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株式会社YUASA(旧ユアサ商事株式会社)のM&A実績

売上5,000億円を超える専門商社ですが、買っているのは売上2億円台から100億円弱までの国内の中小企業です。目立つのは、何十年も取引してきた仕入先・販売先を買うパターンで、丸建サービスは48年、中川金属は45年、富士重工ハウスは40年の取引がありました。売り手は創業家の個人オーナーのほか、大手メーカーやエネルギー会社が手放す子会社、事業会社3社の合弁会社まで幅があります。

株式会社YUASA(旧ユアサ商事株式会社)が公表した適時開示7件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月12日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都千代田区
設立
1666年創業(2026年3月期に創業360年)
事業内容
工具・工作機械、住宅設備・管材・空調、建築・エクステリア資材、建設機械などを扱う複合専門商社
売上高
5,450億2,700万円(2026年3月期(連結))
営業利益
167億4,000万円
純資産
1,214億4,600万円

どんな会社を買っているか

買う業種
住宅リフォーム・空調設備工事/エクステリア商材の販売・施工/切削工具・機械工具の専門商社/建設機械の修理・レンタル/組立式仮設ハウス(コンテナハウス)の製造
対象の規模
対象の売上 2.5億円〜97.6億円
手法
株式譲渡(子会社化)が中心。全株を買うのが基本だが、フジクレストは60%だけを取得。2026年には子会社ユアサクオビスが買い手になる「孫会社化」も使っている
赤字でも買うか
黒字の会社のみ
買収後の扱い
社名のまま子会社として残すケースと、既存の子会社に吸収するケースの両方があります。高千穂(横浜のリフォーム会社)は取得から5年後の2025年4月、グループのサンエイに吸収合併されました。富士重工ハウスは取得と同時に富士クオリティハウスへ社名を変えています。
  • 取得価額は買収時の開示では出ませんが、後の決算短信で出ることがあります。協栄ジェネックス(5億1,100万円)とフジクレスト(12億円)は、2026年3月期の決算短信の企業結合の注記で金額が明らかになりました
  • どの案件も、対象の売上と総資産は毎回開示しています。一方で営業利益と純資産は書かれていません
  • 2020年の3件(高千穂・富士重工ハウス・丸建サービス)は「適時開示基準に該当しない」小さな案件で、それでも任意で開示を出しています
  • このほか2025年2月に株式会社ラインナップを取得したことが決算短信の注記に出ています(のれん確定額11億4,400万円)。買収時の開示は手元の一覧にないため、案件一覧には入れていません

買収の履歴7件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年2月10日株式譲渡(子会社ユアサクオビスが全株式を取得=孫会社化)

シナネンファシリティーズ株式会社

大手ハウスメーカーの戸建・集合住宅向け空調設備工事、給排水・衛生設備の設計施工/埼玉県桶川市/1958年12月設立

取得価額
―
対象の売上
8億9,200万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2025年3月期/譲渡前の株主:シナネンホールディングス株式会社が100%保有/非開示

買収理由:両社の協力工事店ネットワークを相互に活用し、施工能力を質・量ともに強化する

売上8億9,200万円・総資産7億4,700万円。創業1958年の老舗工事会社で、親会社から子会社ごと別の会社グループへ移った案件です。買い手が欲しかったのは「協力工事店のネットワーク」と「施工の人手」でした。職人や協力業者を確保できていること自体が、工事会社の売れる理由になる例です。

買収後不明2026年10月12日時点

2026年4月1日付で子会社化する予定と開示されています。実行後の社名や存続を確認できる後続の開示は手元にありません。

確認元:当社連結子会社による株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

出典:当社連結子会社による株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

2025年9月24日株式譲渡(発行済株式の60%を取得、子会社化)

フジクレスト株式会社

エクステリア商品の販売・施工(8拠点)/東京都大田区/1953年2月設立

取得価額
12億円
対象の売上
75億2,200万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
18億5,700万円

決算期:売上は2024年8月期。純資産は企業結合日(2025年10月1日)の資産合計−負債合計/譲渡前の株主:平野泰三(社長)67.1%、ほか32.9%/取得時の開示では非開示。2026年3月期の決算短信の企業結合注記で、60%分の取得原価1,200百万円(現金)と開示。アドバイザリー費用等6百万円は別。のれん85百万円(5年償却)。100%換算では約2,000百万円。企業結合日の資産合計4,960百万円・負債合計3,103百万円から、純資産は約1,857百万円で、60%持分(約1,114百万円)をわずかに上回る水準

買収理由:首都圏のエクステリア商材販売の強化。地場の造園業者・工務店・設備業者への販路

業歴72年、売上75億2,200万円・純資産約18億5,700万円。社長が67%を持つオーナー企業で、全株ではなく60%だけを売っています。取得額12億円は持分の純資産にほぼ等しく、のれんは8,500万円と小さめでした。純資産を厚く積んだ会社は、その純資産が値段の土台になることが分かります。40%を手元に残す形は、全部を手放さずに大手の傘下に入る選択肢の実例です。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年10月1日に株式を取得。2026年3月期の決算短信で新たな連結子会社として社名が挙がり、「結合後企業の名称:変更ありません」と記載されています。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:エクステリア商社(協栄ジェネックス株式会社・フジクレスト株式会社)の 株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2025年9月24日株式譲渡(全株式を取得、子会社化)

協栄ジェネックス株式会社

エクステリア商品の販売・施工(12拠点)/東京都目黒区/2007年10月設立

取得価額
5億1,100万円
対象の売上
97億5,700万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
3億1,900万円

決算期:売上は2025年3月期。純資産は企業結合日(2025年10月1日)の資産合計−負債合計/譲渡前の株主:協和陶管株式会社60.4%、株式会社トーシンコーポレーション20.4%、丸栄工業株式会社19.2%(事業会社3社の合弁)/取得時の開示では非開示。2026年3月期の決算短信の企業結合注記で、取得原価511百万円(現金)と開示。株式価値評価のアドバイザリー費用等6百万円は別。のれん192百万円(5年償却)。企業結合日の資産合計4,389百万円・負債合計4,070百万円から、受け入れた純資産は約319百万円で、純資産の約1.6倍で買ったことになる

買収理由:首都圏のエクステリア商材販売の強化。建材本部のエクステリア事業との協働

売上97億5,700万円に対して、取得額は5億1,100万円。売上は大きくても純資産が約3億1,900万円と薄い卸の会社で、値段は純資産に上乗せした分(のれん)が1億9,200万円という水準でした。商社・卸は売上ではなく純資産と利益で値段が決まることがよく分かる数字です。元は店頭公開企業コグレの営業権を3社の合弁で引き継いだ会社で、合弁の株主がそろって手放した形です。

買収後存続2026年10月12日時点

2025年10月1日に株式を取得。2026年3月期の決算短信で新たな連結子会社として社名が挙がり、「結合後企業の名称:変更ありません」と記載されています。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:エクステリア商社(協栄ジェネックス株式会社・フジクレスト株式会社)の 株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2020年12月1日株式譲渡(全株式を取得、子会社化)。子会社の永井産業も傘下に

中川金属株式会社

切削工具を主力とする機械工具・機器類の専門商社(子会社に千葉県の永井産業)/東京都千代田区/1949年4月設立

取得価額
―
対象の売上
47億600万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2020年3月期/譲渡前の株主:立岩寛子(社長)ほか4名で100%保有/非開示/中川金属単体。子会社の永井産業(売上1,000百万円・総資産422百万円、2020年3月期)は含まない

買収理由:産業機器部門のコア事業である切削工具販売の強化

創業84年、売上47億600万円・総資産33億5,300万円。ユアサ商事とは45年以上、仕入先と販売先の関係にあった会社です。日ごろ商品を卸してくれている大手商社が、そのまま買い手になった形です。長年の取引先は、会社の中身をいちばんよく知っている買い手候補でもあります。

買収後不明2026年10月12日時点

2020年12月1日に子会社化。その後の社名変更や合併の開示は手元になく、存続を確かめる根拠も見当たりません。

確認元:中川金属株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:中川金属株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2020年10月1日株式譲渡(発行済株式の93.4%を取得、子会社化)。子会社の丸建商事も傘下に

株式会社丸建サービス

舗装用・基礎工事用建設機械の修理・メンテナンス(子会社に建機販売・レンタルの丸建商事)/愛知県名古屋市/1965年8月設立

取得価額
―
対象の売上
2億4,800万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2020年3月期/譲渡前の株主:自己株式50.0%、高坂勝(社長)28.0%、ほか7名22.0%/非開示/丸建サービス単体。子会社の丸建商事(売上2,022百万円・総資産1,351百万円、2019年9月期)は含まない

買収理由:建設機械販売の強化と、メンテナンス・レンタル機能の取り込み

修理会社の売上は2億4,800万円ですが、子会社の丸建商事が売上20億2,200万円の建機販売・レンタル会社で、親子セットで買われています。国内外の建機メーカーの指定修理工場という立場が、安定して仕事が入る仕組みとして評価されました。株主が社長を含め8名に分かれ、発行済株式の半分が自己株式という構成でも譲渡は成立しています。取引は48年に及んでいました。

買収後不明2026年10月12日時点

2020年10月1日に子会社化。その後の社名変更や合併の開示は手元になく、存続を確かめる根拠も見当たりません。

確認元:株式会社丸建サービスの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:株式会社丸建サービスの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2020年3月2日株式譲渡(全株式を取得、子会社化)。取得当日に社名を変更

富士重工ハウス株式会社

組立式仮設ハウス(コンテナハウス)の製造・販売/群馬県伊勢崎市/1999年9月設立

取得価額
―
対象の売上
24億5,400万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2019年3月期/譲渡前の株主:株式会社SUBARU 87.2%、スバルファイナンス株式会社 12.8%/非開示(適時開示基準に該当しない規模のため、開示事項を一部省略)

買収理由:40年来販売してきたコンテナハウスを、グループの販売網で全国に広げる

売上24億5,400万円・総資産21億7,500万円。自動車メーカーのSUBARUグループが持っていた子会社を、40年間その製品を売ってきた商社が引き取った案件です。本業から離れた子会社は、その製品をいちばん売ってきた相手に渡ることがあります。

買収後社名変更2026年10月12日時点

取得日の2020年3月2日に開かれた同社の株主総会で、富士クオリティハウス株式会社に商号変更しています。その後の存続を確かめる開示は手元にありません。

確認元:富士重工ハウス株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

出典:富士重工ハウス株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2020年3月2日株式譲渡(全株式を取得、子会社化)

株式会社高千穂

戸建住宅・マンションのリフォーム工事/神奈川県横浜市/1974年6月設立

取得価額
―
対象の売上
14億5,800万円
対象の営業利益
―
対象の純資産
―

決算期:2019年5月期/譲渡前の株主:新留昌泰(社長)61.3%ほか/非開示(適時開示基準に該当しない規模のため、開示事項を一部省略)

買収理由:神奈川エリアでの戸建・マンションのリフォーム・リノベーション事業の拡大

売上14億5,800万円・総資産18億5,600万円。グループ会社サンエイの仕入先(住宅設備の買い手)だった会社です。新築が減る中でリフォームの受注網を持っていることが、買われる理由になりました。ただし5年後の2025年4月にはそのサンエイに吸収合併され、社名は消えています。「社名が残るかどうか」は買い手によっても、時間によっても変わることを示す例です。

買収後吸収合併2026年10月12日時点

2025年4月1日付で、グループの株式会社サンエイを存続会社として吸収合併され、連結の範囲から外れました(2026年3月期決算短信の注記)。

確認元:2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

出典:株式会社高千穂の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された2件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • フジクレスト株式会社12億円(売上の0.16倍)
  • 協栄ジェネックス株式会社5億1,100万円(売上の0.05倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社YUASA(旧ユアサ商事株式会社)が公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月12日