エムティジェネックス株式会社のM&A実績
ビル管理の会社が、電気工事・電気設備保守の会社を数年おきに1社ずつ買っています。売り手は3件とも創業者や会長といった個人オーナーで、香川、京都、東京と地域もばらばらです。M&Aを「重要な成長戦略」と位置づけており、2026年3月期の決算短信でも「M&A等による成長投資についても積極的に検討」と書いています。
エムティジェネックス株式会社が公表した適時開示3件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)
会社概要
- 本社
- 東京都港区
- 設立
- ―
- 事業内容
- 東京都心のオフィスビルを中心に、内装・リニューアル工事、駐車場の運営、電気設備の保守や衛生消耗品の供給、保険代理まで、ビルの保全管理を幅広く手がける会社
- 売上高
- 47億1,400万円(2026年3月期(連結))
- 営業利益
- 4億6,300万円
- 純資産
- 44億円
どんな会社を買っているか
- 買う業種
- 電気工事(配線・情報通信)/電気・通信工事(弱電・強電)/電気設備システムの保守・保全
- 対象の規模
- 対象の売上 6.2億円〜16.1億円
- 手法
- 株式譲渡で全株式を取得(子会社化)
- 赤字でも買うか
- 黒字の会社のみ
- 買収後の扱い
- 手元の開示には、買った会社の合併や社名変更は出てきません。グループ会社一覧で確かめられていないため、社名を残す会社かどうかはまだ判断できません。
- 直近のネクストでは取得価額を開示しています。17億7,100万円で、買い手の連結純資産44億円の約4割にあたる大きな買い物でした
- それ以前の2件は「相手先の意向により」非開示です。金額を出すかどうかは売り手の希望が通っています
- 3件とも黒字の会社ですが、営業利益は1,000万〜2,000万円台の会社も買っています。利益の大きさより、電気設備の技術と地域の顧客基盤を見ていることがうかがえます
- 価格はいずれも「利害関係のない第三者」の算定やデューデリジェンスを踏まえて決めたと明記されています
買収の履歴3件
すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。
株式会社ネクスト
電気・通信工事(LAN・インターホン・自動火災報知設備などの弱電工事、受変電・照明などの強電工事)/東京都品川区/1994年4月設立
- 取得価額
- 17億7,100万円
- 対象の売上
- 16億700万円
- 対象の営業利益
- 1億2,500万円
- 対象の純資産
- 10億3,200万円
決算期:2025年10月期/譲渡前の株主:個人1名(上原 岳、取締役会長)が100%保有/アドバイザリー費用等(概算)73百万円を加えた合計は1,844百万円。第三者によるデューデリジェンスを実施し、過去の業績・財政状態・事業計画を踏まえて協議のうえ決定。直前期の数字で見ると、純資産の約1.7倍、営業利益の約14倍
買収理由:電気・通信設備の整備・保守へ事業領域を広げ、新規顧客を開拓する
売上16億700万円・営業利益1億2,500万円・純資産10億3,200万円で、取得価額17億7,100万円が開示されています。営業利益は5,300万円→6,700万円→1億2,500万円と伸びている局面での譲渡でした。純資産を積み上げてきた会社は、その純資産を上回る値段で評価されています。売り手は代表取締役ではなく会長が100%を持つ形で、経営は社長に任せたうえで株を手放した例です。東京・名古屋・仙台で弱電から強電へ広げてきた工事会社です。
2026年7月31日に株式譲渡を実行する予定として開示され、その後の商号変更や合併の開示は手元にありません。
有限会社アイテック
電気工事(商業施設・病院・物流倉庫・工場などの電気配線工事、情報通信工事)/京都府京都市/1994年9月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 6億2,200万円
- 対象の営業利益
- 2,000万円
- 対象の純資産
- 2億9,200万円
決算期:2023年5月期/譲渡前の株主:個人1名(井手 泰司、代表取締役社長)が100%保有/相手先の意向により非開示。「直前事業年度末の連結純資産額の15%未満」と記載(2023年3月期の連結純資産額は手元の開示に無いため、上限額は計算していない)。第三者によるデューデリジェンスを踏まえて決定/開示の売上高は消費税込み
買収理由:電気設備・通信設備の整備・保守へ事業を広げ、西日本へエリアを拡大する
売上6億2,200万円・営業利益2,000万円・純資産2億9,200万円の有限会社。営業利益は5,400万円→1,800万円→2,000万円と落ちていた局面での譲渡です。それでも、大手のサブコンから評価されてきた技術力と、関西から中国・九州まで広げた取引網が買われました。利益が一時的に落ちていても、技術と取引先があれば買い手は付きます。社長が株を100%持つ典型的なオーナー企業の例です。
2024年1月16日に株式譲渡を実行する予定として開示されました。その後の存続・合併を確かめられる開示やグループ会社一覧は手元に無く、2026年3月期の決算短信にも社名は出てきません。
株式会社チヨダMEサービス
電気設備システムの保守・保全(重電機器の保守サービス)/香川県高松市/1976年5月設立
- 取得価額
- ―
- 対象の売上
- 7億3,800万円
- 対象の営業利益
- 1,000万円
- 対象の純資産
- 1億6,100万円
決算期:2020年4月期/譲渡前の株主:澤井 隆(取締役会長)59.8%、その他個人4名40.2%(4名の氏名は非公開)/相手先の意向により非開示。第三者の公認会計士による株価算定と、財務・法務デューデリジェンスの結果を参考に交渉で決定
買収理由:新たな事業への進出と事業エリアの拡大による成長とリスク分散
売上7億3,800万円・営業利益1,000万円・純資産1億6,100万円。営業利益は2,600万円→900万円→1,000万円と、売上に対して1%余りまで薄くなっていました。それでも40年以上続けてきた電気設備の保守という仕事と、四国の顧客基盤が評価されています。株主が会長と個人4名に分かれていても、全員から買い取る形で100%の譲渡が成立しています。東京のビル管理会社が、地方の保守会社を買った案件です。
2020年10月1日に株式譲渡を実行する予定として開示されました。その後の存続・合併を確かめられる開示やグループ会社一覧は手元に無く、2026年3月期の決算短信にも社名は出てきません。
この会社に売るといくらか
取得価額が開示された1件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。
- 株式会社ネクスト17億7,100万円(売上の1.10倍・営業利益の14.2倍)
自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。
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本ページはエムティジェネックス株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日