有/当初は秘密保持契約を理由に非開示。2024年5月の訂正開示で、当社分1,347百万円(手数料等60.5百万円を含む)+渡部建設分13百万円と公表。手数料を除く株式の対価は合計1,300百万円。持株会社ごとの価格で、中條工務店の価値を含めて算定
買収理由:型枠工事の専門業者として九州で実績のある会社を加え、渡部建設との連携で土木・建築工事業を広げる
売上23億900万円・営業損失6,200万円・純資産10億8,000万円。営業利益は9,300万円の黒字から、2期続けて赤字に落ちていました。それでも価格は手数料を除いて13億円で、純資産の約1.2倍です。赤字でも、純資産と型枠の施工力が評価されて値がついた例です。売り手は創業家ではなく投資ファンドで、一度ファンドに渡った会社が、次に同業の上場企業へ移る流れがここに出ています。当初「非開示」だった金額を、あとから訂正開示で公表した点も珍しい案件です。
2026年3月期の決算短信に、株式会社中條工務店が社名のまま連結子会社として記載されています(持株会社のエンデバー18は連結子会社の一覧にありません)。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社テクノ9億5,000万円(売上の1.26倍・営業利益の12.2倍)
- 株式会社中條工務店13億円(売上の0.56倍)※営業赤字での譲渡
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページは株式会社トーアミが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日