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株式会社セキュアのM&A実績

監視カメラなどの物理セキュリティを本業に、施工・販路・製品開発の機能を1社ずつ買い足している会社です。電気通信工事会社、官公庁に強い会社、無人決済のスタートアップ、防犯機器メーカーと、買う機能を毎回はっきり説明しています。売り手は創業オーナー個人が中心で、対象は売上5億〜10億円規模です。

株式会社セキュアが公表した適時開示4件をもとに整理しています。データ時点:2026年10月18日(新しい開示が出たら追加します)

会社概要

本社
東京都新宿区
設立
2002年10月
事業内容
監視カメラ・入退室管理などの物理セキュリティシステムの設計・販売・施工・保守。AIによる無人店舗・防犯ソリューションも展開
売上高
68億4,000万円(2025年12月期(連結))
営業利益
3億2,600万円
純資産
29億2,600万円

どんな会社を買っているか

買う業種
電気通信工事・電気工事(監視カメラの施工)/防犯機器・CCTV機器の製造/無人決済・省人化システム
対象の規模
対象の売上 4.87億円〜27.18億円(価格開示のある4件)
手法
株式譲渡(子会社化)。オーナー会社は100%取得、他の株主が残るスタートアップは過半数(56.2%)だけを取得
赤字でも買うか
買っている(実績あり)
買収後の扱い
買った会社は社名のまま子会社として残しています。公式サイトのグループ会社一覧には、これまで買った国内4社(ジェイ・ティー・エヌ、メディアシステム、TOUCH TO GO、テスコムジャパン)がすべて載っています。
  • 取得価額を毎回開示しています。価格開示のある4件はいずれも、株式の価額とアドバイザリー費用等を分けて書いています
  • 黒字のオーナー会社3件は、営業利益の8.8〜21.9倍に散らばります。ジェイ・ティー・エヌは約9.0倍、テスコムジャパンは約8.8倍、日東通信は約21.9倍。ただし日東通信は直近期だけ営業利益が落ちており、経常利益で見ると約7.4倍です。純資産に対しては1.1〜1.9倍に収まります
  • 最初の買収(ジェイ・ティー・エヌ)は、取得価額7億5,500万円に対して7億5,000万円を銀行から借り入れて払っています。手元資金に限らず、借入で買える買い手です
  • 2025年3月には株式会社メディアシステム(官公庁向け)も子会社化していますが、開示本文を確認できなかったため一覧には入れていません

買収の履歴4件

すべて同社が公表した適時開示から転記しています。「―」は開示が無いか、 まだ取り込めていない項目です。

2026年10月13日株式譲渡(100%取得)。社長が単独株式移転で新設する持株会社の株式を取得する形。日東通信は株式移転に先立ち、自己株式14,800株(18.5%)を消却

日東通信株式会社

電気通信工事業・電気機械器具卸売業(日立製作所などの通信機器特約店。宮城県の電気通信工事で最上位の入札格付「Sランク」)/宮城県仙台市/1971年6月設立

取得価額
14億500万円
対象の売上
27億1,800万円
対象の営業利益
6,400万円
対象の純資産
12億5,600万円

決算期:2026年3月期/譲渡前の株主:個人1名(髙橋進太郎・代表取締役社長)が65,200株=81.5%、残る14,800株(18.5%)は自己株式。自己株式の消却により実質100%/普通株式の取得価額。別にアドバイザリー費用等(概算)18百万円、合計(概算)14億2,300万円。取得資金はみずほ銀行からの借入14億500万円(無担保・無保証、返済期日2033年11月30日、毎月均等分割返済)で全額をまかなっています

買収理由:東北エリアの施工・保守の一貫体制の確立。官公庁・地場大手の顧客基盤とのクロスセル。電気通信工事施工管理技士など有資格者の確保

売上27億1,800万円・純資産12億5,600万円の会社を14億500万円で100%取得しています。これまでの4〜9億円規模から一段大きい案件です。 倍率の見え方に注意が要ります。直近期の営業利益6,400万円で割ると約21.9倍ですが、経常利益は1億8,900万円あり、こちらで割ると約7.4倍。純資産に対しては約1.1倍です。営業利益は3期で1億500万円→1億7,700万円→6,400万円と振れており、直近1期だけで倍率を見ると実態から外れます([営業利益の何倍で売れるのか](/guide/price/ebitda-baisuu))。 売り方も参考になります。社長が自分の持株会社を新しく作り、そこに日東通信を入れてから、持株会社ごと売っています。先に自己株式18.5%を消却して、社長の81.5%を100%にしてからの譲渡です([持株会社にしてから売る](/guide/basic/mochikabu-gaisha-baikyaku)、[名義株・少数株主の整理](/guide/basic/meigikabu-seiri))。 買い手は取得資金の全額を銀行借入でまかなっています。無担保・無保証、7年返済。手元資金の多寡だけで買い手の体力を測らないほうがよい、という例でもあります。

買収後実行前2026年10月18日時点

新設法人の設立が2026年10月19日、株式譲渡の実行日が2026年12月18日(予定)と開示されています。

確認元:日東通信株式会社の株式の取得(子会社化)及び資金の借入に関するお知らせ

出典:日東通信株式会社の株式の取得(子会社化)及び資金の借入に関するお知らせ

2026年6月16日株式譲渡(100%取得、子会社化)

株式会社テスコムジャパン

CCTV機器・セキュリティ機器・電子応用機器の製造・販売(電子回路・機構・金型設計から基板実装・組立まで)/京都府京都市/2000年8月設立

取得価額
5億7,000万円
対象の売上
6億9,200万円
対象の営業利益
6,500万円
対象の純資産
4億4,200万円

決算期:2026年3月期/譲渡前の株主:個人2名(90.0%と10.0%、氏名は非開示)/普通株式の取得価額。別にアドバイザリー費用等(概算)4,100万円、合計(概算)6億1,100万円

買収理由:防犯機器の開発・製造機能をグループに取り込み、ハードウェア設計・開発を内製化する

売上6億9,200万円・営業利益6,500万円・純資産4億4,200万円の京都の機器メーカーを、5億7,000万円で100%取得しています。営業利益の約8.8倍、純資産の約1.3倍です。営業利益は3期で▲0→4,100万円→6,500万円、売上も5億6,800万円→6億9,200万円と回復・伸長している局面での譲渡でした。設計から組立まで自社で持っていることが、取得理由として具体的に挙げられています。

買収後存続2026年10月9日時点

2026年7月1日に取得完了(同日付の経過開示)。公式サイトの会社概要のグループ会社一覧に社名のまま載っています。

確認元:株式会社セキュア 会社概要

出典:株式会社テスコムジャパンの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2026年2月20日株式譲渡(56.2%取得、子会社化)。既存株主の一部は引き続き株主として残る

株式会社TOUCH TO GO

無人決済店舗・セルフレジなど省人化システムの企画・開発・保守・販売/東京都港区/2019年7月設立

取得価額
8億4,200万円
対象の売上
9億6,800万円
対象の営業利益
△6,300万円
対象の純資産
11億2,700万円

決算期:2025年3月期/譲渡前の株主:事業会社・ファンド(JR東日本スタートアップ 37.4%、サインポスト 37.4%、KDDI新規事業育成3号投資事業有限責任組合 1.4%ほか)/56.2%(16,282株)分の普通株式の取得価額。別にアドバイザリー費用等(概算)800万円、合計(概算)8億5,000万円

買収理由:無人決済の技術をグループに取り込み、施工・保守網と顧客基盤を使って早期黒字化を図る

3期連続の営業赤字(2億7,500万円→1億7,500万円→6,300万円)の会社です。一方で売上は2億1,500万円→5億200万円→9億6,800万円と伸び、赤字幅は縮んでいました。開示文も「創業フェーズを終え拡大フェーズへ移行した」と、この改善傾向を買う理由に挙げています。赤字でも、赤字が縮んでいる流れが数字で示せれば買い手はつきます。全株ではなく過半数だけを買い、JR東日本スタートアップなどの既存株主は残る形でした。

買収後存続2026年10月9日時点

2026年4月1日に取得完了(同日付の経過開示)。公式サイトの会社概要のグループ会社一覧に社名のまま載っています。

確認元:株式会社セキュア 会社概要

出典:株式会社TOUCH TO GOの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

2023年12月18日株式譲渡(100%取得、子会社化)

株式会社ジェイ・ティー・エヌ

電気通信工事業・電気工事業(監視カメラシステムの構築を含む)/神奈川県横浜市/2001年10月設立

取得価額
7億5,500万円
対象の売上
4億8,700万円
対象の営業利益
8,400万円
対象の純資産
4億200万円

決算期:2023年9月期/譲渡前の株主:個人2名(代表取締役の岡田 毅 96.2%、高橋 康宏 3.8%)/普通株式の取得価額。別にアドバイザリー費用等(概算)4,000万円、合計(概算)7億9,500万円。取得資金としてみずほ銀行から7億5,000万円を借入(無担保・無保証)

買収理由:施工の人手不足リスクを減らし、設備工事の資格者とノウハウを取り込む

売上4億8,700万円・営業利益8,400万円・純資産4億200万円の電気工事会社を、7億5,500万円で100%取得しています。営業利益の約9.0倍、純資産の約1.9倍です。営業利益は1億4,400万円→2,700万円→8,400万円と一度落ちてから戻した直後の譲渡でした。買い手が欲しかったのは「資格者の数」と「施工ノウハウ」で、人手不足の業界では技術者を抱えていること自体が値段になります。

買収後存続2026年10月9日時点

2024年1月5日に取得完了(同日付の経過開示)。公式サイトの会社概要のグループ会社一覧に社名のまま載っています。

確認元:株式会社セキュア 会社概要

出典:株式会社ジェイ・ティー・エヌの株式の取得(子会社化)及び資金の借入に関するお知らせ

この会社に売るといくらか

取得価額が開示された4件の実績です。公表されている数字をそのまま並べたもので、 自社の価格を保証するものではありません。 営業利益率が低い業種では営業利益の倍率が大きく出るので、売上との比もあわせてご覧ください。

  • 日東通信株式会社14億500万円(売上の0.52倍・営業利益の22.0倍)
  • 株式会社テスコムジャパン5億7,000万円(売上の0.82倍・営業利益の8.8倍)
  • 株式会社TOUCH TO GO8億4,200万円(売上の0.87倍)※営業赤字での譲渡
  • 株式会社ジェイ・ティー・エヌ7億5,500万円(売上の1.55倍・営業利益の9.0倍)

自社だといくらになるかは、売却相場の考え方をご覧ください。

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本ページは株式会社セキュアが公表した適時開示をもとに編集部が整理したものです。 同社とは資本関係・提携関係はなく、掲載にあたって金銭のやり取りはありません。 内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。最終更新:2026年10月18日