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ファーマライズホールディングス株式会社のM&A実績

調剤薬局を買い集めている会社です。中期経営計画で「M&A対応の高度化」を掲げ、沖縄の4店舗の有限会社から、会社更生中のチェーン54店舗まで買っています。売り手はほとんどが個人オーナーで、先に少数株を持ってから数年後に残りを買い取る進め方も目立ちます。最近は薬局だけでなく、埼玉の医薬品卸も買っています。

ファーマライズホールディングス株式会社が公表した適時開示7件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月13日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都中野区
設立
1984年6月
事業内容
調剤薬局チェーンを中核とする持株会社。全国の調剤薬局のほか、医薬品卸、医療関連ITなどの子会社を持つ
売上高
695億1,200万円(2026年5月期(連結))
営業利益
9億7,900万円
純資産
68億5,900万円

どんな会社を買っているか

買う業種
調剤薬局/医薬品卸売/医療関連IT(電子お薬手帳、製薬企業向けシステム)
対象の規模
対象の売上 1.1億円〜71.5億円(沖縄4店舗の会社は業績非開示)
手法
株式譲渡(子会社化)が中心。資本業務提携で10〜37%を持ってから残りを買い取る形が3件。会社更生中のチェーンからは事業譲受で店舗だけを引き取っている
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残すことが多い一方、グループ内の薬局子会社どうしの吸収合併もたびたび行っています。2024年にはヘルシーワークを存続会社として、別の薬局子会社2社を吸収させています。
  • 価格を開示した案件があります。三幸メディカル15億3,000万円、寛一商店グループの54店舗31億円、ミュートス3億200万円
  • 非開示の案件でも、算定方法は「キャッシュフロー創出能力に基づくDCF法」と毎回書かれています。将来いくら現金を生むかで値段が決まるということです
  • 債務超過の会社も買っています。GOOD AID(純資産マイナス5億3,800万円)、メディカルフロント(同マイナス4,700万円)。会社更生手続き中のチェーンからも店舗を引き取っています
  • 先に資本業務提携で一部の株を持ち、数年後に完全子会社化する例が3件あります(ドゥリームは約3年、ヘルシーワークは約6年、メディカルフロントは約8年)

買収の履歴7件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年1月30日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社三幸メディカル(子会社の大洋薬品、孫会社の平成薬品を含む)

医薬品卸売業(子会社で調剤薬局を運営)/埼玉県狭山市/1987年4月設立

取得価額
15億3,000万円
対象の売上
13億8,400万円
対象の営業利益
1,900万円
対象の純資産
1億6,400万円

決算期:2025年3月期(単体)/譲渡前の株主:阪詰陽一68.8%、阪詰顕司31.2%(個人2名)/アドバイザリー費用等の概算70百万円を加えた合計は概算1,600百万円/三幸メディカル単体の数値。子会社の大洋薬品(調剤薬局、2025年7月期)は売上1,718百万円・営業利益66百万円・純資産230百万円、孫会社の平成薬品(同、2025年9月期)は売上211百万円・営業利益16百万円・純資産35百万円

買収理由:グループの医薬品流通体制の強化と、関東での地域密着型の医療サービスの拡充

取得価額15億3,000万円。親会社の三幸メディカル単体は売上13億8,400万円・営業利益1,900万円・純資産1億6,400万円と小さいのですが、その下に調剤薬局の大洋薬品(売上17億1,800万円・営業利益6,600万円)と平成薬品がぶら下がっています。卸と薬局を親子でまとめて持っていたことで、グループごと一括で引き取られています。株主は代表と、薬局子会社の代表を務める阪詰顕司氏の2名でした。平成薬品は令和5年9月期に当期純損失2,600万円を出していますが、翌期から黒字に戻しています。

買収後存続2026年10月13日時点

2026年2月13日に株式譲渡実行予定として開示され、令和8年5月期決算短信でも取得済みの案件として触れられています。商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:令和8年5月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社三幸メディカルの株式取得に関するお知らせ

2024年9月24日事業譲受(会社更生手続き中の寛一商店グループ10社から。東京地方裁判所の許可が条件)。譲り受けた事業は新設子会社のnext PH株式会社に吸収分割で承継

寛一商店グループの調剤薬局事業54店舗

調剤薬局(54店舗)/京都府京都市(寛一商店株式会社)/寛一商店株式会社は1949年11月設立設立

取得価額
31億円
対象の売上
71億4,800万円
対象の営業利益
△2,400万円
対象の純資産
―

決算期:2023年6月〜2024年5月/譲渡前の株主:寛一商店株式会社(瀬川安紀子が100%保有)とその子会社など。2024年7月に会社更生法を申し立て、管財人の管理下/譲受価格3,100百万円。このほかに医薬品等の資産購入があり、開示時点で精査中。全額を金融機関からの借入で決済/開示の「譲受部門の最近1年間の業績」欄の数値(2023年6月〜2024年5月)。注記に「寛一商店グループの合計金額」とある

買収理由:会社更生を申し立てた薬局チェーンの店舗を引き継ぎ、調剤薬局事業の規模とドミナントを強化する

売上71億4,800万円・営業損失2,400万円の54店舗を31億円で引き取っています。売り手は2024年7月に会社更生法を申し立てた薬局チェーンで、譲渡は管財人のもとで裁判所の許可を条件に進められました。会社が更生手続きに入っても、店舗という事業には値段がつきます。引き取った店舗は既存の子会社に分けず、従業員のエンゲージメント維持を理由に新設の子会社1社にまとめています。

買収後存続2026年10月13日時点

譲り受けた54店舗は2024年12月2日付で新設子会社next PH株式会社に承継され、令和8年5月期決算短信でもグループ会社として名前が出ています。合併の開示は確認できていません。

確認元:令和8年5月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:寛一商店グループからの一部の事業譲受に関するお知らせ

2024年1月11日株式譲渡(完全子会社化)

GOOD AID株式会社(子会社のまちほけ株式会社を含む)

零売薬局・調剤薬局(関東・中部・関西に25店舗)、訪問看護、医薬品EC。子会社まちほけは中部で調剤薬局6店舗/愛知県名古屋市/2016年3月設立

取得価額
―
対象の売上
31億4,400万円
対象の営業利益
8,100万円
対象の純資産
△5億3,800万円

決算期:2023年9月期/譲渡前の株主:服部雄太36.9%、服部氏の資産管理会社kotoshino 36.9%。残りの株は譲渡実行日までにkotoshinoが買い集める予定/売主との契約により非開示。キャッシュフロー創出能力に基づくDCF法で決定/GOOD AIDの数値。子会社のまちほけは2023年9月期で売上3,252百万円・営業損失204百万円・純資産△184百万円

買収理由:東名阪の店舗網を取り込み、大都市圏での店舗展開を強化する

純資産マイナス5億3,800万円の債務超過での譲渡です。前の期には当期純損失13億1,200万円を出し、純資産が3億7,500万円からマイナスに転落していました。それでも売上は15億円→23億5,300万円→31億4,400万円と伸び、直近期は営業利益8,100万円に戻していました。債務超過でも、売上が伸びていて本業が黒字に戻っていれば買い手はつきます。分散していた株は、譲渡前に社長の資産管理会社へ買い集める段取りになっていました。

買収後存続2026年10月13日時点

令和8年5月期決算短信で、決算期を変更したグループ会社としてGOOD AID株式会社の名前が出ています。子会社のまちほけ株式会社の扱いは確認できていません。

確認元:令和8年5月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:GOOD AID株式会社の株式取得に関するお知らせ

2020年2月28日株式譲渡(残り65%を取得して完全子会社化)。2014年の資本業務提携で35%を保有済み

株式会社ヘルシーワーク

調剤薬局(近畿に31店舗、うち大阪府24店舗)/大阪府大阪市/1996年2月設立

取得価額
―
対象の売上
25億4,300万円
対象の営業利益
4,800万円
対象の純資産
3億8,200万円

決算期:2018年12月期/譲渡前の株主:福本康幸65.0%(個人)、ファーマライズHD 35.0%/相手方との合意により非開示。外部機関のデューデリジェンスを踏まえ、DCF法で決定

買収理由:近畿での事業基盤の強化

売上25億4,300万円・営業利益4,800万円・純資産3億8,200万円、従業員210名。2014年に35%を持ってもらい、約6年後に残り65%を売った形です。いきなり全部を売るのではなく、まず提携で関係を作ってから譲渡する進め方の例です。営業利益は5,800万円→9,900万円→4,800万円と動いていました。

買収後存続2026年10月13日時点

2024年6月1日を効力発生日として、ヘルシーワークを存続会社にグループの薬局子会社2社(サン・メディカル、三協医療薬品)を吸収合併すると開示されています。社名はそのまま残り、グループ内の受け皿になっています。

確認元:完全子会社間の吸収合併に関するお知らせ

出典:株式会社ヘルシーワークの株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ

2019年9月27日株式譲渡(追加取得で37.1%→51.3%、連結子会社化)。2011年の資本業務提携で持分法適用会社だった

株式会社メディカルフロント

電子お薬手帳「ポケットファーマシー」、医薬品データベースなど医療関連ITサービス/東京都中央区/1999年6月設立

取得価額
―
対象の売上
1億800万円
対象の営業利益
△6,400万円
対象の純資産
△4,700万円

決算期:2019年3月期/開示なし。第三者のデューデリジェンスを実施し、監査役から事業計画等を勘案して適切な価格との意見を得たと記載

買収理由:電子お薬手帳をかかりつけ薬局業務の戦略ツールとして育てる

売上1億800万円に対して営業損失6,400万円、純資産マイナス4,700万円の債務超過でした。それでも買い手が過半数まで買い増しています。買い手にとって本業の薬局で使う道具だったからです。赤字でも、買い手の本業にとって欠かせない機能を持っていれば評価されます。取得したのは51.3%で、残りの株主は残っています。

買収後存続2026年10月13日時点

商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:株式会社メディカルフロントの株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社メディカルフロントの株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ

2017年6月8日株式譲渡(完全子会社化)

株式会社ミュートス

製薬企業向けのMR営業支援システム(SFA/CRM)の開発・運用、プロモーションサイト構築/大阪府大阪市/2006年8月設立

取得価額
3億200万円
対象の売上
5億2,800万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
1億4,100万円

決算期:2017年3月期/譲渡前の株主:佐藤正晴22.4%、佐藤博司21.6%、富山慎二15.6%、関国康5.4%(個人4名)と、投資ファンド3本(イノベーション・エンジン三号21.0%、HC6号7.0%、とっとりチャレンジ応援ファンド7.0%)/ミュートスの中期経営計画を参考に、キャッシュフロー創出能力に基づくDCF法で算定。全額を保有現預金で支払い

買収理由:医療用ソフトウェア開発の拡大・効率化と、健康保険制度外の事業の拡大

取得価額3億200万円。売上5億2,800万円・純資産1億4,100万円で、純資産の約2.1倍、売上の約0.6倍でした。営業利益は開示されておらず、経常利益は951万円→損失6,385万円→1,387万円と、前の期に赤字を出しています。株主が個人4名と地方のベンチャーファンドなど3本に分かれていても、まとめて100%譲渡が成立しています。

買収後存続2026年10月13日時点

商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:株式会社ミュートスの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社ミュートスの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2015年6月15日株式譲渡(残り90%を取得して完全子会社化)。2012年の資本業務提携で10%を保有済み

有限会社ドゥリーム

調剤薬局(沖縄県内に4店舗)/沖縄県嘉手納町/2001年10月設立

取得価額
―
対象の売上
―
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:非開示(非公開会社のため)/開示なし。第三者のデューデリジェンスを実施し、監査役から公正価格として問題ない旨の意見を得たと記載

買収理由:沖縄県に薬局展開の拠点を確保する

資本金300万円、薬局4店舗の有限会社です。業績は「非公開会社のため」として開示されていません。買い手はこの1件で沖縄に初めて進出し、展開地域が28都道府県から29都道府県になりました。買い手がまだ店を持っていない地域の会社は、小さくても「足がかり」として評価されます。2012年に10%を持ってもらい、約3年後に残りを売っています。

買収後存続2026年10月13日時点

2019年以降のグループ内の吸収合併の開示に、ドゥリームは当事会社として出てきません。商号変更や合併の開示は確認できていません。

確認元:有限会社ドゥリームの株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ

出典:有限会社ドゥリームの株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された3件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 株式会社三幸メディカル(子会社の大洋薬品、孫会社の平成薬品を含む)15億3,000万円(売上の1.11倍・営業利益の80.5倍)
  • 寛一商店グループの調剤薬局事業54店舗31億円(売上の0.43倍)※営業赤字での譲渡
  • 株式会社ミュートス3億200万円(売上の0.57倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページはファーマライズホールディングス株式会社が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月13日