8007東証プライム

高島株式会社のM&A実績

建材と産業資材の商社が、取引先や周辺の工事会社・メーカーを買って「商社+施工・製造」に変えていく買い方です。中期経営計画で「2026年3月期までにM&A等を含め150億円の投資枠」を掲げ、方針は「既存事業の機能強化および既存事業の周辺展開」。売り手は社長個人がほとんどで、株の9割以上を社長が持つ会社を続けて買っています。買った子会社が次の買い手になるのも特徴で、レストがファミールを、岩水開発がJFDエンジニアリングの事業を買っています。

高島株式会社が公表した適時開示8件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都千代田区
設立
―
事業内容
建材(壁材・基礎杭・太陽光関連資材など)、産業資材(繊維・樹脂)、電子・デバイスを扱う専門商社。建材では企画・設計から施工まで請け負う
売上高
906億4,200万円(2026年3月期(連結))
営業利益
21億200万円
純資産
231億6,900万円

どんな会社を買っているか

買う業種
地盤改良・基礎工事/太陽光発電システムの販売・施工、オール電化の電気工事/トイレブース・家具の製造施工/環境衛生資材・防災用品の卸売/RCパイル製造
対象の規模
対象の売上 1.5億円〜62.9億円
手法
株式譲渡(子会社化)が中心。子会社が買い手になる「孫会社化」や、事業譲受と子会社株式の取得を組み合わせる形も使う
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残すのが基本です。ただし後から整理することはあり、サンワホールディングスは傘下の会社とともに事業会社のサンワシステムへ吸収合併され、信防エディックスは株式交換で産業資材の中核会社の下に移されました。
  • 取引先を買うことが多い会社です。レスト(建材の販売)、新エネルギー流通システム(太陽光パネル関連資材・工事)、岩水開発(セメント・地盤改良工事)、サンワシステム(太陽光発電システム関連資材)は、いずれも買収前から高島と取引がありました
  • 取得価額は本体の開示では原則非開示で、「外部機関の財務デュー・ディリジェンス等の結果を勘案し合理的な価格を決定」と書かれます。金額が出たのは8件中4件で、うち2件は決算短信の後発事象の注記で初めて分かりました
  • 営業赤字・債務超過の会社も買っています。新エネルギー流通システムは直前期に営業損失2,600万円、ファミールは純資産マイナス2,200万円でした
  • 直前期に利益が落ちている局面での譲渡が目立ちます(レスト、サンワホールディングス、新エネルギー流通システム)。業績が下り坂でも、取引先として中身を知っている買い手なら話が進む例が並んでいます

買収の履歴8件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年5月14日株式譲渡(子会社の岩水開発が取得=孫会社化)

株式会社安藤

RCパイル(鉄筋コンクリート杭)の製造/千葉県印旛郡栄町/1954年1月設立

取得価額
1億7,000万円
対象の売上
1億5,100万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2026年2月期/譲渡前の株主:株式会社JFDエンジニアリングが100%保有/取得の開示本体では非開示。同日の2026年3月期決算短信「重要な後発事象」に、取得の対価(現金)170百万円と記載。取得関連費用は未確定

買収理由:地盤テック事業の譲受と併せ、杭の製造機能を取り込む

創業70年を超える杭の製造会社で、売上1億5,100万円に対して1億7,000万円。売上とほぼ同じ金額がついています。親会社が工事事業を売るのに合わせて、その工事に杭を供給していた製造子会社も一緒に引き取られた形です。工事会社と、そこへ部材を納める会社がセットで売れることがあると分かる例です。

買収後不明2026年10月12日時点

2026年6月1日に株式取得の実行予定として開示されています。完了を確認できる開示は手元にありません。

確認元:当社の連結子会社・岩水開発によるJFDエンジニアリングの地盤テック事業譲受、同社の子会社・安藤の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:当社の連結子会社・岩水開発によるJFDエンジニアリングの地盤テック事業譲受、同社の子会社・安藤の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2026年5月14日事業譲受(子会社の岩水開発が譲り受け)

株式会社JFDエンジニアリングの地盤テック事業

地盤改良工事、基礎工事、沈下修正工事、土壌汚染調査/大阪府大阪市/譲渡会社は2005年1月設立設立

取得価額
8億3,000万円
対象の売上
47億400万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2025年6月期/譲渡前の株主:株式会社JFDエンジニアリング(株式会社ゼロドアHDが100%保有)/取得の開示本体では非開示。同日の2026年3月期決算短信「重要な後発事象」に、取得の対価(現金)830百万円と記載。取得関連費用は未確定/地盤テック事業のみの売上高(2025年6月期実績)

買収理由:中四国中心の岩水開発に、全国規模で地盤改良・基礎工事に対応できる事業を加える

売上47億400万円の事業を8億3,000万円で譲り受けています。売上に対して0.18倍ほどの値段です。利益は開示されていません。譲渡したJFDエンジニアリングは測量テック事業を手元に残しており、会社ごとではなく事業を1つだけ切り出して売る形です。会社全体の純資産は6,700万円でした。買い手は3年前に高島に買われた岩水開発で、買われた会社が次の買い手になる流れがここに出ています。

買収後不明2026年10月12日時点

2026年6月1日に事業譲受の実行予定として開示されています。完了を確認できる開示は手元にありません。

確認元:当社の連結子会社・岩水開発によるJFDエンジニアリングの地盤テック事業譲受、同社の子会社・安藤の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:当社の連結子会社・岩水開発によるJFDエンジニアリングの地盤テック事業譲受、同社の子会社・安藤の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2025年1月23日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社サンワホールディングス

産業用・住宅用太陽光発電システムの販売・施工(サンワシステムなどグループ14社の持株会社)/東京都品川区/2019年9月設立

取得価額
―
対象の売上
45億2,900万円
対象の営業利益
3億円
対象の純資産
18億700万円

決算期:2023年12月期(連結・概算)/譲渡前の株主:個人1名(苅込 英二)が100%保有/相手先との協議に基づき非開示。外部機関の財務デュー・ディリジェンス等の結果を勘案して決定/財務デュー・ディリジェンスの過程で算出された概算の連結数値

買収理由:太陽光発電システムの販売力・施工力を取り込み、再生可能エネルギー分野で連携する

売上45億2,900万円・営業利益3億円・純資産18億700万円。販売・施工1万件以上の実績を持つグループでした。営業利益は7億3,100万円→5億800万円→3億円と3期続けて減っている局面での譲渡です。もともと高島から資材を仕入れていた取引先で、仕入先に会社を買ってもらうという出口の例です。業績の数字はデュー・ディリジェンスで作り直した概算と注記されており、グループ会社が多い会社は連結の数字を整えるところから始まることが分かります。

買収後吸収合併2026年10月12日時点

2026年1月1日付で、サンワホールディングスと傘下6社が事業会社の株式会社サンワシステムに吸収合併されました。持株会社は消えましたが、事業はサンワシステムとして高島の連結子会社に残っています。

確認元:13:32 2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社サンワホールディングスの株式取得による子会社化に関するお知らせ

2023年12月14日株式譲渡(子会社のレストが取得=孫会社化)

株式会社ファミール

オーダーメイド家具の製造・設置/静岡県藤枝市/1961年8月設立

取得価額
500万円
対象の売上
2億3,000万円
対象の営業利益
1,500万円
対象の純資産
△2,200万円

決算期:2023年7月期/譲渡前の株主:個人1名(寺尾 昌人)が100%保有/取得価額5百万円と開示

買収理由:家具製造機能を取り込み、レストとのシナジーを追う

純資産マイナス2,200万円の債務超過で、値段は500万円でした。売上2億3,000万円、営業利益は600万円→営業損失3,300万円→1,500万円と、前期の赤字から黒字に戻した年の譲渡です。創業60年を超える家具の製造会社で、債務超過でも、同じ県の同業に近い会社なら引き取り手がいることを示しています。買い手は高島本体ではなく、同じ静岡で4年前に買われたレストでした。

買収後不明2026年10月12日時点

2024年1月5日に取得完了。ただし2026年3月期決算短信の企業集団の一覧には社名が載っていません。合併や売却を伝える開示は手元になく、経緯は追えていません。

確認元:13:32 2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:当社連結子会社による株式会社ファミールの株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

2023年5月23日株式譲渡(完全子会社化)。子会社のナルトエスピー工業とアルファ基礎構造も孫会社に

岩水開発株式会社

地盤調査、地盤改良工事、土木工事/岡山県岡山市/2021年7月(旧岩水開発は1965年設立)設立

取得価額
50億円
対象の売上
62億9,200万円
対象の営業利益
2億9,400万円
対象の純資産
10億9,800万円

決算期:2022年6月期(連結)/譲渡前の株主:ライジング・ジャパン・エクイティ第二号投資事業有限責任組合(投資ファンド)が100%保有/株式の取得価額5,000百万円。アドバイザリー費用等(概算)180百万円を加えた合計は5,180百万円

買収理由:地盤改良工事の施工機能を取り込み、建材事業とのシナジーを追う

この会社の買収でいちばん大きい50億円です。売上62億9,200万円・営業利益2億9,400万円・純資産10億9,800万円。営業利益の約17倍、純資産の約4.6倍の値段です。経常利益は6億500万円と営業利益の倍あり、利益の見方で倍率は大きく変わります。売り手は創業家ではなく投資ファンドで、2021年設立の持株会社が2022年に旧岩水開発(1965年設立)と合併して社名を引き継いだ後に売っています。中四国の地盤改良で地位を築いた会社は、ファンドを経由しても高く売れています。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年3月期決算短信の企業集団に、岩水開発と子会社のナルトエスピー工業が連結子会社として載っています(アルファ基礎構造の社名は載っていません)。2026年5月にはJFDエンジニアリングの事業を譲り受ける買い手になっています。

確認元:13:32 2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:岩水開発株式会社の株式の取得による子会社化に関するお知らせ

2022年11月14日株式譲渡(完全子会社化)

新エネルギー流通システム株式会社

オール電化製品・太陽光発電システムの電気工事、太陽光発電システム販売/福岡県大野城市/2008年3月設立

取得価額
―
対象の売上
20億8,400万円
対象の営業利益
△2,600万円
対象の純資産
2億2,500万円

決算期:2022年2月期/譲渡前の株主:個人1名(村田 佳輝)が90.9%保有(残り9.1%は自己株式)/相手先との協議に基づき非開示。外部機関の財務デュー・ディリジェンス等の結果を勘案して決定

買収理由:V2H・蓄電池の需要増を見込み、エネルギー分野の工事施工機能を強める

売上20億8,400万円・純資産2億2,500万円。直前期は営業損失2,600万円の赤字でした。営業利益は3,800万円→3,200万円→△2,600万円と落ちている中での譲渡です。全国13支店で太陽光・オール電化の工事を手がけ、高島とは資材と工事で取引がありました。赤字の年でも、取引先として施工力を知っている買い手なら話は成立します。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年3月期決算短信の企業集団に、建材セグメントの連結子会社として社名が載っています。

確認元:13:32 2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:新エネルギー流通システム株式会社の株式取得による子会社化に関するお知らせ

2022年11月14日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社信防エディックス

環境衛生資材(指定ごみ袋など)・防災用品(避難所用テント・ベッド)の卸売/長野県長野市/1952年7月設立

取得価額
―
対象の売上
15億3,900万円
対象の営業利益
1億3,300万円
対象の純資産
7億2,100万円

決算期:2022年2月期/譲渡前の株主:今井 正武90.7%、ほか2名9.3%(個人)/相手先との協議に基づき非開示。外部機関の財務デュー・ディリジェンス等の結果を勘案して決定

買収理由:防災用品の開発力と行政への対応力を取り込み、官公庁・企業防災向けの展開を強める

売上15億3,900万円・営業利益1億3,300万円・純資産7億2,100万円。営業利益は100万円→2億2,200万円→1億3,300万円と、コロナ期の避難所需要で跳ねた後の譲渡です。取引関係のない会社で、長野の自治体向けに70年近く築いた販路と、自社開発の防災用品が評価されました。地方の官公庁向けの販路は、それ自体が買われる理由になります。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年4月1日付の株式交換で、産業資材の中核会社・高島インダストリーズの完全子会社に移りました。2026年3月期決算短信の企業集団に社名が載っています。代表者は2024年12月の開示時点で創業家の今井氏から吉川肇氏に替わっています。

確認元:13:32 2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社信防エディックスの株式取得による子会社化に関するお知らせ

2019年8月8日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社レスト

トイレブースを主体とするパーティションの製造・施工/静岡県静岡市/1980年4月設立

取得価額
―
対象の売上
18億2,400万円
対象の営業利益
4,000万円
対象の純資産
4億6,300万円

決算期:2018年9月期/譲渡前の株主:吉田 修一52.5%、ほか5名47.5%/相手先との合意により非公表

買収理由:建材事業で「省エネ」「軽量化」「省力化」のソリューションとサービス体制を強める

売上18億2,400万円・純資産4億6,300万円。営業利益は1億800万円→7,500万円→4,000万円と3期続けて減っている中での譲渡でした。社長の持分は52.5%で、残りをほか5名が持っていましたが、全株主から買い取っています。買収後も吉田社長は代表取締役社長に残り、高島から会長と監査役が入りました。4年後にはレスト自身が家具製造のファミールを買う側に回っています。

買収後存続2026年10月12日時点

2026年3月期決算短信の企業集団に、建材セグメントの連結子会社として社名が載っています。

確認元:13:32 2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社レストの株式取得による子会社化に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された4件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社安藤1億7,000万円(売上の1.13倍)
  • 株式会社JFDエンジニアリングの地盤テック事業8億3,000万円(売上の0.18倍)
  • 株式会社ファミール500万円(売上の0.02倍・営業利益の0.3倍)
  • 岩水開発株式会社50億円(売上の0.79倍・営業利益の17.0倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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